杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

DUNE デューン 砂の惑星

2021年10月15日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2021年10月15日公開 アメリカ 155分 G

人類が地球以外の惑星に移住し、宇宙帝国を築いていた西暦1万190年、1つの惑星を1つの大領家が治める厳格な身分制度が敷かれる中、レト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)は通称デューンと呼ばれる砂漠の惑星アラキスを治めることになった。アラキスは抗老化作用を持つ香料メランジの唯一の生産地であるため、アトレイデス家に莫大な利益をもたらすはずだった。しかし、デューンに乗り込んだレト公爵を待っていたのはメランジの採掘権を持つハルコンネン家と皇帝が結託した陰謀だった。やがてレト公爵は殺され、妻のジェシカ(レベッカ・ファーガソン)と息子のポール(ティモシー・シャラメ)も命を狙われることなる。(映画.comより)

 

フランク・ハーバートのSF小説を原作に、1984年のデビッド・リンチ監督の『デューン/砂の惑星』や2000年のテレビシリーズに続く通算5度目の映像化作品で今回はドゥニ・ビルヌーブ監督によるSFスペクタクルアドベンチャーになっています。今作では原作小説の前半部分のみを映像化していて、続編で後半部分を映像化する二部作構想だとか。前半だけでも二時間半だものね~これを一本にまとめるのは無理ってことですね。

原作はスピルバーグの『スター・ウォーズ』や宮崎駿の『風の谷のナウシカ』にも影響を与えたと言われるだけあって、スペース・スラッグやオームを思い浮かべるとなるほどな~!と

メランジはアラキスに生息する巨大ミミズのような砂虫(サンドワーム)により産出されているスパイスで、抗老化作用の他、意識を拡張して様々な超能力を引き出す力があります。アラキスでしか作られないこのスパイスは、超光速輸送を支えるギルドのナビゲート能力や、ベネ・ゲセリットの特異な心身能力の源でもあり、これを手中に収める者は莫大な富と権力を持つことになるのね。またメランジに長期に曝されると眼球が深青に染まるので、原住民であるフレメンたちの目の色も青です。砂虫は砂の中に生息していて、振動に反応して全てを飲み込んでしまいます。その描写も迫力がありました。 砂虫はメランジだけではなく生命の水をも生み出すのですが、本編では多くを語ってはいませんのでこれは後編で明かされるのかな。

ポールの母のジェシカは正確には妻ではなく愛妾(正式な結婚をしていない)で、ベネ・ゲセリット出身。心身統御術を習得し特異な戦闘と生存の能力を持つ女性です。そもそもベネ・ゲセリットの目的は父母系双方の先祖の記憶=人類の記憶を保持して未来を予視できる超能力者(クイサッツ・ハデラッハ)を生み出すことらしい ジェシカの師である教母は、ポールをゴム・ジャッバール(致死の毒)を用いてテストしますが、彼をコントロールすることには失敗するんですね。この婆さま、威厳があるというか冷酷そうというか・・・恐っ!

ポールは一見ひ弱な貴族のお坊ちゃんに見えますが、ガーニイ(ジョシュ・ブローリン)、ダンカン(ジェイソン・モモア)から戦い方を、母からはベネ・ゲセリット流の心身統御術を学んでいます。危機に陥った時に見せる戦闘能力は日ごろの鍛錬の賜物というわけね。

アトレイデス家の繁栄を危惧した皇帝が、ハルコンネン家を唆して争わせ、両家の力を削ごうとする計略に気付きながらも敢えてアラキス移住の命を受け入れたレト侯爵の真の目的はフレメンと手を結ぶことでしたが、その前にハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)の策にはまって命を落としてしまいます。侍医が妻を人質に取られて裏切ったからですが、彼は侯爵に復讐の機会を与えるんですね。それでもしぶとく生き残る男爵はその外見もとても醜い 過度の肥満で自分の重さを支えられずに重力中和技術を用いている設定ですが、宙に浮くその姿に「SW」のガマ・・もとい、ジャバ・ザ・ハットを連想してしまいました。というか、ジャバの方が後なんですけどね アトレイデ家とは長年にわたる宿敵関係ですが、ハルコンネン一族は残虐非道で知られ、策略に秀で利己的で計算高いのね。まさに悪役としてこれ以上ないキャラです。対するアトレイデス家は高潔で知られる一族ということで、予想通り不意を突かれ一夜で滅ぼされてしまうのでした。

アラキスの砂漠に逃れたジェシカとポールがフレメンたちの居住区に辿り着いてリーダーのスティルガー(ハビエル・バルデム)に受け入れられ、ポールが何度も見た夢に出てくるチャニ(ゼンデイヤ)と出会うところで今回は終わりとなります。

最後にサンドワームに乗り操るシーンがチラッと登場したのを観て、確か過去の作品でも見たような記憶が蘇りました。

劇場に置いてあったチラシの「はじめてのDUNE」という漫画でわかりやすくストーリーを紹介しているのですが、そのゆるさ加減が絶妙で噴き出してしまいました


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