ロングドライブの途中に
ふらりと立ち寄ったアイダホの田舎町。
ゆっくり走ればいろいろなものが見えてきて
小さな町には、小さな教会、小さな学校、そして小さなレストラン。
「ポテトスープ」と外の黒板に書いてあったものだから
ふらりと中に入ってみれば、かれこれランチタイムだというのに
中には誰一人客がいるでもなく
人のよさそうなビール腹のマスターが
回転椅子をまわしながら無聊をかこっている。
運ばれて来たポテトスープの中には
皮つきのジャガイモとベーコンと小さな人参。
添えられているのは、やけにぺたんこなチーズトースト。
大きすぎるパンケーキには、たっぷりとメープルシロップがかかり
ドロドロのソラマメスープは、どこか半渇きの雑巾の匂いがする。
半分ほど食べた頃
白いシャツに白いショートパンツの若い男が入ってきて
朝でもないのにこう聞いた。
「ブレックファーストはある?」
するとマスターが答えた。
「うちは一日中ブレックファーストを出すさ。」
男はスクランブルエッグとソーセージとトーストを頼み
私たちに話しかけてきた。
「どこへ行く? 自分は仕事を探しにアラスカから来たんだ。」
男が目をやった壁には大きな世界地図。
でもそれは、私たちが見慣れた地図とは違って
アメリカが真ん中にある。
池上彰さんが言っていた。
「アルゼンチンの地図は自分の国のすぐ横にある『マルビナス諸島』も同じ色にして『うちの国の領土』と主張する。けれども英国の地図では同じ島々が英国と同じ色に塗られて『フォークランド諸島』と記されている。」
良くも悪くも
アイダホのこんな小さな田舎町ですら
一枚の地図からわかる思いがある。
読んでくださってありがとうございました。
今日もどうぞ良い一日でありますように!
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