月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

ひとりの贅沢、自由な風に

2020-07-24 23:56:28 | コロナ禍日記 2020

 

ある日   5月30日(土曜日)晴れ

 

 昨晩は、1時半まで日記を書いていたので、目覚めは8時。昨晩のニュースで夏日だといっていたが、そのとおりの暑い一日。

 朝食には、珈琲とバナナ、冷蔵庫に保存していた先日のスコーンを、オーブンで温め直した。クロテッドクリームと自家製ブルーベリーのジャムをのせて、バクバク食べる。



 

 パパさんは、午前中に歯医者へ。午後からは、仕事をした博物館が閉館するとかで学芸員さんのところへ挨拶に出かけていった。

「一人にさせてあげるから、存分に紅茶をのんで、お風呂でも入って、好きなことをして過ごしてくださいね」といって出かけた。

 

 外からの風が葉をさわさわ揺さぶる波音が耳の奥まで、きれいに伝わってくる。

 てっぺんかけたかの鳴き声や、電車の行き過ぎる音が聞こえる。テレビをつけていると、自然なモノの気配や空気の流れ、外の生活音などが、デジタル音声でかき消されてしまい、こんな風には入ってこない。

 だから、いま、気持ちがゆったりする。

 小中学校時代は、テレビは週のうち1、2本しかみせってもらえなかった(厳しい母だった)。高校はカトリック系の女子寮で、テレビは談話室にあり、夜7時半〜9時に限られていた。進学クラス専攻で個室だったわたしは、4階から1階におりていくのも面倒なので、よほど見たい番組しか、見てこなかったというのも、大いに関係があるのだろう。不自由は感じなかった。その分、音楽も聴いたし、本も読み、友とも語り合った。もちろん好きなテレビ番組は毎週同じものをみた。

 この日仕事はOFF。プライベートなものを書く。

 紅茶に岩茶に、ハーゲンダッツのバニラに、みつ豆に、お八つを満喫し、ソファにごろっとなって、たっぷり色々なものを読んだ。Twitterや、note、Instagram、資料の本、気になるBlogそして短編1本。小川洋子さん、金井美恵子さんの文章にも、ふれた。



 

 5時。パパさんが帰る。おみやには、三宮一貫楼の「豚まん」。丹波篠山 岩茶房ことりの鳳凰単欉をいれて、ダイニングテーブルで食べる。これが、わたしの日常である。肉汁が手もとまで垂れてくるほどに、濃厚でおいしい、

 

 夕方から散歩15分。家の周囲、植栽や家々の窓をみて歩く。

夜ごはんは、ベトナム風春巻き、サーモンのムニエルとサラダ、オニオンスープ。

 

9時。吉田修一氏原作のNHK土曜劇場「路~台湾エキスプレス」を観る。

いい女はいつの時代も、自分の心に正直にいきる。人が人を愛おしく思うこと。台湾愛あふれるよいドラマだった。素敵な物語をみせられた後は、いつもの部屋が違ってみえた。視角の領域(みえている世界)が少しだけ広がったように感じた。

  

夜。お風呂の中で読書。寝室の窓からいい夜風が入る。てっぺんかけたか、がまた鳴いた。

12時。就寝。

 

 

 



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