与謝野馨財務相が自民党総裁選出馬への決意を固めたと伝えられる。財政規律重視派のエース登場ということになりそうだ。
これで総裁選の軸は麻生太郎幹事長VS与謝野と決まった。ここに彩りを添える囃子方として小池百合子、石原伸晃が加わるという構図になるだろう。
なぜ小池と石原が必要なのか。麻生と与謝野では地味な総裁選になって世間の関心をひかないからである。7年半前、小泉純一郎が総裁選で奇跡の勝利をとげて以来、自民党は人気至上主義に陥っている。何をやるにも「国民に受けるかどうか」が気になって仕方がない。
もっとも、この悪弊は自民党に限らない。この春「ガソリン値下げ隊」を行脚させた民主党も同様である。海の向こうでも同じことをやっている。アメリカ大統領選のことだ。共和党のマケインがパートナーに選んだのは44歳の女性知事・ペイリンだ。これまで一回しか会ったことがないという間柄の人物起用の狙いが、ヒラリー票取り込みにあるのは明らかだろう。女だというだけで、ヒラリー票がいただけると考える神経はなかなかのものだ。
小池は推薦人20人を集めるのに四苦八苦するだろう。その方が総裁選盛り上げには好都合だ。「派閥の論理や年寄りにいじめられる小池百合子」像をまずつくりあげる。そうして何とか20人をかき集める。後は小泉らが参戦してお祭り騒ぎ。と進んでいくだろう。
小池の役回りはここまでなのだが、選挙は水物だけに波乱要素がある。小池―小泉連合が人気を博し2001年4月の再来になるケースだ。
地方票が各都道府県連3票ずつの計141票しかない今回は組織戦になるとの見方が多い。だが、地方県連の中には予備選実施を表明しているところも多い。最多得票者に3票全部を投じる方式だ。しかも、予備投票は21日までに結果が判明している。
公表はしないことになっているが、必ず報道される。ここで小池に雪崩を打つようなことがあれば、「まさかのまさか」が起きないとも限らない。
石原は若手代表という役どころだが、トウが立っている。道路公団総裁の首一つ取るのに大騒ぎするようでは、能力も知れている。あの山崎拓にお伺いを立てなければ出馬を決断できないというのも情けない。石原に限っては出る出ないは半々ではないか。
総裁選の帰趨を概観してみると、自民党の生命維持装置はなかなかよくできていると感心する。政権党だからという理由はもちろんあるが、大衆受けするツボをよく心得ている。タレントもいる。派手な大立ち回りを演じても、やあやあと握手して抱き合う腹もある。
学生運動気分が抜けない民主党では、こうはいかない。だから野田も前原も枝野も立てないのだ。立つとしこりを引きずってしまう。
これで、22日までは自民党総裁選がニュースの中心に坐り続ける。その勢いで総選挙も、という狙いだろうが、そう甘くはない。
これで総裁選の軸は麻生太郎幹事長VS与謝野と決まった。ここに彩りを添える囃子方として小池百合子、石原伸晃が加わるという構図になるだろう。
なぜ小池と石原が必要なのか。麻生と与謝野では地味な総裁選になって世間の関心をひかないからである。7年半前、小泉純一郎が総裁選で奇跡の勝利をとげて以来、自民党は人気至上主義に陥っている。何をやるにも「国民に受けるかどうか」が気になって仕方がない。
もっとも、この悪弊は自民党に限らない。この春「ガソリン値下げ隊」を行脚させた民主党も同様である。海の向こうでも同じことをやっている。アメリカ大統領選のことだ。共和党のマケインがパートナーに選んだのは44歳の女性知事・ペイリンだ。これまで一回しか会ったことがないという間柄の人物起用の狙いが、ヒラリー票取り込みにあるのは明らかだろう。女だというだけで、ヒラリー票がいただけると考える神経はなかなかのものだ。
小池は推薦人20人を集めるのに四苦八苦するだろう。その方が総裁選盛り上げには好都合だ。「派閥の論理や年寄りにいじめられる小池百合子」像をまずつくりあげる。そうして何とか20人をかき集める。後は小泉らが参戦してお祭り騒ぎ。と進んでいくだろう。
小池の役回りはここまでなのだが、選挙は水物だけに波乱要素がある。小池―小泉連合が人気を博し2001年4月の再来になるケースだ。
地方票が各都道府県連3票ずつの計141票しかない今回は組織戦になるとの見方が多い。だが、地方県連の中には予備選実施を表明しているところも多い。最多得票者に3票全部を投じる方式だ。しかも、予備投票は21日までに結果が判明している。
公表はしないことになっているが、必ず報道される。ここで小池に雪崩を打つようなことがあれば、「まさかのまさか」が起きないとも限らない。
石原は若手代表という役どころだが、トウが立っている。道路公団総裁の首一つ取るのに大騒ぎするようでは、能力も知れている。あの山崎拓にお伺いを立てなければ出馬を決断できないというのも情けない。石原に限っては出る出ないは半々ではないか。
総裁選の帰趨を概観してみると、自民党の生命維持装置はなかなかよくできていると感心する。政権党だからという理由はもちろんあるが、大衆受けするツボをよく心得ている。タレントもいる。派手な大立ち回りを演じても、やあやあと握手して抱き合う腹もある。
学生運動気分が抜けない民主党では、こうはいかない。だから野田も前原も枝野も立てないのだ。立つとしこりを引きずってしまう。
これで、22日までは自民党総裁選がニュースの中心に坐り続ける。その勢いで総選挙も、という狙いだろうが、そう甘くはない。