ホワイトシェパード・アリエスの日々 ≪一雲日記≫

いつまでもどこまでも一緒に歩こう!

アリエス・ライン

2019-08-09 | 11~12歳
私はこれまで、「今がいちばんいい人間」だった。だけどこれからは、アリエスと一緒だった頃を決して超えることはない。

アリエスは私にとって何もかも破格で、存在の清さも、伸びやかな生命力も、生命体としての美しさも、溢れかえる混じりけない感情も、限りない優しさも、絶対に他の存在を貶めない知性も、今となっては胸を掻きむしられるようなかわいさも、爆発的なものだった。心とか考え方の限界を、ニコニコ笑いながらびゅんびゅん広げてしまうようなやつだった。

アリエスの生み出す際限のなさというものが失われてみると、「ここらへんまでかな」というような心を区切るフレームがはまっている。感情の鮮明なひらめきは、アリエスの姿とともに消滅した気がする。しかしフレームの先にも世界が広がっていたことを、忘れはしないだろう。あるいは、アリエスが私の新たな限界線というべきか。

けれど今後の人生でこれ以上の鮮烈体験は必要ではないし、あの日々より輝かしいものはないとすれば、これから起こるほとんどのことは想定範囲におさまるだろう。だからこそ私は外でなく、自分の内側を掘ったり改修したりすることに、目を向けるべきだ。そうやって大事な大事なものを失うことを繰り返しながら、人は自らを凝視しつつ、時を重ねるものだろうかな。思い出を身いっぱいに詰め込んで、やがてそれごと土に還る。

アリエスを思うことは過去を思い出すことではあるけど、一応向いているのは前だ。あきらめることにも、あきらめないことにも、大きなエネルギーがいる。いろいろ考えても別の道には出ない。会いたいと言えるようになっただけ、7ヶ月という月日が経ったのだ。もういいから帰れ、アリエス。

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