酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

渡世人までキレるとは

2008-09-14 06:25:03 | Weblog
 露天商といえば、的屋(てきや)。寅さんの同業者だ。短気で向こう見ずだが、凶器を振り回したりはしない。と、思っていたら、違った。


 《13日午後10時20分ごろ、石川県白山市鶴来桑島町の桑島神社境内で行われていた秋祭りで、男が持っていた鎌で境内にいた人を次々切りつけ、30代の男性1人が死亡、男性6人が重軽傷を負った。祭りの関係者から「包丁を振り回している男がいる。けが人もいる」との110番通報を受け、県警鶴来署は金沢市法光寺町の露天商、新井敏明容疑者(42)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。

 同署の調べによると、新井容疑者は境内に露店を出していたが、参集者にからかわれたと思い、いったん露店を閉めて乗ってきた軽トラックで帰宅。同10時20分ごろ、乗用車に乗りかえて境内に再び乗り付けて人をはね、持っていた鎌で次々と人を切りつけたという。

 新井容疑者は露店で子どものおもちゃを売っていた。特に抵抗もなく逮捕されたという》=朝日電子版=


 客にからかわれて逆上したらしい。祭りの客は冷やかしが多い。お神酒が入っていて商品にあーだ、こーだ言う奴もいる。それをあしらい、逆にからかい、周りの客をにんまりさせるのが的屋の腕(顎)の見せどころなんだが…。


 的屋の質が極めて悪くなった。屋台一つかけるのにもたもたしている。いっぺんにできないで、坐って煙草を吸いだす始末だ。口上をいえる若い衆なんぞ見たことがない。アルバイトの若い子にいたっては、恐くて近寄れない雰囲気さえ漂わせている奴がいる。


 今回の容疑者は42歳だ。分別が出てくる年頃なのにどうしたのだろう。一連の通り魔事件などとは明らかに様相が違う。


 ポイントは客がからかったというその中身だろう。言ってはいけない言葉を投げかけた可能性がある。家まで取って返して、刃物を持ってくる。この間で頭は多少なりとも冷えているだろうに、行動は直線的であった。


 子どものおもちゃを売る的屋は、田舎の祭りでは食べ物屋についで人気が高い。売れなくていらいらしていたところに、変な声が聞こえてきた。「この野郎、ぶっ殺す」、となってしまった。


 被害者の中に容疑者の知人や顔見知りが含まれていた可能性もある。「こいつにだけは言われたくない」などの事情も考え得る。


 事件のシチュエーションが微妙なだけに、影響が心配だ。露天商への取締りが強化される恐れもある。祭りの規制や警戒が強まるのは必至だろう。そうやって祝祭の空間がまた狭まる。悪循環だと思うが…。
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