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酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

こんな公立高校もあるのか

2008-04-13 17:55:24 | Weblog
 「入学金をまだ払ってないので、入学式には出席できません」。千葉県立八千代西高校が入学式に出席しようとした新入生二人をこんなせりふで押しとどめ、別室で待機させていたという。

 それなら、式に呼ばなければいいではないか。入学式の日に登校しないと、入学辞退とする規定でもあるのだろうか。とんでもない判断だ。公教育の場でこんなことがまかり通るようでは、日本はいよいよ危ない。

 大迫太校長は「授業料滞納が目立ち、未納は負担の先送りと思った」と話しているという(毎日新聞)。在校生の授業料滞納と入学金未納は違うはずだ。未納の二人は「きょうは用意できなかったが、後で払います」と理由も述べている。低賃金と物価高が進行するご時世だ。ほぼ全入の高校で生活に苦しい家庭が広がっているのは容易に想像できる。この校長の社会常識を疑う。

 払えなかった金は入学金と教材費など合計9万円である。校長の感覚ではたいした金ではなかったのだろう。「これぐらいの金が用意できないわけがない。ここで甘い顔をすると授業料滞納につながる」。おそらくそんな発想だ。「苦渋の判断だった」などと釈明しているが果たしてどうか。

 二人は保護者がお金を持ってくる(一人は一部)まで入学を許可されなかった。15歳の少年と少女である。「親は金を持ってきてくれるだろうか」と不安でたまらなかったに違いない。こんな思いを味あわせてはいけない。教育の何たるかを心得ない教師に教えられるのでは、入学後も悲劇が続くことになる。

 問題なのは、二人が他の生徒から特定されてしまったことだ。「入学金も払えないヤツ」と陰口を叩くようなことは絶対に許されない。教師全員で二人を守り抜く覚悟が問われる。

 校長も校長だが、他の教師は何も言わなかったのか。県教委もひどい。「保護者と生徒にはつらい思いをさせてしまった。事前に入学金についての十分な説明をしており、学校としてはやむを得ない判断だったと思う」(毎日新聞)。

 教委が滞納を少なくするよう指導を強めていたから校長がこういう反応をしたのではないか。教育より管理が優先する高校の在り方が問題になっているという認識に欠ける。どちらも教育を語る資格がない。
コメント (14)
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