7月5日岩手県矢巾町のJR東北線矢幅駅構内で起きた飛び込み自殺の背景は悲惨である。
矢巾北中学2年の男子生徒村松亮君(13)がいじめを苦に自殺したと見られる問題は、学校側の対応が不十分だった可能性が濃厚だ。生徒と女性担任が交換していたノートで、生徒は「もう氏(死)ぬ場所はきまってるんですけどね」と書いたが、担任は「明日からの研修 たのしみましょうね」と翌日からの学校行事(合宿)に触れただけだった。6月30日ごろの記述とみられ、このSOSが生徒の最後のメッセージとなった。
同校には生徒と担任がほぼ毎日交換する「生活記録ノート」があり、この中で生徒はいじめについて何度も担任に訴えていた。
「生活記録ノート」に4月以降、「体操着や教科書がなくなった」と書くようになった。6月以降は特定の生徒名を出し、「なぐられたり首しめられたり悪口言われた」「もうつかれました。もう死にたいと思います」と記した。
日付が明確でない記述も多いが、今年5月以降、生徒が「なぐられたり、けられたり、首しめられたり」と書き、担任は赤ペンで「それは大変、いつ?? 解決したの?」と返事を書いていた。直後に生徒は「解決していません」などと書いたが、担任の欄は空白で、生徒の記述に二重丸がつけられていた。
その後、生徒が「もうつかれた。……。どうなるかわからない」と書いた時も担任からの記載はなかった。別の日に生徒が「ここだけの話。(中略)氏(死)んでいいですか(たぶんさいきんおきるかな)」と自殺をほのめかした時には、担任は「どうしたの? テストのことが心配? クラス? ××(この生徒の名前)の笑顔は私の元気の源です」などと応じていた。
校長は7日夜に開いた緊急の保護者会の後、取材に応じ、ノートのやり取りについて「担任から聞いていない。いじめは否定できないが、あれば私に報告があるはずだ」と話した。担任は生徒の自殺後、病欠しているという。
私も校長のインタビューをテレビで見たがまるで他人事のような発言で呆れて物も言えない。
7日夜の保護者会の出席者によると、学校側からいじめの有無について明確な説明はなく、生徒が死亡したことへの陳謝もなかったという。
そもそも、大津の事件以後、学校内のいじめが問題となって平成25年6月28日「いじめ防止対策推進法」が公布されているのである。同法によれば、
(学校及び学校の教職員の責務)
第八条 学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処することになっている。
法律を遵守していれば事件発生後二日も経っていじめかどうか判らないないなどという頓珍漢な発言はないはずである。
校長の発言内容や担任教師の対応は明らかにいじめ防止対策推進法違反であり、教職員にあるまじき行為であると断ぜざるを得ない。
「『緑風北魂』=相手にやさしく、自分にきびしく」を校訓とする矢巾北中学校は平成8年4月に矢巾町立矢巾中学校から分離独立して開校された比較的新しい学校だが、過去にもいじめがあってその時も学校側が握りつぶしてしまったようだ。
今回も教育現場の事なかれ主義を見せつけられたが、ここでもう一度真剣にいじめ問題を考え直す必要がある。
矢巾北中学2年の男子生徒村松亮君(13)がいじめを苦に自殺したと見られる問題は、学校側の対応が不十分だった可能性が濃厚だ。生徒と女性担任が交換していたノートで、生徒は「もう氏(死)ぬ場所はきまってるんですけどね」と書いたが、担任は「明日からの研修 たのしみましょうね」と翌日からの学校行事(合宿)に触れただけだった。6月30日ごろの記述とみられ、このSOSが生徒の最後のメッセージとなった。
同校には生徒と担任がほぼ毎日交換する「生活記録ノート」があり、この中で生徒はいじめについて何度も担任に訴えていた。
「生活記録ノート」に4月以降、「体操着や教科書がなくなった」と書くようになった。6月以降は特定の生徒名を出し、「なぐられたり首しめられたり悪口言われた」「もうつかれました。もう死にたいと思います」と記した。
日付が明確でない記述も多いが、今年5月以降、生徒が「なぐられたり、けられたり、首しめられたり」と書き、担任は赤ペンで「それは大変、いつ?? 解決したの?」と返事を書いていた。直後に生徒は「解決していません」などと書いたが、担任の欄は空白で、生徒の記述に二重丸がつけられていた。
その後、生徒が「もうつかれた。……。どうなるかわからない」と書いた時も担任からの記載はなかった。別の日に生徒が「ここだけの話。(中略)氏(死)んでいいですか(たぶんさいきんおきるかな)」と自殺をほのめかした時には、担任は「どうしたの? テストのことが心配? クラス? ××(この生徒の名前)の笑顔は私の元気の源です」などと応じていた。
校長は7日夜に開いた緊急の保護者会の後、取材に応じ、ノートのやり取りについて「担任から聞いていない。いじめは否定できないが、あれば私に報告があるはずだ」と話した。担任は生徒の自殺後、病欠しているという。
私も校長のインタビューをテレビで見たがまるで他人事のような発言で呆れて物も言えない。
7日夜の保護者会の出席者によると、学校側からいじめの有無について明確な説明はなく、生徒が死亡したことへの陳謝もなかったという。
そもそも、大津の事件以後、学校内のいじめが問題となって平成25年6月28日「いじめ防止対策推進法」が公布されているのである。同法によれば、
(学校及び学校の教職員の責務)
第八条 学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処することになっている。
法律を遵守していれば事件発生後二日も経っていじめかどうか判らないないなどという頓珍漢な発言はないはずである。
校長の発言内容や担任教師の対応は明らかにいじめ防止対策推進法違反であり、教職員にあるまじき行為であると断ぜざるを得ない。
「『緑風北魂』=相手にやさしく、自分にきびしく」を校訓とする矢巾北中学校は平成8年4月に矢巾町立矢巾中学校から分離独立して開校された比較的新しい学校だが、過去にもいじめがあってその時も学校側が握りつぶしてしまったようだ。
今回も教育現場の事なかれ主義を見せつけられたが、ここでもう一度真剣にいじめ問題を考え直す必要がある。