月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

画家の眼を重ねて視る、見えないものの中にある真理を探して

2021-08-03 21:08:35 | 随筆(エッセイ)
 
きょうは、朝、雨がふった。
 
下はゴッホが初期に描いた「雨」という表題の作品。水彩という。
 


 
 
 
 

時間がぽかっとあいたら美術館か映画館、それとも思い切ってどこかひとおもいに出掛けたいと思っている。いま一番、行ってみたいところを聞かれたら「美術館へ!」と言うだろう。

企画展なら、一つのテーマでの、さまざまな書き手の翻訳に出会えるだろうし、特別展であるなら、ひとりの作家の初期の作品から晩年、筆をおく前の最晩年の描いたものを一気通貫して、みることができる喜びがある。

ゴッホやピカソでは、画家を志した頃から繰り返し描いた素描の数々やエッチングの技法などをみるにつれ、全盛期と全く異なる表現があり、見るに楽しいし、猛々しい描き方、色のおき方を、線を眺めていると混沌とした苦悩や喜びもみえて、感慨深い思いがある。年表や解説を読み、作品を見くらべて心情を探るのも、いい。

ちなみに、トップの絵はゴッホの「レストランの内装」。初期の「雨」という作品も胸を打たれる。詩的だ。

タヒチや動物など、楽園の美しさを生涯にわたって多く描いたゴーギャンだが、「オレンジのある静物」などをみると、ハッとする。作家の新たな才能を見出したような気になる。そのみずみずしい、甘そうな果実の色、ほどよい重さに。

 

◇続きはnoteで↓ 


11. 画家の眼を重ねて視る、見えないものの中にある真理を探して|みつながかずみ|writer   #note