素魚と書く俳人のなかりけり 白兎
しろうおとかくはいじんのなかりけり
白魚(しらうお)は、シラウオ科の体長10㎝程の半透明な白色で、死ぬと白くなる。霞ケ浦の春の風物詩「帆びき網漁」が有名であるが、現在では動力船のトロール網で獲っている。春の季語であり、傍題として、白魚網、白魚舟、白魚汲む、白魚火などがある。
一方、素魚(しろうお)は、ハゼ科の体長5㎝程のほぼ透明な魚で、脊椎などが透けて見えるが、死ぬと白く濁って見えなくなる。漁法は四手網などを使う漁が春の風物詩として有名で、他には地引網や簗によるものもある。九州地方で有名な「踊り食い」の対象となるのは、この「素魚(しろうお)」である。この「素魚」を春の季語として所収している歳時記は確認できていないが、著名な俳人もこの二つを混同している例が多い。
活白魚とて口中をまだ動く 稲畑汀子
昼深く生ける白魚をすすり食ぶ 五所平之助
静岡市清水区の庵原川は、「由比のサクラエビに清水のシロウオと言われた東海道の名物」であるシロウオ(絶滅危惧IA類)が遡上・営巣し、産卵する、数少ない河川の一つで、平成22年3月~4月に実施したシロウオの遡上・営巣調査では、0.7km付近(東海道新幹線下流)まで遡上・営巣が確認されています。
遡上する絶対数は興津川と比べると少ないのですが、興津川が河口閉塞でシロウオが遡上できない年は、庵原川と隣接する波多打川が年魚であるシロウオの生命線になると言われています。本日、令和5年3月5日のNHKテレビで放映されていました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます