
2011年8月27日公開 イタリア 113分
トンマーゾ(リッカルド・スカマルチョ)はローマに住む作家志望の青年。実家は南イタリアのレッツェにある老舗のパスタ会社だが、兄アントニオ(アレッサンドロ・プレツィオージ)の新社長就任が決まり、共同経営者一族の晩餐会が開かれることになった。帰郷したトンマーゾは、その席上で家族に言えなかった3つの秘密を告白するとアントニオに予告する。1つ目は経営学部と偽って文学部を卒業したこと。2つ目は家業を継がずに小説家になること。そして最大の秘密はゲイであること。だが、ディナーの席でトンマーゾが告白しようとした矢先、アントニオが先にカミングアウトしてしまう。実は彼もゲイだったのだ。一同は驚愕、父ヴィンチェンツォ(エンニオ・ファンタスティキーニ)は憤怒のあまり、アントニオに勘当を言い渡してそのまま卒倒。家族は大騒ぎになる。トンマーゾは告白どころか、ローマに戻ることもできず、共同経営者ブルネッティ(ジャンカルロ・モンティジェッリ)の美しい娘アルバ(ニコール・グリマウド)とパスタ工場を任される羽目に。果たして、トンマーゾの未来は……?老舗パスタ会社の将来は……?そして、一家に再び平和な日々は訪れるのか……?
老舗パスタ会社の後継者がゲイを告白したことで巻き起こる騒動を描いたコメディですが、自立と家族の絆がテーマでもあります。
今や同性愛なんて珍しくもないけれど、それが家族だったら・・・長男の告白をジョークと受け取ったり、事態を呑み込んだ父親が驚きと怒りのあまり発作を起こして倒れるあたりはまぁ、当然の反応ですな
実は弟の方もゲイなのですが、兄に先を越され父が倒れたとあっては「僕もゲイ」とは言いだせなくなってしまうのです。事前に予告したのにお兄ちゃんずるいよ!と弟が思ったかどうかはわからないけど、後に兄弟喧嘩のシーンで、「俺はずっと我慢してきたんだ!」と弟に不満をぶつける兄の姿に「あぁ、だからあのタイミングで告白したのか」と
面白いのは入院した父が愛人に愚痴るところ。女好きを公言してはばからない父の姿がいかにも田舎親父風で笑えます。
他にも個性的な家族の面々の姿が映し出されます。
独身の叔母ルチアーナ(駆け落ちした男に逃げられた過去あり?)は酒浸りで現実逃避してるし、祖母(イラリア・オッキーニ)は夫の弟のニコラを想い続けていて周囲からは爆弾と呼ばれている様子。糖尿病を患っているためお菓子禁止で、テレザにインシュリン注射を打ってもらっているようだけど、無表情で無愛想なテレザは祖母にだけは親愛の情を持っているみたい
姉エレナの娘たちは肥満児で、夫サルヴァトーレ は義父に頭が上がらない様子。
トンマーゾにアルバは次第に惹かれていくようですが、彼がゲイだということを彼女は知っているので、これはけっこう辛い恋ですね。
そんなある日、トンマーゾのゲイ仲間(マルコ・アンドレア・ダヴィデ・マッシミリアーノ)が彼を訪ねてきます。何も知らず彼らを歓待する両親の前でゲイだとバレないよう苦労する友人たちの姿が可笑しくて
ちょっとした仕草や会話で観てる方にはけっこうバレバレなんだけどね。そう、わかる人にはわかってしまうもの。例えば姉のエレナだってトンマーゾがゲイだって以前から気付いてたしね
海でのダンスシーンは最高に面白い
でもじゃれ合う恋人たち(トンマーゾとマルコ)を見つめるアルバの哀しげな瞳がちょっと切なかったな
ところで立場が同じ母という視点で見ると、ステファニアが兄の告白に「ずっと一緒に暮らしていたのに気づかない筈はない」と部屋の「証拠品」を探すシーンなどは、何だか身につまされるというか同情してしまいます。でもルチアーナと町を歩いていて仲の悪いアントニエッタに嫌みを言われた時の言い返し方の痛快さやテレザへの容赦ないマシンガントークでの云い付け方を見てると元来とても勝気な女性なんだなぁとか思ったり
トンマーゾの恋人とも知らずマルコにゲイについて相談するシーンで「ゲイは病気ではなく個性です」と言われるのも印象的です。夫が頑なに拒み続ける現実を、彼女は少しづつ理解していくというか、あるいは諦めなのか、息子の「個性」を認めようというスタンスに変わっていくんですね
トンマーゾはゲイであることは伏せていますが、小説家になりたいという希望は家族にはっきりと宣言します。そして祖母の死。この死は、彼女がもう我慢することを止めたことが原因。好きなケーキをまさに死ぬほど食べたんだから、彼女にとっては幸福な死ですね
葬式で久しぶりに家族が揃い共に歩く中で見交わす目と目。あぁ、この家族は大丈夫。再び堅い絆で結ばれたんだなぁと感じるラストでした
トンマーゾ(リッカルド・スカマルチョ)はローマに住む作家志望の青年。実家は南イタリアのレッツェにある老舗のパスタ会社だが、兄アントニオ(アレッサンドロ・プレツィオージ)の新社長就任が決まり、共同経営者一族の晩餐会が開かれることになった。帰郷したトンマーゾは、その席上で家族に言えなかった3つの秘密を告白するとアントニオに予告する。1つ目は経営学部と偽って文学部を卒業したこと。2つ目は家業を継がずに小説家になること。そして最大の秘密はゲイであること。だが、ディナーの席でトンマーゾが告白しようとした矢先、アントニオが先にカミングアウトしてしまう。実は彼もゲイだったのだ。一同は驚愕、父ヴィンチェンツォ(エンニオ・ファンタスティキーニ)は憤怒のあまり、アントニオに勘当を言い渡してそのまま卒倒。家族は大騒ぎになる。トンマーゾは告白どころか、ローマに戻ることもできず、共同経営者ブルネッティ(ジャンカルロ・モンティジェッリ)の美しい娘アルバ(ニコール・グリマウド)とパスタ工場を任される羽目に。果たして、トンマーゾの未来は……?老舗パスタ会社の将来は……?そして、一家に再び平和な日々は訪れるのか……?
老舗パスタ会社の後継者がゲイを告白したことで巻き起こる騒動を描いたコメディですが、自立と家族の絆がテーマでもあります。
今や同性愛なんて珍しくもないけれど、それが家族だったら・・・長男の告白をジョークと受け取ったり、事態を呑み込んだ父親が驚きと怒りのあまり発作を起こして倒れるあたりはまぁ、当然の反応ですな

実は弟の方もゲイなのですが、兄に先を越され父が倒れたとあっては「僕もゲイ」とは言いだせなくなってしまうのです。事前に予告したのにお兄ちゃんずるいよ!と弟が思ったかどうかはわからないけど、後に兄弟喧嘩のシーンで、「俺はずっと我慢してきたんだ!」と弟に不満をぶつける兄の姿に「あぁ、だからあのタイミングで告白したのか」と

面白いのは入院した父が愛人に愚痴るところ。女好きを公言してはばからない父の姿がいかにも田舎親父風で笑えます。
他にも個性的な家族の面々の姿が映し出されます。
独身の叔母ルチアーナ(駆け落ちした男に逃げられた過去あり?)は酒浸りで現実逃避してるし、祖母(イラリア・オッキーニ)は夫の弟のニコラを想い続けていて周囲からは爆弾と呼ばれている様子。糖尿病を患っているためお菓子禁止で、テレザにインシュリン注射を打ってもらっているようだけど、無表情で無愛想なテレザは祖母にだけは親愛の情を持っているみたい

姉エレナの娘たちは肥満児で、夫サルヴァトーレ は義父に頭が上がらない様子。
トンマーゾにアルバは次第に惹かれていくようですが、彼がゲイだということを彼女は知っているので、これはけっこう辛い恋ですね。

そんなある日、トンマーゾのゲイ仲間(マルコ・アンドレア・ダヴィデ・マッシミリアーノ)が彼を訪ねてきます。何も知らず彼らを歓待する両親の前でゲイだとバレないよう苦労する友人たちの姿が可笑しくて


海でのダンスシーンは最高に面白い


ところで立場が同じ母という視点で見ると、ステファニアが兄の告白に「ずっと一緒に暮らしていたのに気づかない筈はない」と部屋の「証拠品」を探すシーンなどは、何だか身につまされるというか同情してしまいます。でもルチアーナと町を歩いていて仲の悪いアントニエッタに嫌みを言われた時の言い返し方の痛快さやテレザへの容赦ないマシンガントークでの云い付け方を見てると元来とても勝気な女性なんだなぁとか思ったり


トンマーゾはゲイであることは伏せていますが、小説家になりたいという希望は家族にはっきりと宣言します。そして祖母の死。この死は、彼女がもう我慢することを止めたことが原因。好きなケーキをまさに死ぬほど食べたんだから、彼女にとっては幸福な死ですね

葬式で久しぶりに家族が揃い共に歩く中で見交わす目と目。あぁ、この家族は大丈夫。再び堅い絆で結ばれたんだなぁと感じるラストでした
