昨夜ドラマを初見し何の先入観もないまま見流していたのですが…
いつまで経っても意味が分からず、ドラマの中で説明もないままでした。さすがに嫌になって、こんなドラマもう見ないと思いました。
それほど陰惨な話だったのです。
有刺鉄線が張り巡らされた高い屏。その中に全寮制らしい子供達の学校がある。
皆灰色の服を着て、上着はボロボロ。勉強科目には「社会」がなく、「心」という授業がある。宗教のようなきれい事を教えている。
また美術に力を入れ、絵の上手な人は心がきれいだ。そうでない人は心が汚いと教えられ、皆絵が上手である。
しかし偏った教育から絵の苦手な子に対する虐めが起きている。
全て管理された異様な世界。そこへ信任の先生がやって来る。彼女は教育の偏りを指摘し、校長に問い詰める。
そこで初めて校長はこの学校の子供達のこと、特別な目的で作られた子供達のことを告白する。
学校はその目的に添った入念なカリキュラムによって運営されていたのだ。
…というような筋ですが、40分くらい理由が分からず見させられていて、ストレスが溜まりました。
まるで北朝鮮の子かオウム真理教の子供達かと思ったくらいです。
しかし子役は達者ですね。土井の男の子の演技がすごく上手でした。
演技というよりドキュメンタリーのように見えました。だから尚更見てて辛かったのでしょう。
ラスト10分くらいで全てが打ち明けられます。
4年生を集めて校長の話があります。
「あなたたちは特別な人間です。外の世界の普通の人間ではありません。提供を使命とする目的で生まれました。
選ばれた存在、他の人たちの未来の為に体の一部を提供する人間、天使なのです」と。
待てよ。今は再生医療も進んでるし、自分の体の一部から自分の臓器が作られるそういう時代になってるのに。何で?
また、中国は罪人の臓器を摘出して輸出してるじゃない、臓器ビジネスやってるじゃん。とか思いました。
これが書かれたのが10年前のようです。イギリスで大ヒットして映画にもなったらしいです。
やっぱり10年前の考えかぁ…と思いました。
ラストの校長の演説を一番前に持ってきたら良かったのにね。
子供の世界をあれだけ描かれると、これって野島伸司のドラマみたいなもん?と勘違いしてしまいます。
大人になった恭子(綾瀬はるか)は外の世界で生活しています。携帯にメールが入ってきます。
特別な人間として育った人たちは、「提供者」が伝えられます。役割を果たさねばならないのです。
その介護をする人も伝えられます。
土井(三浦春馬)が臓器摘出され、終わるとそのまま移動させられ、介護人の綾瀬の手で焼却炉に入れられて始末されます。
恭子の意味深な言葉が投げかけられます。
「提供者はその任務を真っ当する。例えそれが私の全てを与えた人であろうと」
「また私の全てを奪った人であろうと」みたいな…。
最後になって前半のドラマの謎が全て解けました。
伏線もバッチリでした。
じっくり見ると、よく出来たドラマだわーと感心してしまいます。
先生からひいきされてるとうぬぼれていた少女が、後に恭子の愛した土井を奪った子なんですね。
やっと全体が分かりました。来週からは楽しくなるでしょう。
しかし冒険的なドラマです。朝日新聞の広告1面を使って作者と綾瀬さんの対談を載せていました。
かなり力が入ってますね。