おひとりさまで何が悪い！

本屋をぶらついていたらたくさんの女性向け『おひとりさま』Ｂｏｏｋを発見。
ハウツーものは買ってもと言う気がして、めくって中身を見る。
同じひとりで過ごすにしても
ひとりぼっちと沈むかおひとりさまの気ままさを楽しむかの違いではなかろうか？

パラパラめくっていて、
　　　　写真を撮ってブログアップしよう
という箇所を見つけて思わず笑ってしまった。
おひとりさまが過ぎると会話がない。
誰かに見てもらいたい聞いてもらいたいを満足させるにはブログはまことにありがたい。

今日、職場で猫の話をしていたら、

　　　さみしい人が猫をかわいがるのよね

思いっきり矢で心臓を貫かれた気がした。
心ならずもひとり身になった者に向けてあまりと言えばあまりな言葉ではなかろうか？

　　　ハイハイ、猫以外に人肌ぬくいのが家に居ませんから

と、冗談めかして交わすしかないでしょ？

こう言うのをしあわせボケの鈍感と私は心で呼び、
自分だけはひとり身になることはないと信じている分、
私と同じ境遇になったら完全ノックアウトな人だろうと嘲っている。

おひとりさま１０年選手はこういうのからの立ち直りも早い。

図らずもおひとりさまになって、
経済的基盤を一緒に失った女性はどうやって食べていくかの心配が始まる。
中には残されたお金をドーンと注ぎこんで店を開く人もある。



↑さをり織りサロンは私とほぼ同じ時期におひとりさまになった人のモノ。
三連休に生徒さんの作品即売会が開かれていた。
糸代程度でマフラーやベストなど作品が売られており、押すな押すなの大盛況。
サロンの主は先生と呼ばれていた。
１０年で堂々たる風格。
こう言う勇気のない、しがない勤め人の私から見ると眩い存在だ。

女ひとり、スマートに食事をしている姿や
観光地のひとり歩きが様になっている人を結構みかける。

おひとりさまが明るいイメージで語られる本がいっぱいなのは、
しようとしても出来ない女の人が多いからでもあろうと踏む。

ダンナの顔色を伺って、承認を得ないと何も出来ない奥さま稼業。
かつて自分もそうだったから、
無防備な頼っている人の夫悪口などに軽い嫉妬も湧く。
でもね、
何をしても自分の責任なんだから、
誰かに頼って生きている人よりずっとカッコイイはず。
と、私は思うことにしている。

ダンナ、ダンナと職場での話題がそれになると、
シーンとするしかないシングル。

おひとりさまに力みが入る分、まだまだ修行が足らない。


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ゴッホの遺言 小林 英樹

	完全版 - ゴッホの遺言 (中公文庫)
	小林 英樹
	中央公論新社

ゴッホ展の会場で買い求めた文庫本。完全版とある。
作者はゴッホの研究者であるが、2000年の日本推理作家協会賞受賞作。
確か当時話題となったような記憶がうっすらある。

その後の研究で分かった事が推論問題を呈したので、
文庫本として発行されるに際して、受賞作にその部分を変更可筆されたそう。

私はせっかく作品を観たし、
会場で流されていた生涯を数分に編集したDVD以上のゴッホが知りたかった。
特に自殺の原因。
『遺言』とあるからにはその辺りが明らかになりそうな期待でページをめくった。

ゴッホを愛してやまない研究者が、
あのアルルに寝室のスケッチを贋作ではないか？
との疑い持ち、調べてゆくうちに自殺の原因にも言及した。

　　　　

会場を出る時に同行の友が

　『信頼できる弟さんがついているのに、なぜ死ななければならなかったのかしらん？』

と、つぶやいた疑問が解き明かされている。
結婚をすると只の兄弟では居られないのは世の常。
まして、弟テオはゴッホを経済的に支えていた。
妻ヨーの存在が浮上してくる。

画集すらも手元にないが、絵を思い出しながら読んだ。
うれしいことに、死の直前に描かれたドービニの庭はひろしま美術館が所蔵している。

　　　　　　　

自らの姿だろう黒猫が消されている事実も分かったと言う。
庭の端に細かく赤ん坊を抱いたおそらく弟の妻であるヨーでろう女性が立っていると言う。
今度は「立ち止まらないで下さい」のプラカードに押されないで
ゆっくりじっくり観てこよう。




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