酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

学校裏サイト38000件

2008-04-16 21:46:14 | Weblog
 文部科学省が初めて行った「学校裏サイト」の実態調査結果を公表した。「裏サイト」の定義は、学校の関与なしに学校生活について書き込みされているサイトだそうだ。

 大体、誰がこうしたサイトを「裏」などと名付けたor呼んだのか。裏とは表の反対側である。学校の公式HPが表でそれ以外は裏だ、などと定義付けること自体おかしい。マスメディアか教育委員会のミスリードである。

 公式ではないサイトが裏だということなら、当ブログも当然裏である。ネット上に存在するほとんどすべてのサイトも同様だ。裏と名付けている限り、いくらここが「悪の巣窟だ」などと悪罵を投げつけたところで、何の解決にもならないだろう。

「裏」とは何か。裏でないものなどあるのか。ここをきちんと整理する必要がある。

 フロイトらは、夢の世界をもう一つの人格が現れる場と考えた。人生の3分の1近くが夢の世界であることを考慮すれば、傾聴に値する論であろう。いささか意味は違うが、現代は夢を喪失した社会といわれる。となれば、ネット社会がそれに取って代わってもなんらの不思議はない。

 裏とは、もう一つの夢の世界なのではないか。そう考えると合点がいくことが多い。裏の特徴の一つは、現実の人格とは全く違った自分を演じることができる点にある。(もちろん、当ブログがそうだといっているのではない)。

 このケースで「裏」に書き込んでいる主体は、現実世界では思ったことを言えないのだろう。ひょっとすると、誹謗中傷の書き込みを繰り返している当人こそ、現実世界ではいじめの対象になっているのかもしれない。

 言いたいことが言えない。思っているとおりにならない。でも、直接苛立ちをぶつける勇気はない。こうした子どもたちが「裏」に逃げ込んでいるような気がしてならない。2ちゃんねるの少年少女、青少年たちはその「成長」した姿だ。

 ひどい書き込みをされた子どもには「『裏』など気にするな」といってあげたいのだが、きょう日の子どもはそれほど無神経では生きていけない。ここが難しいところだ。どこかで誰かが悪口を言っている。きちんと反論や否定をしたいけれども、言うべき相手が誰だか分からない。「ウザイ」「逝け」の言葉が耳鳴りとなって頭にこだまし、部屋から出られなくなる。最悪のパターンである。

 「裏」を表にしてしまえばいい。方法はその道の専門家が考えることだ。裏表の二元論は、勝ち組VS負け組み論と通じるところがある。問題は「表」と勝ち組にある。強い方、勝った方が譲るのが昔からのしきたりだ。これを忘れてしまっては、社会が成り立たない。

 だいぶ話が脱線したが、裏がはびこる要因は表にあるのは間違いない。学校自体、子どもたちの人間関係自体が崩れているということだ。小手先の対応策で乗り切れるほど事態は簡単ではない。
 
コメント
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