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杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

クライマーズ・ハイ

2008年07月16日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2008年7月5日公開 145分

1985年8月12日、群馬県御巣鷹山にJAL123便が墜落、死者520人の大惨事が起こった。前橋にある北関東新聞社では、白河社長(山崎努)の鶴の一声で、一匹狼の遊軍記者・悠木和雅(堤真一)が全権デスクに任命される。未曽有の大事故を報道する紙面作りという闘いの日々が幕を開けた。県警キャップの佐山(堺雅人)もカメラマンを伴い事故現場へ向かった。そんな時、販売部の同僚で親友の安西がクモ膜下出血で倒れたとの知らせが届く…。

横山秀夫が、17年の歳月をかけて書き上げた同名小説の映画化。2005年にはテレビドラマ化もされている。作家は事故当時、地元紙の社会部記者として取材に奔走した経験を持つ。

日航機墜落事故を扱ってはいるけれど、作品のテーマは事故そのものではなくて、報道人の使命感が軸になっています。それでも、犠牲者が書いた走り書きのメモの遺書や、生存者の救出を報じる記事や写真に当時の記憶が蘇ってきて、目頭が熱くなる場面もありました。

悠木は子供の頃に観た映画に感銘を受けて新聞記者を志しています。「チェック・Wチェック」が信条で、正しい報道を第一に事にあたるのですが、未曾有の大事故を扱うという極限状況で、社内の妬みや混乱も起こり、時には激昂しながらも報道人としての使命感で任務を遂行していくのです。

新聞社の中の人間関係と、「大久保・連赤」という言葉の意味がわかりにくかったので、調べてみたのだけれど・・(^^;

「大久保」・・大久保 清。群馬県碓氷郡八幡村(現高崎市)生まれの連続婦女暴行殺人犯。1976年1月22日、死刑執行。

「連赤」・・連合赤軍。浅間山荘の管理人の妻を人質に10日間に渡り立てこもり、警察の強行突入の様子はテレビで生中継された。

地元で起きた別々の大事件のことを言っていたのですね~~てっきり人の名前に役職名を付けたのかと思ってました(汗)

悠木和雅(遊軍・日航機事故全権):堤真一
佐山達哉(社会部・県警キャップ):堺雅人
玉置千鶴子(地域報道班)尾野真千子
安西耿一郎(販売部):高嶋政宏
白河頼三(社長):山崎努
等々力庸兵(社会部・部長):遠藤憲一
岸円治(政経部・デスク):田口トモロヲ
田沢善吉(社会部・デスク):堀部圭亮
吉井弁次郎(整理部):マギー
神沢周作(地域報道班):滝藤堅一
伊東康男(販売局・局長):皆川猿時
亀嶋正雄(整理部・部長):でんでん
守屋政志(政経部・部長):矢島健一
粕谷隆明(編集局・局長):中村育二
追村穣(編集局・次長):螢雪次朗

ん~~キャストを並べてみても部(長)・局(長)・デスク・次長・・・・どれが偉いの?

力関係はわかりにくかったけれど、社内での妬みや人間関係の複雑なところは伝わってきました。それがクライマックスのスクープに関する緊迫した状況では一致団結しちゃうところが報道マンらしいというべきなんでしょうか。(^^;

社主の人間性はどうも受け入れ難いキャラで、他の作品では寡黙で渋いオジサマな山崎さんがスケベで我儘で独占欲の強い役を演じています。無線の一つも認めない旧式な考え方と設備、でも当時の地方新聞社ってあんな感じだったのかも。

墜落現場に行って惨事を目のあたりにしたことでPTSD状況に陥って悲しい結果になってしまう報道記者や、全国紙との体制(機器や設備、記者の数など)の違い、販売部と編集局の立場の違いなど、普段知りえない新聞社の内側を覗えたのも興味深かったです。

スクープに対する悠木の判断は個人的にはGO!でもと思ってしまったのですが、(だって、あの時点ではそれは間違いなく調査団が下した判断だったのだし)何よりも真実の報道に拘った悠木だからこその決断ということですね

サブストーリー的に、親友の息子との22年後の登山が描かれ、本筋に挿入していく手法が取り入られています。仕事人間で家族を顧みなかった悠木と息子との和解?へ繋がる終わり方は、新たな出発を暗示しているのかな?

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