月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

100万社のマーケティングで、パインの社長を取材

2018-02-02 08:56:00 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)






2018年 1月に執筆。
3月号のシリーズ特集(連載)4ページ

選ばれるためのブランド戦略において 大阪の老舗企業・パイン様の記事の
取材・ライティングをお手伝いさせて頂きました。

高橋久美子さんのインタビュー記事を書かせていただきました

2017-12-26 23:50:58 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)







宣伝会議2018年1月号の私の広告論
高橋久美子さんのインタビュー記事を書かせていただきました。

高橋久美子さんは、チャットモンチーの元・ドラマーでエッセイスト。
熱狂的なファンも多いので、その方々の気持ちを裏切ることのないようにと、心に念じながら記事を書いたのは、
11月のことです。
ちょうど私のMacBook pro(マックブックプロ)に紅茶をこぼして水没させ、
逝ってしまったその後2作目の仕事でした。


仕事の発注が降り積もっていくのに、Macを自然乾燥で蘇生したいと祈り
3日間。
いつもの環境で制作できないジレンマに陥りながら(別マシンのポメラでメモる)、
文章を書くことを、こうまで欲求する体になったのかということにも
我ながら驚き、その他いろいろな発見や後悔も、錯綜した時間でした。


制作をはじめる時は、さあ書くぞという気合いとともに
チャットモンチーの代表作「ハナノユメ」をYouTubeで流し、そのたびに
彼女が紡ぐ言葉たちの、けなげさに打たれて、涙が出ることもしばしば。

久美子さんの大地に根をはったようなたくましい生き方も繊細な詩の余韻も、
ふわっとして柔らかいのに確信のついた言葉の世界感、その切なさに。
何度もやられました。

「今の時代は他の人の視線を気にしすぎる。
共感やシェアしすぎだではないか」と。
「誰とも共感しない自分だけの好きな物や、人にはわかりえないものを見つけること」

孤独な時間を大事にして自分だけにしかできない発見をしてほしい。
他人と違うこと、
そういう感受性をもったことはむしろラッキー!と誇るべきだ」
というような事を語っていらしたのが印象的。

本当にたくさんの発見や勇気をもらったお仕事となりなりました。
クライアントの担当者をはじめ、関係者の皆様方には
とても感謝しております。






同雑誌には、メルカリやクラウドファンディングなどに代表される「所有したくない」消費意識。シェアリングビジネスについての特集企画のほか、
パナソニック宣伝100年の軌跡などが掲載されています。







月刊「事業構想」9月号・10月号に記事を執筆しています

2017-10-05 02:00:10 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)



企業活性、地方創生、イノベーションの専門誌。
 月刊「事業構想」9月号・10月号に

地域特集 巻頭  知事インタビュー記事(4ページ)
「クールジャパン機構」インタビュー記事(2ページ)
地域特集 巻頭  知事インタビュー記事(4ページ)
ほか案件 数ページを執筆でお手伝いしています。







月刊「事業構想」(自治体やNPO、法人企業などが読者対象)でのお仕事は、私の中では結構プレッシャーのかかる執筆です。



きっかけは今年、6月地方創生政策ガイドという冊子で、
スポーツ庁長官×事業構想大学院大学の専務理事との対談原稿を1日でまとめた事をきっかけに、
毎号「事業構想」の執筆がレギュラー化しました。

「環境ビジネス」編集の重鎮 大ベテランM様から名前をご推薦頂いての本案件。

官僚のインタビュー原稿というので、それは丁寧に執筆したいところだったのですが、ほぼ完徹のまま締め切りへ突入。
当日の推敲もそこそこで提出することになり、燃焼感がない一発目だったのですが、なんとか次へと繋がってホッと安堵です。


私が心掛けるのは、国を司る (行政、自治体)大物のインタビューというのは、
どうしても正論や固めの内容が多いのですが、そこを誰でも理解しやすいシンプルな言葉に置き換えて、
その人の人柄や温もりが伝わってくるようにして書いています。

あと、極力、情熱的に語りかけるように、文脈を整えます。

1時間そこらのインタビューの中では、語られることも限られており、
話したいことのコンテンツ紹介だけで話しが終わってしまうようなインタビューもよくあることなのですが、
そこは後からの情報収集でカバーして
徹底的なテープ起こし(インタビュー内容の原稿起こし)と、周辺情報のリサーチを徹底させ、
その下調べを終えた後で初めて記事にするという行程を繰り返していきます。

普段、私は新聞や経済誌を何紙も目を通すほうではないのですが、(ほぼ出来ていない)
市政・自治体のあり方や政治の骨幹、これからの方向性が本インタビューの中で語られるため
どの案件もとても興味深く、勉強させていただいています。
報道番組やニュースを通しての内容とひと味違い、掘り下げて(一度自分のフィルターに通してから)
書いていくのでよく理解できるのです。

どの県もどの企業団体も、しっかりと現状の課題を解決していきながら、
行政がよくなるために実行せねばならないこと、未来のためにぜひ挑戦しておきたいこと。
要するに短期的展望と、長期的展望にたって戦略を練っておられて。
それはある意味、私たちの仕事でも同じことが言えるのではないだろうか、などと自分を振り返るきっかけにも。
そんな感じで、時間に追われなければ、楽しいお仕事です。

(とはいいながら毎回、短時間でスッと書くことができないので悩みまくっての執筆ですが。
推敲が命です)

また、せっかく、文を書かせていただく仕事に就いているのだから、ジャーナリズムの立場で
お役に立てるなら本望と、
使命感にも駆られて、毎号、締め切りとプレッシャーに追い立てられながら、
ありがたやの気持ちをもって仕事をさせていただいています。


日本は、2020年のオリンピック・パラリンピックを目前にし
「スポーツを変える。未来を創る。Enjoy Sports, Enjoy Life」をスローガンに、
スポーツを「する」「見る」「ささえる」といった多彩なかたちで、 “一億総スポーツ社会”の実現をめざしているといいます。


また“東京一極集中”を打破し、宝の山である地方創生を!を合言葉に
諸外国との国際競争に打ち勝つ「切り札」に地方のアピールに努めています。


石川県知事には「北陸新幹線開業」での経済波及効果や、これからの石川県を国内・海外にむけてどうPRしていくか、

などの内容に焦点をあて記事を作成しています。











またクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)の代表、太田氏は10年間イッセイミヤケの社長を務められた凄腕社長。

日本のクールを、一目でわかるオリジナル・デザインにリニューアルさせ、海外へいかに高く売るか。

ブランド価値の高め方を話されています。









京都知事には、「世界交流首都」をめざす京都ビジョンをともに、海の京都、森の京都、お茶の京都など

「もうひとつの京都」構想をお話いただきました。








毎号、大特集のトップ記事を書くので、提出前には緊張しますが…今回は携わって4誌目なので
ほんの少しは慣れましたけど、、、。

ご関心のある方はぜひ月刊「事業構想」(1300円)(事業構想大学院大学出版部)に

お目通しいただければと存じます。宜しくお願いします。










宣伝会議8月号「私の広告論 名久井直子さん」(連載ページ)を執筆しています。

2017-07-28 01:49:02 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)










現在、書店で販売中の「宣伝会議8月号 私の広告論」では、装丁家の名久井直子さんの記事を執筆しています。

今回は、取材は宣伝会議の編集担当。彼女から音声を頂戴して、それを一度自分の手でテープに起こし、そこから記事を執筆しています。
人選で名久井直子さんの名前があがった時から、はやく取りかかりたくてワクワクしたお仕事でした。

彼女の装丁本は何冊か持っていて美しいな、と思っていたのも勿論ですが、装丁家のお仕事を知っているようで
詳しくは知らなかった私にとっては、興味津々。
ですから、イントロでは、そういう私のような読者のために、作家の原稿がおくられてきてから、
出版者の編集ディレクターと打ち合わせし、デザインをしていく過程(プロセス)や仕事の醍醐味を。

また特に彼女自身が印象に残っている仕事を1つ例にとり(ここでは、谷川俊太郎の詩集、「わたしとあなた」)
仕事に対する思い入れの深さなどを中心に書いています。

最後は広告に対してどのように考えるのか、いわゆる広告考で締める!という流れです。

1行に何文字くむのか
余白はどれくらいにするのか。ノンブルの位置、書体選定、花切れやスピンにいたるまで。
本を校正する小さな要素を縦糸と横糸を組むように、自分のセンスを信じて
(作家の思いやターゲットの想定を組み入れ)、緻密に、丁寧に、細部へのこだわりを入れて編んでいく。

名久井さんは、モノをつくることが本当に好きで、工芸作品をつくるように、細部へのこだわりを注ぎ込み、嬉々としてお仕事されています。
御本人も元々絵をかいたり、切って貼ってといった工作することが好きで、
それこそ公私にわたって、誰かに手作りのものを手渡す時でも、同じように懲りまくるタイプのようで、
「脳内で思い描いたデザインがかたちにして残ることがうれしい」といわれていました。


印象にのこったのは、「広告論」のお話になった時、
「最近、比喩表現が減ったなと。「極」、とか「安い」と言い切るパターンが氾濫しているように思う」と述べています。
ストレートにいわずに比喩でさりげなく伝えるほうが、うまく伝わる場合もあるのに、
「好きだ!」のように。直接的な表現ばかりだと寂しい。
広告もしかりで、過去のサントリーのウイスキーの広告や日清カップヌードルの広告のように、
「大人の広告」をみることが少ないと仰っていました。

私も聞きながら、頭をうんうん、と何度も頷かずにいられなった。
素敵な比喩表現って。小説にはあっても広告には確かに少ない。
わかりやすく、ストレートに! 広告という特性上、そのほうが無理なく伝わる!ということもあるとは思いますが、
今、人は急がしすぎるし、SNSも氾濫し、あまりにも情報過多のあまり、急いで言ってしまわないと
相手の時間を奪ってしまう広告は、ゴメン申し訳ないといっているようであり、
ううーーめんどくさっ!となってしまうか。
時代性もあるんだと思いますが、確かに寂しいですね。

本は言葉をのせる舟のようなもの。
デザイナーが言葉に新たな息を吹き込むなら、
言葉は何度でも蘇る、のような感じでまとめています。


文章を書き起こしながら、名久井さん自身の仕事に掛けるこだわり具合が伝わってきて、
すごく愉しく記事をつくることができました。
アッという間、ほぼ1日でまとめて上げています。(周辺の情報収集に半日、推敲に半日は別です)


以前ブログでも紹介した「書道家の川尾朋子さん」から、
「小松美羽さん」
「春風亭一之輔さん」
「名久井直子さん」
と続き、どの号での執筆も新鮮でとても勉強になります。力をいただきます。勿論、他のページも同様です。

次号は「作家で社会学者の水無田気流さん」。
原稿はすでに先週入稿しています!



「ヨガ」と「瞑想」で、毎日を新しく生きる

2017-07-10 20:14:55 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)

最近は、朝起きて9時頃から深夜1時頃まで食事をつくる以外は、仕事ばかりして過ごしている。
こう前のめりに仕事ばかりしていると、愉しくて、まるで中毒患者さながら。

昨日より今日、数時間前より今と、(錯覚なのかもしれないが)遅々として力量がついてきたように思える時が、素直にうれしい。
1日、1日成長してる。よし、よしと思える時。
そのリズムみたいなものがちょっとした快感のように感じる時も。

提出したら全部わすれてリセットし、
息抜きと称する「小さな娯楽時間」を過ごしている時も、愉しい。
これが毎日遊んでばかりいたら、こうはならないのである。

もうひとつここ1カ月程、週間としているのが「ヨガ」と「瞑想」。
先月、マインドフルネスをテーマにした特集記事(6ページ)を取り上げてから、





瞑想の本を数冊読み(アンディ・ブディコム からっぽ!10分間瞑想が忙しいココロを楽にする)、
高野山の金剛峯寺で「阿字観瞑想」を僧に習い(原稿作成のため)、
以来、朝ヨガを10分してから、瞑想を10分という生活が習慣化した。



瞑想は、今に意識をむけ体の力をぬいてリラックスして心根で集中すること。

私は東の位置にむかって座り、目を軽くとじて、右足を上にして座禅を組む。

背筋を正し、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座り、背中に1本の気が通っているのを意識しながら、鼻から息を吸い、
「阿」「阿———」を小さく唱えながら息を細く、長〜く吐き切る。数分かけて。

呼吸に伴ってお腹や胸がふくらんだり縮んだりする体の感覚に注意を向け、その感覚の変化を気づきが追いかけていくようにする。

そうやって瞑想を深めながら、外界の音、空気の流れ、気配に意識を向けてそれらを静かにただ観察する。
じっと眺め、そして自分の「今の存在」を改めてみつめて、生かされていることに感謝する。
う〜む深い。でも実に爽やかで頭が軽くなったのを感じるのだ。

 瞑想とは、「今この瞬間」の、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情にとらわれないでいる心のセラピー。
そこには不安やネガティブな想いもなく、また日常の中で体験するような嬉しさや喜びといった感情に支配されることもない、開放された“無”の意識。
「アタマをからっぽにする」状態をいうのだそうだ。

瞑想で得られる「からっぽ」な心には、ゆったりとした平常心という充足で満ち足りているという。
そこは揺るぎなく平和。
一過性の感情(雑念)が浮かんでもそれらが消えるのを観察し、心の中に何が起こっているのかを注目する。
イメージとしては思考や感情が通り過ぎるのを道端で座って眺めているように。ただ、静かにソッと自分を取りまく部屋の動き、温度、外の音や匂いなど
だんだんと、注意のフォーカスを広げていき、心が落ち着くのを待っている。


私が修得した「阿字観瞑想」は、高野山を総本山とする真言密教の瞑想法で、元々は僧侶が気持ちを落ち着かせるように行っていたものとか。







「阿字観とは阿字を観る。「阿」を心に浮かべる瞑想法。白い蓮の上に金色の文字で書かれたのが「阿(あ)」、インドのサンスクリット(古代語)の梵字で、
真言密教でいう大自然・大宇宙の全ての源である「大日如来」を1文字で象徴するのが“「阿」”。
「阿」を心の中で念じ、声にして出すことで、自身の心に大宇宙・大自然を感じ、大日如来様と一体となる瞑想法が阿字観という。
「阿」は始まりの音。ご先祖様であり自然界や宇宙そのもの、我々の原点。
小さな道場で阿字観の軸の前に坐り、黄色の満月の光(自然界、大宇宙)に大きく包み込まれるイメージの中で高野山の瞑想は始まった。

この5月後半の取材は本当に、新緑がしたたるように心地よく、宇宙は緑に包まれている!と体感できたほど…!















私も自宅に居ながら、高野山の阿字観に思いを馳せて、瞑想をする。

10年程前からハタ・ヨガを習っていたので、基本のヨガを10分して、体の芯を但し、呼吸をしっかりして自分の内側をみつめた後で、瞑想をする。

私達は、頭の中であれやこれやと思想を巡らしていたと自分では感じていたが、これが実は単なる思想という名の雑念であったということに、瞑想を習うようになってようやく気づいた。

頭で考えることよりも、五感をのびのびと開放するほうが集中力も備わって、
気づきをもって生きられることになるのだと知った。
そう考えするのでなく、感じる。
すると、少しだけ生きることが軽快になり、今に集中できるのだ。


(補足です)「阿字観瞑想を自宅でする場合には」

座禅(右足を上に)、手は「法界定印(ほうかいじょういん)」。左の手の平に右の手の平を重ね、親指同士をつける。


・ 大きく息をハーッと吐き、胸やお腹にたまっているモヤモヤした空気を口からゆっくりと全て吐き出す。
・ 全て吐き出し口を閉じると、自然ときれいな空気が鼻から入る。
・ この呼吸を3回ほど繰り返す。(霊気で身体が浄化されます)

・ 「阿字」を心の中で穏やかに感じる。
・ 口を少し開き、吐く息に「阿」……と音をのせます。(阿の声を出し、少しずつ小さくしていきます。
・ 最後は消えそうな「阿」の音となり、心の中で「阿」を感じ続ける。
・ 息を吐き終わると、また「阿」………と繰り返す。
・ 4度目から無音で「阿」を心に観ながら、鼻から息を吸い、口で息を吐く。

・ 約20分後。両手の手のひらで、頭から足の方へ直接ふれずになで下ろすようにする。
・ 今に生きていることに感謝して胸の前で手を合わせる。
(以上)


宣伝会議5月号掲載。 書家の川尾朋子さんを取材する 

2017-04-14 06:45:17 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)


ご縁あって、「宣伝会議」「ブレーン」「100万社のマーケティング」など宣伝会議発行の関連本の仕事を、ここ10年くらいさせてもらっている。



なかでも宣伝会議の連載ページ「私の広告論」は、自分にとっての新しい学びや発見があり、短時間でささーっと仕上げたくない仕事だ。

4月。新入社員の研修シーズンだが、私は入社して数年はずーっとこの「宣伝会議」や「ブレーン」だけを手にとってページをめくるだけで一日が終わるという日々を過ごしたことがある。
来る日も来る日も仕事がもらえず(某広告会社入社の頃)、朝から夕方まで「宣伝会議」を読んでいた。
というか、眺めては物思いにふけり、淡々とページをめくっていた。
当時、それほど愉しい本だとは思わなかったが、それでも本の中では、広告現場の第一線で仕事をしている人たちの「今の動向」が事細かく説明されており、
憧れの世界への扉(向こう側の景色を、ちらり垣間見ては)で、
ため息をついては、「ちょっと書いてみる?」とコピーのディレクターが思いつきで振ってくれた小さな仕事を、気を引き締めて書いたようなことを、ぼんやり思い出す。

あの頃の自分と同じような新人クリエイターへのエールを込めて、今日も文章を綴らせてもらっている。


さて、ちょっと現実の世界へ引き戻そう。
その「宣伝会議」の本を書かせてもらうようになって数年だ。
毎年多くの著名人から一般の方までインタビューをさせて頂くが、これからさらにメキメキと伸びていかれるだろうなという方に(すでに有名人も含めて)共通するのは、絶対に偉そうぶらないことだ。腰が低く、自分の内に穏やかな泉でも抱えているように淡々と語る人が多い。
偉そうぶらないというのは、言い替えれば自分を大きく見せず自然体で話されること。

彼女もそうだった。
飾らない自分の言葉で話し、思考が簡潔明快な人だった。
(現在は書家・川尾朋子さんを取材執筆した「宣伝会議5月号」(私の広告論)が書店で並んでいます)












彼女が「書」の魅力の1つとして挙げ、習慣にしている事が往年のスーパースター(空海などの拓本)を臨書すること。

数千年前に書かれた「書」であっても、どこから書かれてどこで終わっているのかを追体験することで、文字の美しさを眼と心で感じ、
温もりや息づかいまで感じる、といわれていた。自分は未熟でいつも叱られているような気がするとも。
目に見えるものだけを信じるのではなく、見えないものを見、思考し、想いを馳せ、自分を導く大いなるものを感じること。
それが現代には失われているのはないかと危惧されていた。
彼女は空海などの臨書を、学生時代からずっと日課にしているのだそうだ。(旅行の時でさえ傍らに拓本を持っていくという)

書の人しかり、料理人しかり、コピーライターしかり。
モノをつくり、それを世に紡ぎ出している人の言葉は、深い。いつも魂が平穏。

今回の原稿は、素直に、見たまま感じたままを、私の筆にのせて丁寧に綴っていくだけで十分だった。へんな技巧やみせるための創作性さえも必要ない。
川尾朋子さんという方を純粋に、川尾朋子さんとして誠実にどう伝えるか。伝え切るか。そこに私の裁量が問われる仕事なのだった。

最後に、1階のアトリエで「書」という文字を揮毫していただいた。

修行僧のように集中する数秒間。そこから長い肢体を躍動させ、極太の筆を宙に舞い上がらせて、一気に墨の潤渇で書いていく。
その気迫や息をのむほど。魂が吹き込まれていくようだ。
















インタビュー中に話されていたのだが、川尾さんはいつどんな時にも(海外でもアトリエでも、イベント会場でも)
平常心でいられるように、自身の呼吸法というのを編み出して精神統一をしたあとで、書を書かれているそうだ。
静かな状態の呼吸から徐々に早く呼吸し、最後は静かにゆっくりと吐く。潜在意識(アタマの中)で一度「書」を書くのだという。

シャッターを押すカメラマンの手も、鋭かった。高テンションの撮影。
そして素晴らしい言葉の花束を拝受した清々しい取材でした。
ありがとうございます。

現在は宣伝会議6月号の「私の広告論」・小松美羽さんの原稿を制作中です。




2015年 ゴールデンウィークの真ん中で。

2015-05-03 13:32:25 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)

なぜだか理由わからずに、モヤモヤすることがあるように。
なぜだか、わからないまま、ふと気になって仕方ないということがある。
そして、自然な「流れから」、今やるべき方向性が決まってしまうことも。

わたしの意志はどこなのだろう。わたしはどこにいるのだろう。
(本当にこれでいいのかしら。もっと自己確立してしっかりしなくっちゃ!!)

ただ、そういった見えない力のようなモノに突き動かされて、
今日まで生きてきたような気がするのだ。
第六感に逆らわずに、その理由わからずに…に耳を澄まし、胸に手をあてて「WHY?」と自問自答して…。
そうやって行動することが自分には必要な気がするのだ。
勘を信じよう!ということは、自分をもう少し信じてやろうということ。
わからないまま、ぼんやりとそう思う午後だ。

休みの日に仕事をするのが、昔から好き。
周囲が「休んでいる」状況のなか
自分が休んでいない、それだけでホッとする。優越感など勿論ないけれど、
焦らずに自然のまま、仕事も生活もできるから。(これから1泊の家族旅行には同行しますが )



このところ、こんな「水」を傍らに置いて、仕事をしている。





ある仕事を通して知り合い、それら関連の広告コピーを考えたりしているうちに、
あまりに私にしっくり寄り添ってしまい、
最近では、ペットボトルのお茶もミルクティもアセロラドリンクも、あるいはロイヤルゼリー入りのオロナミンCも飲まず(笑)に、
この「水」一辺倒である。
(紅茶、珈琲も減った)


北海道の横津岳山麓に位置する、推定で1500万年前の岩盤からわき上がる岩清水を、そのまま加熱殺菌せず(非加熱)ボトルに入れた、
生粋のナチュラル、ミネラルウォーター(プラスイ)。

ミネラルウォーターと、ナチュラルミネラルウォーターは違うのだそうだ。
日本の水はたいてい、加熱したものが安全な水として売られている。
ただ、この水はどれだけ放置していても腐らないし、品質も落ちないという。
素晴らしいなあ。

(上質でエレガントな水としてヨーロッパのコンテストで金賞連続受賞しただけに、透明感があって、きれいな味)

わたしもそんなライターでいたいもの。

そういえば、昨年から尊敬する巨匠とタッグを組ませてもらって仕事をしている。戸惑うこともあるけれど、
しかし、この人もいつまでたっても鮮度が落ちない人だ。
ほかの仕事や日々の雑念や諸々があっても、
頭の片隅では、この巨匠との仕事で覚醒した状態。
恵まれた環境、この「流れ」をせき止めずに、前へ!ひたすら前へ!

(仕事前のモチベーションアップのための独り言)。


3月、エール・フランス航空に乗ってパリへ1週間あまり旅をしてきました。
この日々も冷めやらぬうちに
文字に残しておきたいなぁ。<予告>





ある仕事現場から。 ~CMプランナー「中尾孝年さん」を取材して。

2014-11-23 22:23:53 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)


コピーライター出身で、文筆家(ライター)という二足のわらじを履いてきたが、
ここ数年は後者の仕事のほうが多い。
(仕事はコピーが好きだけど)

「ライター視点」という理由だけで
1人の人物や、はたまた人の普段の生活を取材させてもらえるなんて、
申し訳ないけれど、ありがたい職業だな~といつも思う。

昨今にも宣伝会議発行の「ブレーン」12月の連載記事で
私のクリエイティブディレクション論「中尾孝年」、





宣伝会議創刊60周年記念「100万社のマーケティング」(11月29日創刊)の巻頭レポート
(なぜ、お客様の気持ちが見えなくなるのか。“顧客視点発想”こそ、マーケティング実践の原点)、





「広告界就職ガイド2015」などの取材と原稿執筆を
担当させてもらった。


特に、ブレーンの記事、CMプランナー「中尾孝年さん」は
飄々として明るく、本当に面白い方だった。
私の仕事への考え方を、180度変えてしまった。
江崎グリコアイスの実「江口愛実」や、大阪道頓堀に綾瀬はるかを起用したグリコの看板などを実現させた広告界の仕掛け人である。


本誌のキャッチコピーは「世の中の常識に縛られずクリエイティブの魅力で勝負する」というという言葉を採用したように、
彼の仕事のモチベーションは、この言葉に凝縮されている、といってもいい。









少年のように鋭く、冒険心に満ちた瞳を輝かせながら
「担当者だって所詮1人の人間。その人が素の自分に戻った時、
あ~やりてぇ~。おもしれ~と、ぞくぞくさせるような魅力のあるクリエイティブにしなきゃあ」と。

「妥協しちゃあいけないよ。絶対に。ほんまに良い仕事をすればね、
雪だるま式にね、(魔法みたいに)良い連鎖が起きるんだよ。
そしてね、自分が本当にやりたい仕事が出来るようになるんだよ」

中尾さんは、広告界のみならず、「プロダクトデザインや芸術家の仕事。
また徹底してアーティスティックでありながら売上げを背負わされているもの。
日本のアニメやゲームなど、世界的に評価されているものは、ちゃんとリサーチしておく必要がある」、といわれていた。




以下は、本誌より一部抜粋する。
(今月初旬発売スミ)


「いつもロジカルに突き詰めて、吐くくらいに考えるんです。
そして壁にぶちあたりすぎて途方にくれていると、突然違う方向の答えがバキューンとひらめくー。
それが絶対にいいアイデアです。あとはそこにロジックをどう接着させるかです。キーワードは「常識にとらわれないこと」かな。


「コピーって、自分と向き合うから孤独だし、内に向かってひたすら削って削って、尖らしていくようなところがありますが、
CMは対照的です。発散しながら考えるんですよ。」







そのほか、消しゴムで消した言葉の数々。それらのテープ起こし原稿もなくさないようにしなければ。
クリエイティブとは何か。
どうすれば成功することができるのか、を。
大らかに、冗談を話すような気軽さで
教えてくれた人だった。




コピーライターが1流人CDを取材する時。

2014-10-12 11:35:07 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)




最近では珍しいことなのだが、
絶対に成功したい、失敗はしたくない!と心から熱くなれる仕事に出会った。
(通常の仕事でも手抜きはしていないけれど、愛も込めているけれど)


今日再びテープを聴き直してみて、改めてそう思う。
連休中に入っていた「ブクブク交換」という友人主催のイベントも、寸前まで迷いまくったけれどもドタキャンさせてもらった。
ご近所のお友達との京都ランチも先に延ばしてもらった(取材日だった)。

そうやって、時間を確保…。
中尾孝年さんという、今、日本を揺るがす斬新な仕組みの広告を、
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで
バンバンと投げ続けては大当たりをしている注目のクリエイティブディレクターの人物インタビュー記事である。
もちろん、彼はCDでありながら、一流のコピーライターであるので言葉に対しての、こだわりも、並大抵ではないはずである。
自分を形容する言葉や文章で、間違った表現やまわりくどい、いい方をされたら
怒り出すかもしれない。
すごい!なんて絶対に思われないから、
せめて、誠意と愛をこめて、真実に迫りたい。


数年前から「宣伝会議」や「ブレーン」などの雑誌で原稿を書いているが、
時々、こんな風に自分がもつコピーへの人一倍の想い入れを
一度こうやって原点に戻してくれるほどの凄い人物や
頭をぶちわられるほどの、大手メーカーの大物宣伝部長などを取材させてもらう機会を得る。

その人が放つ言葉が、まるで真珠のようにたくさん降ってくる。凄い。
それらを残らずキャッチし、自分なりの(私の)フィルターで復元することは可能なのだろうか。



自分が培ってきた経験と情熱を総動員して、
書いてみたいと思う。
決して気負いなく、きれいに飾られた言葉を駆使することなく、
真実の、本気の言葉で書くと、ここに宣言したいと思う。
そして、今。だいたいの道筋はできたが、ここからどうやって
削って削って尖らせていくかである。