杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

マーラとバイキングの神々

2016年04月24日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2015年製作 ドイツ 94分 日本劇場未公開

マーラは、心の奥から聞こえる奇妙な声に悩まされていた。「君は予言者だ。使命を果たせ」。不思議な力に導かれ、神々の世界に足を踏み入れたマーラ。そこで彼女は、洞窟に幽閉されている半神ロキと出逢う。ロキは、炎の邪神ローゲにさらわれた妻のシギュンを取り戻す使命をマーラに託した。果たせなければ、この世は終末の日《ラグナロク》を迎える。マーラは北欧神話の専門家ヴァイシンガー教授と共に、世界を救うため、火の山に住むローゲに戦いを挑むが…。


「ロード・オブ・ザ・リング」、「ナルニア国物語」のVFXチームによる映像で、「マイティ・ソー」の原典である《バイキング神話》を基にしたファンタジーです。が・・・やはりハリウッド版と比べるとスケールや脚本に難ありな感が否めませんでした。そもそも、北欧神話自体馴染みが薄いしね

マーラの母親は、自然力や魔法を信じる怪しげな団体に帰依している周囲からは浮いた存在です。マーラが学校でいじめに遭っている原因の一端とも思える設定ですが、マーラ自身はそんな母親を少し疎ましく感じながらも愛しているのね。

マーラが見る幻覚は実はロキの助けを呼ぶ声が起こしています。ロキと言えば悪役のイメージですが、本作では攫われた妻を取り戻そうと、少女に助けを求める男で、荒ぶる神の威厳は感じられません。シギュンを助けに行くため戒めを解けば世界は崩壊するので、義理堅いロキは自分の代わりに妻を助けてくれる預言者を探していたというわけです。良い奴じゃん。

北欧神話の専門家である教授(同じ町の大学に都合よくいたんだなぁ)に自分の幻覚の意味を解いてもらおうとして、二人は冒険に足を踏み入れることになります。冒険というと勇ましく聞こえますが、ロキに神の力を分けてもらって瞬間移動ができるようになっただけなんですけどね教授とのやりとりもコミカルですが、何かというと「思春期だから」というセリフが登場するのは、現代ドイツの一般的少女像を反映させているということなのかしらん?

ともあれ、神話世界と現代を行ったり来たりするうち、ローゲの弱点を見抜いたマーラは邪神を怒らせパワーを消耗させることで退治しちゃうんですね。最期、踏みつぶされるローゲの姿はギャグかと思っちゃいましたよ
不死身の英雄ジークフリートも登場(均整の取れた上半身を惜しげもなくさらすのは何サービスだ?)しますが、完全なる脇役扱いでした。

マーラをいじめていた級友は、彼女の幻覚を共有したことで、自分がしてきたことを反省します。教授はマーラの母親に気があるようだし、事件解決の後は色々ハッピーエンドになりそうな余韻あり。

冒頭のソーとロキの戦いや、マーラたちとローゲの戦いは、予算が潤沢じゃないのか貧相なのが惜しいけれど、「思春期」の子供の視点で見るなら共感度高い作品かも

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