近頃の静岡弁は昔に比べると変化してきていると思います。標準語に近づいているのはやはりテレビやラジオの影響ではないでしょうか。言葉は普段から使っていないと忘れてしまいます。静岡弁で話しましょう。
【あつらさる】 頼まれる。預かる。
(用 例) このごんぼーを、足久保のきんみー婆さんからあつらさってきたもんだんて。
(標準語訳) この牛蒡を、足久保のきみ婆さんから預かってきましたので。
【あんもう】 餅。
(用 例) 正月のあんもう搗かざぁ。
(標準語訳) 正月の餅を搗こう。
【いかい】 大きい。大層。
(用 例) 馬鹿野郎。いきゃぁことゆうな。
(標準語訳) お前さん。大きいこと言わないで。
【いのく】 動く。
(用 例) そこの石いのかしてくりょう。
(標準語訳) そこの石を動かしてください。
【いみり・えみり】 ひび。割れ目。
(用 例) やいやい、茶碗へいみりん入っちゃってぇ。
(標準語訳) あれあれ、茶碗へヒビが入っちゃいました。
【いらひじい】 ものほしがる。
(用 例) ふんとに、いらひじぼったい野郎だ。
(標準語訳) 本当にものほしそうな奴だ。
【うざましい】 とても大きい。甚だしい。
(用 例) 殺生にいって、うざましいししを獲っただってさ。
(標準語訳) 狩にいって、すごく大きな猪を獲ったそうです。
【うっちゃる】 捨てる。
(用 例) もう、いらにゃぁもんで、うっちゃってくりょう。
(標準語訳) もう、要らないので、捨ててください。
【えーかん】 かなり。たくさん。
(用 例) せんころまで、えーかんあったっきけーがどうしちゃったずら。
(標準語訳) この間まで、たくさんあったのにどうしたのでしょうか。
【えらい】 つらい。苦しい。大変だ。
(用 例) 土方仕事はからだんえりゃぁやぁ。
(標準語訳) 土方仕事は体が大変です。
【おーぼったい】 うっとうしい。はれぼったい。
(用 例) ゆんべ、よふかししたもんで、顔がおーぼったいやぁ。
(標準語訳) 昨夜、夜更かししたので、顔がはれぼったいです。
【おぞい・おんぞくたい】 粗悪。劣等。
(用 例) おぜぇせいかくだなぁ。
(標準語訳) 悪い性格だなあ。
【おそかす】 教える。
(用 例) 誰だっても、始めは、わかんにゃぁだんて、おそかしてやれやぁ。
(標準語訳) 誰でも、始めは、解からないのだから、教えてあげなさい。
【おとましい】 いやだなぁ。不潔だなぁ。
(用 例) かあかあしくて、おとましい野郎だ。
(標準語訳) やかましくて、いやな奴だ。
【おだっくい】 お調子者。
(用 例) あの、おだっくい野郎が、しょんにゃぁなあ。
(標準語訳) あの、お調子者が、仕方がないなあ。
【おひんぶる】 上品なふりをする。
(用 例) あんまし、おひんぶってると嫌われるぜん。
(標準語訳) あまり、上品ぶってると嫌われますよ。
【おもる】 おごる。
(用 例) あんぶく銭ん入ったんて、おもってやらぁ。
(標準語訳) あぶく銭が入ったので、おごってやろう。
【おやす】 いためる。
(用 例) あんまし、無理すると身体をおやしちゃうよ。
(標準語訳) 余り、無理すると身体を壊してしまいますよ。
【かーかーしい】 意地汚い。
(用 例) 欲ばっか深くて、かーかーしい野郎だ。
(標準語訳) 欲ばかり深くて、意地汚いやつだ。
【かーばる】 こびりつく。
(用 例) 勝手に、かーばれ日なたの干糞
(標準語訳) 勝手に、こびりつけ日なたの干糞。
【かじくる】 ひっ掻く。
(用 例) 猫に手をかじくられちゃった。
(標準語訳) 猫に手をひっ掻かれてしまった。
【かせる】 貸す。
(用 例) 金かせてやろうか。
(標準語訳) 金貸してやろうか。
【がらい・がらいか】 つい。うっかり。
(用 例) がらいか足んすべってころけちゃってぇ。
(標準語訳) うっかり足が滑って転びました。
【がんこ】 非常に。
(用 例) がんこ手間暇んかかる仕事だ。
(標準語訳) 非常に手間暇がかかる仕事だ。
【かんじくなる】 かじかむ。
(用 例) 手がかんじくなって鉛筆んもてぇにゃぁ。
(標準語訳) 手が悴んで鉛筆が持てない。
【かんだるい・かいだるい】 だるい。つかれる。
(用 例) つるっぱしで穴ほったらかんだりーやぁ。
(標準語訳) 鶴嘴で穴を掘ったら疲れました。
【きーない】 黄色い。
(用 例) タンポポの花はきーない。
(標準語訳) タンポポの花は黄色い。
【きやんぼう】 きやん坊は山林労務者のこと。
(用 例) あのうちゃあきやん坊だんて田んぼはにゃあら。
(標準語訳) あの家は山林労務者だから田圃はないだろう。
【くすがる・くすげる】 刺さる。刺す。
(用 例) 足に古釘がくすがった。
(標準語訳) 足に古釘が刺さった。
【くすべ】 ほくろ。
(用 例) 顔にくすべがある。
(標準語訳) 顔にほくろがある。
【くむ】 崩れる。
(用 例) 地震で石垣がくんだ。
(標準語訳) 地震で石垣が崩れた。
【くろ】 端。傍。隅。
(用 例) 車を道のくろへ止めてくりょう。
(標準語訳) 車を道端へ止めてください。
【こすい】 ずるい。
(用 例) やっこさんはこすい野郎だ。
(標準語訳) 彼はずるい男だ。
【こずむ】 沈殿する。
(用 例) 濁酒の滓が底にこずんでらぁ。
(標準語訳) ドブロクの滓が底に沈殿してます。
【ごせっぽい】 せいせいする。さっぱりする。
(用 例) 亭主ん留守でごせっぺぇわ。
(標準語訳) 亭主が留守でせいせいする。
【こちー】 小さい。
(用 例) 身体はこちーけえが度胸はあらぁ。
(標準語訳) 身体は小さいが度胸はある。
【こそくる】 つくろう。修繕する。
(用 例) あんてーは大工だけぇがこそくりばっかしだ。
(標準語訳) あの人は大工だが修繕仕事ばかりだ。
【こば】 端。隅。傍。物のかど。
(用 例) 倉庫の真ん中へ置かずにこばへ置いてくりょう。
(標準語訳) 倉庫の真ん中へ置かないで隅へ置いて下さい。
【こんじょこんじょ】 ウスバカゲロウの幼虫。
(用 例) 蟻地獄はこんじょこんじょの巣ずら。
(標準語訳) 蟻地獄はウスバカゲロウの幼虫の巣でしょう。
【ささらほーさら】 乱雑。めちゃくちゃ。でたらめ。
(用 例) 部屋の中んばっちらがってささらほーさらだ。
(標準語訳) 部屋の中が散乱してめちゃくちゃだ。
【さばく】 破る。
(用 例) やっきりしたもんでメモをさばいてうっちゃっちゃった。
(標準語訳) 腹がたったのでメモを破いて捨てました。
【さんだす】 差し出す。
(用 例) そこの金鎚とってこっちへさんだいてくりょう。
(標準語訳) そこの金鎚とってこちらへ差し出して下さい。
【しょんない】 しかたがない。
(用 例) そんなんせちがうじゃぁしょんにゃぁくれてやらぁ。
(標準語訳) そんなにねだられては仕方がない差し上げましょう。
【しょろしょろ】 のろのろ。もたもた。
(用 例) しょろしょろしてんなよ。
(標準語訳) もたもたしてないで。
【しらっくら】 態度がはっきりしないこと。
(用 例) しらっくらしてにゃぁで好きなら好きって言え。
(標準語訳) ぐずぐずしてないで好きなら好きと言え。
【すこい・すけー】 ずるい。
(用 例) すけー野郎だ。
(標準語訳) ずるい奴だ。
【ずなる・ずなりとばす】 すっとぶ。すっとばす。
(用 例) ずなってきてくりょう。
(標準語訳) すっとんできてください。
【ずら】 でしょう。だろう。
(用 例) あそこへしょんべんひったのはおみゃーずら。
(標準語訳) あそこへ小便したのは貴方でしょう。
【せちがう・せちごー】 ねだる。せがむ。
(用 例) あんましせちごーもんで根負けしちゃった。
(標準語訳) あんまりねだるので根負けしてしまいました。
【せんころ】 先頃。先日。
(用 例) せんころの約束わすれんなよ。
(標準語訳) この間の約束忘れないでね。
【そのいと】 そのうち。
(用 例) そのいと一杯やらぜー。
(標準語訳) そのうちに一杯やりましょう。
【ぞんぐり】 ぞっとする。ひやっとする。
(用 例) 鼻声でせまられてぞんぐりしちゃった。
(標準語訳) 鼻声でせまられてぞっとしました。
【たんと】 たくさん。
(用 例) えんりょしにゃーでたんと食ってやー。。
(標準語訳) 遠慮しないでたくさん食べて下さい。
【ちーっと】 少し。
(用 例) たんと飲むと酔っちゃうんてちーっと注いでやー。
(標準語訳) たくさん飲むと酔ってしまうので少し注いで下さい。
【ちょっくり・ちょっくら】 ちょっと。
(用 例) ちょっくら行ってくらー。
(標準語訳) ちょっと行ってきます。
【ちんびー・ちんびくたい】 小さい。
(用 例) 身体はちんびーけーが胆は据わってるぜん。
(標準語訳) 身体は小さいが肝は据わっているぞ。
【ちんぶりをかく】 すねる。
(用 例) 仲間はずれにされてちんぶりをかいてんだよ。
(標準語訳) 仲間はずれにされてすねているのです。
【つっころかす】 押す。つきとばす。
(用 例) 後ろからつっころかされてひっくりけぇっちゃってぇ。
(標準語訳) 後ろから押されて転んでしまいました。
【づない】 強い。壮健だ。健康だ。達者だ。元気だ。
(用 例) あっちの家の婆さんはいつまでもづにゃあなあ。。
(標準語訳) あちらのお宅のお婆さんはいつまでもお元気ですねえ。
【てっさん】 素手で魚を獲ること。
(用 例) この鮒ぁてっさんで獲ったでぇ。
(標準語訳) この鮒は手づかみで獲りました。
【とぶ】 走る。駆ける。
(用 例) とびっくらするか。
(標準語訳) 駆けくらべしようか。
【なるい】 ゆるやか。
(用 例) もうちっと削ってなるくしてくりょう。
(標準語訳) もう少し削って勾配をゆるやかにしてください。
【なりき】 ぞんざい。いいかげん。
(用 例) なりきな仕事をするな。
(標準語訳) ぞんざいな仕事をするな。
【ぬくとい】 あたたかい。
(用 例) 冬にしちゃーぬくとい日だなぁ。
(標準語訳) 冬にしては暖かい日ですねぇ。
【のんばめる】 もてあます。のどにつかえる。
(用 例) 仕事をのんばめちゃって屁をたれちゃった。
(標準語訳) 仕事をもてあまして苦労した。
【はだって】 わざと。わざわざ。
(用 例) はだってやったずら。
(標準語訳) わざとやったんでしょう。
【ひっさぼる】 投げ出す。投げ捨てる。
(用 例) 仕事をひっさぼーってきた。。
(標準語訳) 仕事を投げ出してきた。。
【ひどろしい】 眩しい。
(用 例) おてんとさんがひどろしい。
(標準語訳) 太陽がまぶしい。
【ひなる】 ひーひー泣く。悲鳴を上げる。
(用 例) おまっちんかあさんが焼餅やいて、ひなってたぜん。
(標準語訳) お宅の奥さんが焼餅やいて、ひーひー泣いていたよ。
【ひまっさい】 時間の無駄。
(用 例) いそがしいずらに、ひまっさいさせちゃって申し訳んにゃぁ。
(標準語訳) 忙しいだろうに、時間をとらせて申し訳ありません。
【ひろひろする】物欲しそうにする。
(用 例) 酒も肴もたんとあるだんて、ひろひろするな。
(標準語訳) 酒も肴もたくさんあるから、物欲しそうにしないで。
【ぶしょったい】 きたない。不潔。
(用 例) ぶしょったい野郎だ。
(標準語訳) 不潔な奴だ。
【ぶそくる】 ふてくさる。不機嫌になる。
(用 例) 朝からぶそくってんだよ。
(標準語訳) 朝から不機嫌なんです。
【ぶっさらう】 なぐる。打つ。
(用 例) くだらにゃぁこというと、ぶっさらうぞ。
(標準語訳) つまらないこというと、ぶんなぐるぞ。
【ふんと】 ほんとう。
(用 例) ふんとにやっきりしちゃったっけ。
(標準語訳) ほんとうに腹がたったっけ。
【べったら】 小麦粉を溶いて焼いたもの。
(用 例) はらんへったらべったらでも焼いて食えさ。
(標準語訳) お腹が空いたらうどん粉を焼いて食べなさい。
【ぼさ】 草むら。やぶ。木のしげみ。
(用 例) そこの、ぼさをきっさらってくりょう。
(標準語訳) そこの、藪を切り払ってください。
【ぼっこ】 ぼろ。
(用 例) 貧乏してるもんで、こんなぼっこしか着れにゃぁでぇ。
(標準語訳) 貧乏しているので、こんなぼろしか着れません。
【ぼったつ】 ぼやっとして立つ。
(用 例) いつまでも、ぼったってんなやぁ。
(標準語訳) いつまでも、ぼやっと立っていないでよ。
【ぼったろう】 蟇蛙。
【ままい・まみゃー】 何とぞ。どうぞ。
(用 例) まみゃーたのむでたすけてくりょう。
(標準語訳) 何とぞお願い、助けてください。
【まめったい】 よく働く。達者だ。
(用 例) あのひたぁふんとにまめったいやぁ。
(標準語訳) あの人は本当に働き者です。
【まるける】 束ねる。丸める。
(用 例) 古新聞まるけて片付けてくりょう。
(標準語訳) 古新聞束ねて片付けてください。
【まるさら】 まるごと。そっくり全部。
(用 例) 鰹一本まるさら買ってきた。
(標準語訳) 鰹一本まるごと買ってきた。
【みこがいい】 おぼえがよい。えこひいきされる。
(用 例) あんてぇは上司にみこがえぇ。。
(標準語訳) あの人は上司におぼえがよい。
【みるい】 やわらかい。未熟。若い。
(用 例) まだみるすぎて茶摘にゃはやぁ。
(標準語訳) まだやわらかすぎて茶摘には早い。
【もそぐったい】 くすぐったい。
(用 例) 虫に食われただか臍のあたりんもそぐったいやぁ。
(標準語訳) 虫に刺されたのでしょうか臍の辺りがくすぐったいです。
【もや】 焚き木。
(用 例) せんころまじゃぁもやぁもやぁてめしょうたいたんだよ。
(標準語訳) この間までは焚き木を燃やして飯を炊いていました。
【やいやい】 あれあれ。
(用 例) やいやい、またしくじっちゃってぇ。
(標準語訳) あれあれ、また失敗してしまいました。
【やっきり】 腹立たしい。しゃくにさわる。じれったい。
(用 例) 勝手なことばっかりいやぁがってやっきりしちゃったっけ。
(標準語訳) 勝手なことばかり言われて腹立たしかった。
【やぶせったい】 うっとうしい。
(用 例) 庭の樹が茂ってやぶせったいんて伐っちまおう。
(標準語訳) 庭の樹が茂ってうっとうしいので伐ってしまおう。
【よーせー】 きゃしゃ。弱弱しい。
(用 例) あの仁は育ちんええもんでよーせーだ。
(標準語訳) あの人は育ちがいいので華奢だ。
【らんごく】 乱雑。
(用 例) 材料置き場んらんごくで手がつけられねぇ。
(標準語訳) 材料置き場が乱雑で手がつけられない。
【あつらさる】 頼まれる。預かる。
(用 例) このごんぼーを、足久保のきんみー婆さんからあつらさってきたもんだんて。
(標準語訳) この牛蒡を、足久保のきみ婆さんから預かってきましたので。
【あんもう】 餅。
(用 例) 正月のあんもう搗かざぁ。
(標準語訳) 正月の餅を搗こう。
【いかい】 大きい。大層。
(用 例) 馬鹿野郎。いきゃぁことゆうな。
(標準語訳) お前さん。大きいこと言わないで。
【いのく】 動く。
(用 例) そこの石いのかしてくりょう。
(標準語訳) そこの石を動かしてください。
【いみり・えみり】 ひび。割れ目。
(用 例) やいやい、茶碗へいみりん入っちゃってぇ。
(標準語訳) あれあれ、茶碗へヒビが入っちゃいました。
【いらひじい】 ものほしがる。
(用 例) ふんとに、いらひじぼったい野郎だ。
(標準語訳) 本当にものほしそうな奴だ。
【うざましい】 とても大きい。甚だしい。
(用 例) 殺生にいって、うざましいししを獲っただってさ。
(標準語訳) 狩にいって、すごく大きな猪を獲ったそうです。
【うっちゃる】 捨てる。
(用 例) もう、いらにゃぁもんで、うっちゃってくりょう。
(標準語訳) もう、要らないので、捨ててください。
【えーかん】 かなり。たくさん。
(用 例) せんころまで、えーかんあったっきけーがどうしちゃったずら。
(標準語訳) この間まで、たくさんあったのにどうしたのでしょうか。
【えらい】 つらい。苦しい。大変だ。
(用 例) 土方仕事はからだんえりゃぁやぁ。
(標準語訳) 土方仕事は体が大変です。
【おーぼったい】 うっとうしい。はれぼったい。
(用 例) ゆんべ、よふかししたもんで、顔がおーぼったいやぁ。
(標準語訳) 昨夜、夜更かししたので、顔がはれぼったいです。
【おぞい・おんぞくたい】 粗悪。劣等。
(用 例) おぜぇせいかくだなぁ。
(標準語訳) 悪い性格だなあ。
【おそかす】 教える。
(用 例) 誰だっても、始めは、わかんにゃぁだんて、おそかしてやれやぁ。
(標準語訳) 誰でも、始めは、解からないのだから、教えてあげなさい。
【おとましい】 いやだなぁ。不潔だなぁ。
(用 例) かあかあしくて、おとましい野郎だ。
(標準語訳) やかましくて、いやな奴だ。
【おだっくい】 お調子者。
(用 例) あの、おだっくい野郎が、しょんにゃぁなあ。
(標準語訳) あの、お調子者が、仕方がないなあ。
【おひんぶる】 上品なふりをする。
(用 例) あんまし、おひんぶってると嫌われるぜん。
(標準語訳) あまり、上品ぶってると嫌われますよ。
【おもる】 おごる。
(用 例) あんぶく銭ん入ったんて、おもってやらぁ。
(標準語訳) あぶく銭が入ったので、おごってやろう。
【おやす】 いためる。
(用 例) あんまし、無理すると身体をおやしちゃうよ。
(標準語訳) 余り、無理すると身体を壊してしまいますよ。
【かーかーしい】 意地汚い。
(用 例) 欲ばっか深くて、かーかーしい野郎だ。
(標準語訳) 欲ばかり深くて、意地汚いやつだ。
【かーばる】 こびりつく。
(用 例) 勝手に、かーばれ日なたの干糞
(標準語訳) 勝手に、こびりつけ日なたの干糞。
【かじくる】 ひっ掻く。
(用 例) 猫に手をかじくられちゃった。
(標準語訳) 猫に手をひっ掻かれてしまった。
【かせる】 貸す。
(用 例) 金かせてやろうか。
(標準語訳) 金貸してやろうか。
【がらい・がらいか】 つい。うっかり。
(用 例) がらいか足んすべってころけちゃってぇ。
(標準語訳) うっかり足が滑って転びました。
【がんこ】 非常に。
(用 例) がんこ手間暇んかかる仕事だ。
(標準語訳) 非常に手間暇がかかる仕事だ。
【かんじくなる】 かじかむ。
(用 例) 手がかんじくなって鉛筆んもてぇにゃぁ。
(標準語訳) 手が悴んで鉛筆が持てない。
【かんだるい・かいだるい】 だるい。つかれる。
(用 例) つるっぱしで穴ほったらかんだりーやぁ。
(標準語訳) 鶴嘴で穴を掘ったら疲れました。
【きーない】 黄色い。
(用 例) タンポポの花はきーない。
(標準語訳) タンポポの花は黄色い。
【きやんぼう】 きやん坊は山林労務者のこと。
(用 例) あのうちゃあきやん坊だんて田んぼはにゃあら。
(標準語訳) あの家は山林労務者だから田圃はないだろう。
【くすがる・くすげる】 刺さる。刺す。
(用 例) 足に古釘がくすがった。
(標準語訳) 足に古釘が刺さった。
【くすべ】 ほくろ。
(用 例) 顔にくすべがある。
(標準語訳) 顔にほくろがある。
【くむ】 崩れる。
(用 例) 地震で石垣がくんだ。
(標準語訳) 地震で石垣が崩れた。
【くろ】 端。傍。隅。
(用 例) 車を道のくろへ止めてくりょう。
(標準語訳) 車を道端へ止めてください。
【こすい】 ずるい。
(用 例) やっこさんはこすい野郎だ。
(標準語訳) 彼はずるい男だ。
【こずむ】 沈殿する。
(用 例) 濁酒の滓が底にこずんでらぁ。
(標準語訳) ドブロクの滓が底に沈殿してます。
【ごせっぽい】 せいせいする。さっぱりする。
(用 例) 亭主ん留守でごせっぺぇわ。
(標準語訳) 亭主が留守でせいせいする。
【こちー】 小さい。
(用 例) 身体はこちーけえが度胸はあらぁ。
(標準語訳) 身体は小さいが度胸はある。
【こそくる】 つくろう。修繕する。
(用 例) あんてーは大工だけぇがこそくりばっかしだ。
(標準語訳) あの人は大工だが修繕仕事ばかりだ。
【こば】 端。隅。傍。物のかど。
(用 例) 倉庫の真ん中へ置かずにこばへ置いてくりょう。
(標準語訳) 倉庫の真ん中へ置かないで隅へ置いて下さい。
【こんじょこんじょ】 ウスバカゲロウの幼虫。
(用 例) 蟻地獄はこんじょこんじょの巣ずら。
(標準語訳) 蟻地獄はウスバカゲロウの幼虫の巣でしょう。
【ささらほーさら】 乱雑。めちゃくちゃ。でたらめ。
(用 例) 部屋の中んばっちらがってささらほーさらだ。
(標準語訳) 部屋の中が散乱してめちゃくちゃだ。
【さばく】 破る。
(用 例) やっきりしたもんでメモをさばいてうっちゃっちゃった。
(標準語訳) 腹がたったのでメモを破いて捨てました。
【さんだす】 差し出す。
(用 例) そこの金鎚とってこっちへさんだいてくりょう。
(標準語訳) そこの金鎚とってこちらへ差し出して下さい。
【しょんない】 しかたがない。
(用 例) そんなんせちがうじゃぁしょんにゃぁくれてやらぁ。
(標準語訳) そんなにねだられては仕方がない差し上げましょう。
【しょろしょろ】 のろのろ。もたもた。
(用 例) しょろしょろしてんなよ。
(標準語訳) もたもたしてないで。
【しらっくら】 態度がはっきりしないこと。
(用 例) しらっくらしてにゃぁで好きなら好きって言え。
(標準語訳) ぐずぐずしてないで好きなら好きと言え。
【すこい・すけー】 ずるい。
(用 例) すけー野郎だ。
(標準語訳) ずるい奴だ。
【ずなる・ずなりとばす】 すっとぶ。すっとばす。
(用 例) ずなってきてくりょう。
(標準語訳) すっとんできてください。
【ずら】 でしょう。だろう。
(用 例) あそこへしょんべんひったのはおみゃーずら。
(標準語訳) あそこへ小便したのは貴方でしょう。
【せちがう・せちごー】 ねだる。せがむ。
(用 例) あんましせちごーもんで根負けしちゃった。
(標準語訳) あんまりねだるので根負けしてしまいました。
【せんころ】 先頃。先日。
(用 例) せんころの約束わすれんなよ。
(標準語訳) この間の約束忘れないでね。
【そのいと】 そのうち。
(用 例) そのいと一杯やらぜー。
(標準語訳) そのうちに一杯やりましょう。
【ぞんぐり】 ぞっとする。ひやっとする。
(用 例) 鼻声でせまられてぞんぐりしちゃった。
(標準語訳) 鼻声でせまられてぞっとしました。
【たんと】 たくさん。
(用 例) えんりょしにゃーでたんと食ってやー。。
(標準語訳) 遠慮しないでたくさん食べて下さい。
【ちーっと】 少し。
(用 例) たんと飲むと酔っちゃうんてちーっと注いでやー。
(標準語訳) たくさん飲むと酔ってしまうので少し注いで下さい。
【ちょっくり・ちょっくら】 ちょっと。
(用 例) ちょっくら行ってくらー。
(標準語訳) ちょっと行ってきます。
【ちんびー・ちんびくたい】 小さい。
(用 例) 身体はちんびーけーが胆は据わってるぜん。
(標準語訳) 身体は小さいが肝は据わっているぞ。
【ちんぶりをかく】 すねる。
(用 例) 仲間はずれにされてちんぶりをかいてんだよ。
(標準語訳) 仲間はずれにされてすねているのです。
【つっころかす】 押す。つきとばす。
(用 例) 後ろからつっころかされてひっくりけぇっちゃってぇ。
(標準語訳) 後ろから押されて転んでしまいました。
【づない】 強い。壮健だ。健康だ。達者だ。元気だ。
(用 例) あっちの家の婆さんはいつまでもづにゃあなあ。。
(標準語訳) あちらのお宅のお婆さんはいつまでもお元気ですねえ。
【てっさん】 素手で魚を獲ること。
(用 例) この鮒ぁてっさんで獲ったでぇ。
(標準語訳) この鮒は手づかみで獲りました。
【とぶ】 走る。駆ける。
(用 例) とびっくらするか。
(標準語訳) 駆けくらべしようか。
【なるい】 ゆるやか。
(用 例) もうちっと削ってなるくしてくりょう。
(標準語訳) もう少し削って勾配をゆるやかにしてください。
【なりき】 ぞんざい。いいかげん。
(用 例) なりきな仕事をするな。
(標準語訳) ぞんざいな仕事をするな。
【ぬくとい】 あたたかい。
(用 例) 冬にしちゃーぬくとい日だなぁ。
(標準語訳) 冬にしては暖かい日ですねぇ。
【のんばめる】 もてあます。のどにつかえる。
(用 例) 仕事をのんばめちゃって屁をたれちゃった。
(標準語訳) 仕事をもてあまして苦労した。
【はだって】 わざと。わざわざ。
(用 例) はだってやったずら。
(標準語訳) わざとやったんでしょう。
【ひっさぼる】 投げ出す。投げ捨てる。
(用 例) 仕事をひっさぼーってきた。。
(標準語訳) 仕事を投げ出してきた。。
【ひどろしい】 眩しい。
(用 例) おてんとさんがひどろしい。
(標準語訳) 太陽がまぶしい。
【ひなる】 ひーひー泣く。悲鳴を上げる。
(用 例) おまっちんかあさんが焼餅やいて、ひなってたぜん。
(標準語訳) お宅の奥さんが焼餅やいて、ひーひー泣いていたよ。
【ひまっさい】 時間の無駄。
(用 例) いそがしいずらに、ひまっさいさせちゃって申し訳んにゃぁ。
(標準語訳) 忙しいだろうに、時間をとらせて申し訳ありません。
【ひろひろする】物欲しそうにする。
(用 例) 酒も肴もたんとあるだんて、ひろひろするな。
(標準語訳) 酒も肴もたくさんあるから、物欲しそうにしないで。
【ぶしょったい】 きたない。不潔。
(用 例) ぶしょったい野郎だ。
(標準語訳) 不潔な奴だ。
【ぶそくる】 ふてくさる。不機嫌になる。
(用 例) 朝からぶそくってんだよ。
(標準語訳) 朝から不機嫌なんです。
【ぶっさらう】 なぐる。打つ。
(用 例) くだらにゃぁこというと、ぶっさらうぞ。
(標準語訳) つまらないこというと、ぶんなぐるぞ。
【ふんと】 ほんとう。
(用 例) ふんとにやっきりしちゃったっけ。
(標準語訳) ほんとうに腹がたったっけ。
【べったら】 小麦粉を溶いて焼いたもの。
(用 例) はらんへったらべったらでも焼いて食えさ。
(標準語訳) お腹が空いたらうどん粉を焼いて食べなさい。
【ぼさ】 草むら。やぶ。木のしげみ。
(用 例) そこの、ぼさをきっさらってくりょう。
(標準語訳) そこの、藪を切り払ってください。
【ぼっこ】 ぼろ。
(用 例) 貧乏してるもんで、こんなぼっこしか着れにゃぁでぇ。
(標準語訳) 貧乏しているので、こんなぼろしか着れません。
【ぼったつ】 ぼやっとして立つ。
(用 例) いつまでも、ぼったってんなやぁ。
(標準語訳) いつまでも、ぼやっと立っていないでよ。
【ぼったろう】 蟇蛙。
【ままい・まみゃー】 何とぞ。どうぞ。
(用 例) まみゃーたのむでたすけてくりょう。
(標準語訳) 何とぞお願い、助けてください。
【まめったい】 よく働く。達者だ。
(用 例) あのひたぁふんとにまめったいやぁ。
(標準語訳) あの人は本当に働き者です。
【まるける】 束ねる。丸める。
(用 例) 古新聞まるけて片付けてくりょう。
(標準語訳) 古新聞束ねて片付けてください。
【まるさら】 まるごと。そっくり全部。
(用 例) 鰹一本まるさら買ってきた。
(標準語訳) 鰹一本まるごと買ってきた。
【みこがいい】 おぼえがよい。えこひいきされる。
(用 例) あんてぇは上司にみこがえぇ。。
(標準語訳) あの人は上司におぼえがよい。
【みるい】 やわらかい。未熟。若い。
(用 例) まだみるすぎて茶摘にゃはやぁ。
(標準語訳) まだやわらかすぎて茶摘には早い。
【もそぐったい】 くすぐったい。
(用 例) 虫に食われただか臍のあたりんもそぐったいやぁ。
(標準語訳) 虫に刺されたのでしょうか臍の辺りがくすぐったいです。
【もや】 焚き木。
(用 例) せんころまじゃぁもやぁもやぁてめしょうたいたんだよ。
(標準語訳) この間までは焚き木を燃やして飯を炊いていました。
【やいやい】 あれあれ。
(用 例) やいやい、またしくじっちゃってぇ。
(標準語訳) あれあれ、また失敗してしまいました。
【やっきり】 腹立たしい。しゃくにさわる。じれったい。
(用 例) 勝手なことばっかりいやぁがってやっきりしちゃったっけ。
(標準語訳) 勝手なことばかり言われて腹立たしかった。
【やぶせったい】 うっとうしい。
(用 例) 庭の樹が茂ってやぶせったいんて伐っちまおう。
(標準語訳) 庭の樹が茂ってうっとうしいので伐ってしまおう。
【よーせー】 きゃしゃ。弱弱しい。
(用 例) あの仁は育ちんええもんでよーせーだ。
(標準語訳) あの人は育ちがいいので華奢だ。
【らんごく】 乱雑。
(用 例) 材料置き場んらんごくで手がつけられねぇ。
(標準語訳) 材料置き場が乱雑で手がつけられない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます