酔眼独語 

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松沢クン、考え直そう

2008-04-20 06:31:12 | Weblog
 神奈川県の松沢成文知事が、不特定多数の人が利用する施設での喫煙を禁じる条例の制定を検討しているという。

 喫茶店や居酒屋、パチンコ店なども含む徹底したものだ。罰則規定もある。県民やメディアは概ね歓迎の方向らしい。

 たばこの煙が周囲の人の健康を損なうのはよろしくない。これは当たり前の話だ。二人しかいない屋内空間で、一方が喫煙を容認した場合、小生なら「ありがとうございます」と応じてやおら吸い始めるだろう。

 松沢クンは年度内に制定したい意向らしい。規制する場所は、屋内だけでなく球場や駅なども対象だ。工場や会社内は除外される見込みだ。

 朝日新聞は20日の社説で「松沢さん 頑張れ」なる見出しを掲げて支持の姿勢を明確にした。(この原稿を書き上げて「仕事の後の一服はうまいなあ」とか言っていたら可笑しいが)

 考えてみると、大いに問題がある条例だ。

 県の施設を禁煙とすることは県の裁量である。道路については管理者に権限がある。公園や広場も同様だ。禁煙ゾーンにするというなら「ご勝手にどうぞ」と折れましょう。

 でも、居酒屋や料理屋、パチンコ店など店内で客の行動を規制する権限を県は持っているのだろうか。店には店の流儀がある。一律に「店内でたばこは吸うな」などと強要するのは、権力の濫用だ。違法行為を取り締まるのとは訳が違う。

 そんなことより、路上のたばこ自動販売機の撤去が先だ。タスポなど導入しなくても、たばこを対面販売しか認めないようにすれば済む話だ。電力の節減にもなるし、街の美観も向上する。なぜ自販機を放置しておくのか。

 「屋内禁煙条例」なるファッショ的な条例で人の気を引くより、青少年の喫煙防止に直結する自販機対策に取り組むべきだ。

 こういう条例を許すと、次は家庭内まで禁止と言い出しかねない。朝日新聞は拍手を送っている場合か。健康問題に関心を向けるあまり条例の持つファッショ性を軽視してはいけない。

 増長した人物が、世論の追い風に乗ろうとこんなことを言い始めている。

 大阪府の橋下徹知事だ。「職員は勤務時間中喫煙してはならない」「全面禁煙実現のため休息時間をなくする」

 休息条例がなければ休息できない。こんな杓子定規な人事管理が公務員を駄目にしている。メリハリを付けなければ仕事の効率は上がらない。根を詰めるときと息抜きするときの配分は個人が差配することは言うまでもない。

 煙草を吸う場所や息抜きの仕方まで県や知事が管理したがる社会はろくなものではない。

 松沢クン、考え直すのは早いほうがいい。橋本クンはさっさと辞めよう。
コメント
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