役に立たない資格から２０年

年に１度程度はおじゃまする山里の友人別宅。
誰が集まって来るかいつも行くまで不明。
はじめましての人もあれば、二度目ましての人もある。
友だちの友だちは友だち。
余所で会ったらもう分からないかもしれない淡いけれど、
その時だけは共に動いて食べて、親しい時を過ごす。

　

初めて出会った時から、どこか気になる会った事があるような彼女。
もし彼女であれば名前がちょっと珍しかった。
あの講習で出会ったあの人かもしれないけれど、違うもしれないと思っていて自己紹介。
やはり思った名前だったが、どうも彼女であるという確証はない。

本人に、当たり障りのない所からやんわり聞いてみた。
やっぱりそう。
紛れもなく昔、昔に資格試験を受けるための講座に数ヶ月一緒に通った仲間だった。
なんの資格だったかも私は思い出さなかったら、彼女の口から出た。

パソコンが普及する前のこと。
日商のワープロ検定３級を受験するための講座だった。
オームの指名手配写真が古すぎて分からないくらい面差しが変っていた。

　　ねぇねぇ～あの資格、役に立った？

彼女が聞いてきた。
確かに、就職をするための資格講座だった。
後から追跡アンケート提出などあって、
受講後はその資格を利用して求職することが義務付けられていたように記憶する。
本当は子供が大きくなって時間が余っての半分暇つぶしだった。
働いたかどうか？
記憶が曖昧。

家に帰って資格証を探しだした。

平成３年７月。
なんと２０年前。
あの時仮名打ちでブラインドタッチを覚えていまい、
ＰＣ時代になった時、
子供から笑われローマ字打ちに変更。
その意味でもまるで役だっていない。

あの時の出会いから、たった一人、
伴侶の転勤で沖縄、名古屋、熊本、福岡と転々とした友とは
何故か数年に一度でも連絡を取り合って今も会っている人も居る。
偶然にも共に寡婦になった。
先週、娘の結婚式の帰りにたまたま上京していた彼女とほんの少し出会ったばかり。

その後、
まるでその資格とは関係のないパートのヘルパーとしてわずかほど働き出したような気もする。
無資格で働き出して、ヘルパー３級講座に職場から行かされた覚えがある。
ついでにその資格証も探せば出てきた。（詰まらぬものは大事に保管しているっぽい）
Ｈ５年のおなじく７月。
今の仕事の基礎職になる訪問介護の仕事はワープロ検定がきっかけだったのか？


資格自体は、まるで役にたたなかったが、
思えばあの縁がなければ、また私の人生は変っていたのかもしれない。

彼女のあれからも迂路曲折あったようだけれど、
アウトドアは食べるために体も口も忙しく多く語らずに今日はお開きとなった。

　


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