月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

眠れない夜に。手術までの回想。

2012-06-18 01:00:00 | 腹腔鏡下 子宮全摘術


あれからどうしても眠れないので、
明日の手術にいたる回想を、記しておこうと思う。
この記事が、同じ婦人科系の疾患をもつ人にとって、
なんらかの役にたってくれたら、うれしいのだけど…。


私が子宮筋腫という響きに、はじめて遭遇したのは、
17年前に娘を出産した時のことでした。

妊娠10カ月目に早産の兆候を患い、
宝塚市立病院の○熊先生による診断は
「グレープフルーツ大の子宮筋腫があります。
出来れば帝王切開で赤ちゃんと筋腫の両方を摘出しましょう」。

しかし、結果的にはその後、主治医が替わり、その方の方針で自然分娩にて出産することとなりました。

すぐ1カ月後に、子宮筋腫の経過をみてもらったのですが、
当時の診察結果では
「赤ちゃんが出たら筋腫が収縮したのか、どこに筋腫があるのか今のところよくわからない」とのこと。

私は、腑に落ちないながらもちょっと安心して、

それから、なんと15年以上の歳月が流れていきました。
なんの自覚症状もないままに時が過ぎて、一昨年秋。
子宮や婦人科系の検査のみ、後回しにしてきたのでそろそろ調べてみようと、
豊中のクリニックを訪れると、

なんと子宮筋腫が「8センチ大」
周囲に20コ以上の筋腫がとりまいている、という情況でした。


おまけに、貧血をしていて、ヘモグロビンの数値は8以下
すぐに子宮全摘出手術をするように、と女医の先生には勧められました。

私は、この頃、コピーライターの仕事も立て込んでおり、
体調もそれほど悪いと思わなかったので、
どうしても先生の言葉に素直に行動することができず、何ヶ月も随分と悩みました。

それで、「フェロミア」という鉄剤を飲みながら、
体質改善に向かうサプリ(ハッピーファミリーのエクセレントスーパーハーブ・
アスタを仕事先の人に教えてもらって)を併用。玄米食生活を中心に、
冷え摂り改善の食生活、5本指ソックス、レギンス
を年中はいて、ウォーキングやヨガも欠かさず、
子宮筋腫と付き合いながら共生・共存を誓い、
なんとか折り合いをつけて、数年、過ごしてきたのです。



やがて血液検査の結果も安定し、
体力も回復してきました。

それでも毎月の定期検診では、
子宮全摘出を決断できない私に対して、クリニックの先生たちは口を揃えて
「なぜ決断できない。できるだけ早く摘出するのが望ましいのに。
いつまでものばしていたら、更年期がきてもホルモン療法ができない」
というような言葉を毎回のように…。
話されました。

そして今年の年始早々、夜中に嘔吐し、
39度の高熱が出て、宝塚市立病院へ。

悪性貧血がまたもや、今度はかなり進行していて、ヘモグロビンは8…。
そういわれてみると、仕事をして、階段を上ったり、歩くのも息がきれるほどで。

「消化器から出血している可能性もある。ガンかもしれないし、
念のために検査したほうがいい」と内科の先生は指摘。

 
そこで、大阪中央病院へ予約の電話。
しかし、回答は「以前も一度受診していただきましたが
手術を希望されない方は私どもの病院では予約をおとりすることができません。
良性筋腫の方で手術をされない方は…」。要するに心を決めてこないと診てくれないということでした。


そして、以前からお世話になっていた先生はカルテから目を離さないまま言ったのでした。

「うちはもういいいわ。うん、もういい!女性ホルモンをストップする治療・注射も
あなたいやだといってたでしょう?もうじゃあ、することない!もううちは卒業して。
本当は日○病院でばっさり切るのが一番早いしスッキリするのにねえ。決心がつかないんだから。

○○病院というのもね、
腹腔鏡下出術の工場みたいなところよ…。
あなたがそれでもいいというのなら、紹介状は書きますよ。
どこを選ぶかはご本人の意志ですから。でも、もううちは卒業して」と
いきなり病院ジプシー状態に。
大阪中央病院、日○病院、○○クリニックと
そこかしこと、診察を拒否されるというのは、私にとってはたいそう不安で、ショックなことでした。
私が8センチ以上の筋腫をもちながら、
共生し、折り合いをつけて過ごしているというのは、
それほど自分勝手で、常識を逸脱している状況なのか、と心底悩み、自分自身の弱さを悔やみました。




そして、考えに考え、調べた末にたどりついたのが大阪中央病院だったのです。
京都の「伊藤病院」の院長先生のブログがヒントで、
その何年もの、患者の悩みと相談に対する記事を毎日のように読むにつれ、
できればその先生が信頼をおいていらっしゃる「大阪中央病院」か「伊藤病院」で
手術をしてほしい、という気持ちが募ってきたのでした。

大阪中央病院の川○先生は、初診の折にも、しっかりとした口調でこう答えてくれました。

「なんの自覚症状もないのに手術を決断できないのは、当たり前のことだと思いますよ。
そういう時は絶対に手術はしないほうがいい。
なぜかって、それはまだあなたが、その時ではないから。
もし、仮にそんな情況で手術をなさってもきっと後悔されるでしょう」

なぜ?と聞いた私に、
「辛いことが一つでもあれば、ほらやっぱりしなきゃあ良かったと
どうしても思ってしまうからなのです。
患者さんが、今貧血で悩みどうにか現状を打破したいと思っていらっしゃる。
その時こそがタイミングです。
手術は最適のタイミングに1発で決めることが一番肝心なのです」。


これまで、沢山のドクターにいわれたことがあたまに浮かびながらも、
川又先生のおっしゃる言葉に強く心引きつけられる自分がいました。

そして4月、婦人科のMRI
中津済生会にて、大腸内視鏡・胃ガン検査をして、貧血の原因を全て探り
「子宮全摘出」手術日(腹腔鏡下手術)を決め、
女性ホルモンを完全ストップする注射が3カ月進められ、
そして、いよいよ明日、に至るわけなのです。


今思えば、手術を決断できなかったのは何が原因だったのでしょうか。
自分の臓器を失うことへの不安。
そして失ったことを機に、自分の身体や心の中が変わってしまうことの不安。
現在の自分に置かれた状況、体調も含めてある程度満足していて、
今よりもし悪く合併症や、体の不具合、更年期症状などが現れたら、辛い。
現状維持なら十分耐えられる。女性の中枢である「子宮」を失うことで、
感受性が鈍くなってしまうのではないか、仕事はこれまでどおり続けていけるのか、
体力的にはどうか、施術後更年期症状が出て、老化が加速してしまうのではないか、
はてしもない不安の渦に苛まれどうにも抗うことができずにいました。

でも抗うばかりではなく、
今自分にきている流れのままに、自然にゆっくりと流されてみる、
これもいいのかもしれない。

そして、今回の手術を機に、何かを確実につかみとりたい!
子宮を失ってまで、私がやりたかったのはなんだろう、ということを
ちゃんと見極めたい、大切な入院生活がはじまったわけです。

さあ、明日はいよいよ!です。

支離滅裂な新規でのブログで
整理できない心中をお察しください。

お休みなさい。
















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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大阪中央病院 (みさ)
2018-01-29 11:52:22
卵巣嚢腫で10センチあるので手術しないといけないのですが、大阪中央病院の松本貴先生はどんな感じの人ですか?
佐伯愛先生が同性だから良かったのですが。
松本先生は婦人科で一番経験豊富な方です (アンデル・ムーン)
2018-01-29 14:08:15
みさ様、当ブログにたどり着いてくださってありがとうございます。
松本先生は口数は少ない方のようですが、院内の婦人科ばかりでなく、全国の婦人科での手術回数が多く、経験豊富な先生で、様々な先生などに最新治療と手術の講義をなさっている方のようにお見受けしております。佐伯先生も、もちろん、術前・術後の精神的なフォロなどをしていただける素敵な先生ですが、その佐伯先生も松本先生には一目置かれていると聞きますので、おおむね安心なさってよいと私は思います。ただ、私が手術をしてからもう5年ほど経っており、その後の様子がどのように変化しているのか時間の経過がわからないのですが…。みさんさんの、ご快復と健闘をお祈りいたします。またわからないことがあれば、お気軽にメールでご相談ください。
大阪中央病院 (みさ)
2018-02-06 09:59:31
手術決まりました。
それで手術前の診察は、母親かご主人同席で来て下さいと言われました。
主人には伝えていますが実親にはまだ言っていません。
入院中お見舞いに来て欲しいのは主人だと一番思うので。
義理の母親には知られたくないので、(手術で激痛だと思うので愛想笑いも出来ないし気を使うので)
実親に、もし言うと主人の一週間の晩御飯とか困るから義理の母親に言いなさいとか言われると困るので悩んでいます。
味方は多いほうがいい (アンデル)
2018-02-07 14:20:26
みささま、こんにちは。
メールありがとうございます。手術されると決心されたのですね。そう決断されたのなら、あとは自然に身を任せ、自分1番に体と心をいたわるように、お大事に過ごされてくだい。それで実親と義母にはそれを伏せようかどうしようかと迷われているとのこと。
私個人的な意見としては、ご実家のお母様にも義母様にもお伝えされたほうがよいかと思います。たいへんに大きな腫瘍ですし、術後すぐに復帰できるとは限りません。しんどいことは1人で背負い込むよりもしんどいと伝えておいたほうが、その後、なにかとラク(愛想笑いをわざわざしなくても済む)と思われるからです。
こんな時ばかりは皆さんに大げさくらいに、労ってもらってよいのではないですか。人生にとってはほんのしばらくの休憩期間。安静に自分をみつめる機会にされたらよいと私は思いますが、どうですか。
報告しました (みさ)
2018-02-11 20:41:48
主人の出張にあわせて、実家に泊まりに行き
母親に報告しました。そんな事は早く言いなさいと言われ、悩んでいたけれどスッキリしました。
先生は、右側の卵巣を取ってしまった方がいいと思う と言われ、左側もチョコレート嚢腫が点々とあるので、それは焼きますと言ってました。
母親は、右側は切らずに悪い所だけ取ってもらう事は出来ないのかな と言ってました。
ネットの情報をみると再発や癌になる可能性があると書いているので取ってしまった方がいいのかと思っています。子供が欲しいですが、先生には 左側があるから大丈夫と言われました。

母親に 病院に付いて行って、診察など一緒に聞いた方が良いかと聞かれましたが、待合室では男の人や母親と一緒に来ている人をそんなに見かけないのでどうしようかと思います。
次は、手術前検査です。
その次は、手術説明になると思います。
ご主人か母親同席でお願いしますと言われました。
手術説明の日は、主人が半休してくれます。

それから手術前と手術後は、親族がついてないといけないとかありましたか?
手術日は金曜日辺りと言われ、まだ確定していませんが 主人に半休してもらう為にも手術日が決定する前に言っておこうと思いました。

それから、手術は午前と午後だったら
どちらの方がおすすめですか?
頭で考えるよりも体の声に耳を傾けて! (アンデル)
2018-02-14 01:58:51
みささん、こんにちは。詳しく教えてくださってありがとうございます。
お母さんに報告されたのですね、良かったです。きっとご心配していろいろアドバイスをくださると思います。主治医の先生、ご主人、お母様と、沢山の方がみささんの味方だと思って大舟にのって手術に挑んでください。一日も早い回復を願っています。
さて、ご質問の件ですが、術前・後の付き添いは、特に親族が付き添いするなどの規定はなかったように思います。病院と連絡をとるためにどなたかが、付き添われたらよいと思いますね。
また、手術時間ですが、大阪中央病院では手術日にあたる日は複数の手術が行われるはずで患者のほうでは希望時間など選べなかったように記憶していますが、いまは違うのでしょうか?
もし可能であれば、みささんの良い時間帯を選択されたらと思います。(私なら、手術当日は、少しでも長い時間、眠りたいので午前がいいかな)

一番辛いのは手術当日と一日目です。後はしだいに回復していくのを待つだけなので、絶対にラクになると信じて、気持ちをゆったりと。頭を空にして、その日を迎えてください。頭で考えるよりも体の声に耳を傾けて! それでは失礼いたします。
Unknown (ももか)
2020-12-06 09:26:03
こちらまだ見ておいでですか?お聞きしたいことがあるのですが、、、
Unknown (アンデル )
2020-12-06 11:26:06
すみません。みていなくて、いま拝読しました。手術をされるのでしょうか。コメントが無理でしたら、メールでご連絡をくださいね。
Unknown (ももか)
2020-12-06 13:08:39
メールアドレスはどちらを拝見すれば宜しいですか?分からなくて、、。

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