日々是好舌

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ネズミにも そっぽ向かれた 小保方さん

2014年06月19日 12時36分23秒 | 日記
 STAP細胞の研究論文はついに「世界三大研究不正」の一つとして数えられるに到った。科学界では、2000年代に起きた米ベル研究所での高温超電導研究に関する論文捏造(ねつぞう)や、ソウル大学黄禹錫教授の胚性幹細胞(ES細胞)研究に関する捏造と並ぶ科学界の不正事件と受け止められているのである。

 ノーベル賞受賞は確実と言われていたドイツ人物理学者ヤン・ヘンドリック・シェーン氏の場合、高温超電導など2000年からの画期的論文でセンセーションを巻き起こし、数々の受賞をした挙句に、データの捏造・使い回しが判明して大量の論文が撤回された。米ベル研とスイスの大学を兼任、同僚が実験設備を確かめたいと申し入れても「こちらには無い」ということですり抜けていた。

 ソウル大学の黄禹錫氏のヒトES細胞論文は2004年、ヒト体細胞由来のクローン胚から胚性幹細胞(ES細胞)を作ったとし、霊長類でも成功していないのにと世界を驚かせた。クローン牛なども発表されたが、調査の結果はいずれも捏造だった。

 これら二つの研究不正と並べられるに到ったSTAP細胞をめぐる研究不正は科学とはかけ離れた弁護士を介しての応酬を続けてきたが、ここにきて論文共著者の若山照彦山梨大学教授が出した見解をめぐりさらに混迷の度合いを深めている。

 実験用マウスについて小保方晴子氏は若山研究室以外から入手したことはないとしているのに対して、若山氏はSTAP幹細胞は若山研究室のマウスから作られていないと断言している。これは小保方氏が作製したSTAP幹細胞の遺伝子の位置がもとのマウスに人工的に挿入した遺伝子の位置と違うことから判明した。もともと、200回以上成功したとする小保方氏の言い分に対して、それだけの実験用マウスが納入された事実がないとする調査結果はすでに出されていた。

 小保方研究室から見つかった「ES細胞」と表示された容器内の細胞の特徴の一部がSTAP幹細胞と一致するという理化学研究所側の見解に対して、小保方氏は、ES細胞は若山研究室が移転する際に譲り受けたが、STAP細胞に故意や過失での混入はないと強く否定している。

 論文が発表されて以後、STAP細胞の再現の成功例はない。若山氏自身も山梨大学においてSTAP細胞の作製を数十回も試みたができなかったと述べている。

 科学論文であるから他の研究者でも再現実験ができなければおかしいのだろうが、主要な共著者である若山教授をもってしても作製できなかったとすると、論文そのものが虚構とされてもやむを得ないのだろう。

 残された道はただひとつ小保方氏自身が正確な実験ノートを記録しつつ再現してみせるしかない。しかし、これとても第三者の立会いなどがなければ信用してもらえないかもしれない。
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