2019年11月8日公開 アメリカ 129分 PG12
人類滅亡の日である「審判の日」は回避されたが、まだ危機は去っていなかった。メキシコシティで父と弟とごく普通の生活を送っていた21歳の女性ダニー(ナタリア・レイエス)のもとに、未来から最新型ターミネーター「REV-9」が現れ、彼女の命を狙う。一方、同じく未来からやってきたという女性戦士グレース(マッケンジー・デイビス)が、ダニーを守るためにREV-9と壮絶な戦いを繰り広げる。何度倒しても立ち上がってくるREV-9にダニーとグレースは追いつめられるが、そこへ、かつて人類を滅亡の未来から救ったサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)が現れる。(映画.comより)
「ターミネーター」シリーズ6作目で、「ターミネーター2」の正当な続編の位置づけだそう。ジェームス・キャメロンがプロデューサーとなり、監督はティム・ミラーです。
シリーズは最初の二作くらいしか観てないかも。
冒頭で、サラの息子のジョンがT-800に殺されるシーンが登場。え?それじゃ話が始まらないじゃん!
これはジョンのいない、異なる時間軸の世界のお話で、敵は「スカイネット」ではなく「リージョン」という機械軍団なのです。
場面は変わり、父と弟と暮らすダニー登場。そこへ新型ターミネーターREV-9がダニー抹殺に現れ、同時に彼女を守るためにグレースがやってきます。
倒しても倒しても復活するREV-9(合体と分離を繰り返す液体金属型兵器)の前に窮地に立たされた二人を救ったのはサラですが、グレースは彼女を信用せず、彼女の車を奪いダニーを連れて逃走します。でも途中で意識を失ってしまうの。グレースはターミネーターを倒すために志願して肉体を強化していますが、激しい新陳代謝を伴い体力を消耗するという欠点があったのね。薬局で必要な薬を入手しようとする二人の前に再びサラが現れ助けます。
隠れ家でサラは二人にジョンが殺された後、謎の人物から送られてくる座標を元にターミネーターを破壊してきたことを話します。三人はその人物の居場所を突き止め向かいますが、現れたのはT-800:カール(アーノルド・シュワルツェネッガー)でした。
今作ではサラはT-800への復讐心に燃えていますが、彼の方はカールと名乗り家族もいて、自分のしたことを後悔しています。だからこそ陰ながらサラに協力していたということらしい。
グレースは、未来でダニーに助けられたことも明かされます。彼女を送り込んだ「リーダー」こそがダニーなんですね。
REV-9を倒す唯一の武器は電磁パルス(EMP)で、サラは旧知のディーン少佐に頼んで入手しますが、追ってきたREV-9との戦いの中で被弾し使えなくなります。終わりがないかのような激しい戦いの末、戦闘不能になったグレースが自らの体内に埋め込まれた動力源を使ってREV-9を倒すようダニーを説得、瀕死のカールが自らを道連れにREV-9を破壊溶鉱炉跡へ落下し両者とも絶命します。
数日後、公園で遊ぶ幼いグレイスを眺めながら、「二度とあなたを殺さない」と誓って、サラと共に去っていくダニーなのでした。
制作時はトランプ政権下にあり、物語がメキシコから始まているのは、移民抑制を推進する政権への批判の意味もあるようです。人間対殺戮マシーンの構図も、人類が人種を超えて手を結んで戦う必要性を強く意識していて、幼いグレースを無法者から助ける際にダニーが「私たちを争わせて滅ぼす事が奴らの目的だ」と言って団結を呼びかけるシーンが象徴的でした。