日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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潔いということ。

2010年11月11日 13時21分39秒 | 日記
尖閣諸島付近における中国漁船領海侵犯事件にかかわる映像流出事件は、神戸海上保安部所属の巡視艇『うらなみ』の主任航海士が自ら名乗り出たことで大きく進展しようとしている。
まだ、流出させた動機とかデータの流出ルートなど全容が解明されたわけではないが、まず実行関係者の一人であることはほぼ間違いはなかろう。
主任航海士は動画サイト「ユーチューブ」へ投稿された映像が神戸市内のネットカフェのパソコンから投稿されたことが話題になると急に元気がなくなって、上司である巡視艇船長に「自分がやりました」と告白したそうである。
ネットカフェが特定されたことで、いずれは自分のところへ捜査の手が及ぶであろうと観念したのであろうが、それにしても潔い身の処し方であると思う。
あの総理大臣候補者だった小沢前民主党幹事長の昨今の言動と比べるのは無理もあるが、小沢さんの煮え切らない態度と比べたら雲泥の差、月とスッポンの違いがある。無論、泥やスッポンは小沢さんの方である。
主任航海士は国家公務員法の守秘義務違反の疑いで警視庁の取調べを受けており、容疑が固まり次第逮捕されるという。
しかし、映像の投稿が国家公務員法にいう守秘義務違反に当たるのかどうかという議論をはじめ、元々、秘密にするような性格の映像ではないという意見など、主任航海士を擁護する電話やメールが殺到しているという。
私も心情としては主任航海士を擁護してあげたい。
そもそもこの問題は最初から政府の判断が誤っていたとおもう。
中国漁船は領海を侵犯して密漁したのであり、取り締まりにあたった巡視船へ故意に衝突したのである。石垣海上保安部の保安官はそれこそ命がけで中国漁船を拿捕したのである。
日本政府は当初の発表の通り、国内法に基づいて粛々と処分すればよかったのである。しかしレアアースの輸出禁止措置やフジタ社員の拘束など中国側の強硬姿勢に怖気づいたのか、早々と中国人船長を釈放してしまったのである。
この事件は現在に到るも、起訴・不起訴の決定もされないまま店晒しになっているのでる。これがために検察審査会への審査申請も出来ないそうである。
政治主導を標榜する民主党政権はこんな大事な判断を那覇地方検察庁に押し付けて自らは判断しようとしなかった。いや、判断しないのではなくて、釈放するという決断をしたのであるが、それでは粛々と処分するという前言を翻すことになるから、那覇地検が判断したということにしたのであろう。
この事件とは別に警察庁のテロ対策資料の流出もあった。仙石官房長官は鈴木海上保安庁長官の責任論に言及したそうであるが、責任ということであれば、菅総理、仙石官房長官、馬淵国交相、そして鈴木長官の順番であり、岡崎国家公安委員長以下の公安幹部も同じように責任を問われなければ片手落ちというものであろう。
相次ぐ不祥事の発覚で統治能力が欠如していることは明らかなのであるから、せめて潔く責任をとって辞任することが国民の負託に応えるということではないのかと思う次第である。