酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

自民党総裁選 茶番劇が始まる

2008-09-02 21:07:58 | Weblog
 権力者がその座を去るときは哀れなものだ。プライドが高い人物ほどそれが際立つ。例えば佐藤栄作の辞任会見。「新聞は出て行って。新聞は本当のことを伝えない。テレビだけ残ってください」。批判を受け止められないとこうなる。


 時が移り、福田康夫である。「私は自分を客観的に見ることができる。あなたとは違う」。毎日の若い女性記者の質問に切れた。福田はいい人だ。


 という訳で、自民党は次期総裁選モード一色である。小沢一郎の無投票当選が確定的な民主党との違いを際立たせるために、何が何でも選挙を実施するだろう。本命・麻生太郎は間違いない。では、対抗馬は誰か。小池百合子が出てくると予測している。総裁選を盛り上げるには、この組み合わせが一番いい。党内の知恵者はそう考えているに違いない。


 常識的に考えれば、景気刺激派の麻生に対しては、谷垣禎一か与謝野馨が財政再建を掲げて登場して当然だ。だが、谷垣は度胸が足りない。国民的人気もない。与謝野には健康問題が付きまとう。第一、彼らでは闘いに華がない。


 ここで担がれるのが小池だ。小泉純一郎が返り咲く以外では、最も注目される候補になることは間違いない。アメリカ共和党が女性副大統領候補を選ぶ時代だ。小池と麻生なら小沢一郎が霞むことは請け合いだ。


 ○○写真の中川秀直が小池擁立の旗を振ると見られる。


 ここで間違えてはならないのは、小池は「かませ犬」だということだ。勝ってもらっては困るのだ。麻生と派手な立ち回りを演じること自体が目的なのだ。総裁選報道で自民党の注目度と支持率は一時的に上がる。このときとばかり、小池に大勝した麻生が、衆院の解散、総選挙に打って出る。その時期は9月下旬から10月上旬だろう。臨時国会冒頭の解散が限りなく濃厚だと指摘しておこう。



 小池がまともな人物なら、立たないだろう。でも彼女の上昇志向は半端ではない。上手く焚きつけられれば、その気になるだろう。気になるのは小泉が応援団長として本格参戦した場合だ。国民的人気は小池・小泉軍団の方が高いかもそれない。代議員票で善戦する事態になれば、麻生陣営の目論見が狂うこともあり得る。



 福田や安倍が政権を投げ出すのは、傷付いた自分を見たくないためだ。いい気なものである。小池も鈍感力では福田に勝るとも劣らない。意外といいセンセイになるかもしれない。
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福田首相辞任

2008-09-02 07:44:47 | Weblog
 日本国民の政治不信を高め、世界に恥をさらす辞任劇だ。


 福田康夫首相が、1日夜、いきなり「辞めます」と発表した。いろいろ御託を並べていたが、要するに嫌になったのだ。「先週末に辞任を決断した」という。先週末とは11兆7千億円に及ぶ総合経済対策をぶち上げた時機だ。公明党に迫られて盛り込んだ定額減税も含まれている。


 この対策の速やかな実行が求められていた。インド洋での海自給油活動についてはブッシュ大統領に約束手形を切ってもいた。これらが負担になり、自信をなくした。自民党内には、次期衆院選は別な首相で戦うという暗黙の了解も出来上がっていた。辞めさせられる前に辞めよう、これが辞意に至った理由だろう。


 辞任会見の最後に出た毎日女性記者の質問への答えが、福田の心理をよく物語っている。


 記者 「首相の言葉は人ごとのようだという批判がある。今回もそういう印象を与えないか」

 首相 「私はね、自分自身を客観的に見ることができるんです。あなたと違うんです」


 マジ切れだ。目には涙が浮かんでいた。自分を客観的に見つめると、次の臨時国会は乗り切れない。この判断が自信家の福田にとって、どれほどの屈辱か。官邸の壁を蹴飛ばしているに違いない。


 「支持率が低いから」という趣旨の発言もあった。イギリスのブラウンはもっと低い。韓国のイ・ミョンバクや台湾の馬英九も同じようなものだ。でも、彼らは政権を放り出したりしない。安倍晋三といい、福田康夫といい、二世首相のひ弱さと政治信念のなさにはあきれるしかない。こんな国は国際的に相手にされない。


 子どもや若者に「夢を持て」だの「すぐに切れてはいけない」などといくら言っても、トップに立つ人間がこのざまでは効果はさっぱりだ。次も二世の麻生太郎だ。今度は半年で投げ出しかな。
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