愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

73年目の夏

2018年08月15日 17時37分37秒 | 戦争のない世界をめざす

 タイトルにある「73回目の夏」とは何のことかなんだが・・・これは、日本軍国主義が1945年8月15日に連合国に対して無条件降伏して敗北してから73回目の夏ということだ。

 第二次世界大戦による死亡者の人数は、連合国側(アメリカ、イギリス、フランスなど)と枢軸国側(日本、ドイツ、イタリアなど)を併せて約4千万人ものぼる。
http://www.geocities.jp/k_saito_site/hikiadememorial0.html#HITOHIGAI

 日本は明治維新以降、富国強兵路線を掲げ、帝国主義化して戦争と侵略の道を突き進んでいった。そして、中国や朝鮮半島の人々をはじめとしてアジアの人々をたくさん殺していった。日本軍国主義の被害を受けた国・地域の人びとにとっては「8月15日」は侵略と植民地支配からの開放を記念する日ということになる。また、日本の軍国主義を推進してきた勢力や人々の立場ではなく日本の人民の立場にたてば、「8月15日」は、アメリカ軍による空襲の被害に怯える日々の終焉であり、家族、恋人、友人が兵役に駆り出されて戦場で殺し合い、外国で罪のない人々を殺傷することのなくなった日である。

 2017年から2018年の間に平和に関する国際政治の大きな動きがあった。

 1つ目は、2017年7月7日に核兵器禁止条約が国連会議で採択されたことである。2018年8月3日にはコロンビアが核兵器禁止条約を調印した。こうして60カ国が核兵器禁止条約に調印・批准した。現在、核兵器禁止条約に対する批准書を国連事務総長に寄託した国は14カ国(ガイアナ、タイ、バチカン、メキシコ、キューバ、パレスチナ、ベネズエラ、パラオ、オーストリア、ベトナム、コスタリカ、ニカラグア、ウルグアイ、ニュージーランド)である。
https://www.antiatom.org/Gpress/?p=15223

 2つ目は、朝鮮半島における平和への激動である。2018年4月27日に南北朝鮮首脳会談が開かれ、朝鮮戦争の年内の終結へむけた平和条約締結をめざすことが発表され、朝鮮半島の完全な非核化への署名がなされた。
https://www.bbc.com/japanese/43920684

 また、2018年6月12日には米朝首脳会談が実現した。この会談では朝鮮半島の非核化への共同署名が行われ、トランプ米大統領は米韓軍事演習の中止を合意した。
https://www.bbc.com/japanese/43920684

 昨年の今頃から暮にかけては、米帳の軍事的対立に起因して偶発的な事態や誤算に基づく核戦争の危険性をリアルに懸念せざるを得なかった。それに対して今年になって生じた大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)及びアメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国との間の大きな動きは、つい昨年のことを最近といより一定の年月が経過した過去のことだと感じさせるほどである。

 日本に目を向けると安倍自公政権の平和の問題に対するお粗末ぶりが際立っている。核兵器禁止条約のことでは、日本政府は条約に調印・批准をしないどころか核兵器禁止条約採択のための国連会議に背を向けて欠席した。日本は、実戦において核兵器の被害を受けた世界で唯一の国である。だから本来ならば、日本の政府首脳は核兵器廃絶の先頭に立ち、核兵器禁止条約発効へむけて条約の調印・批准に足を踏み出す国々を増やすために国際政治に働きかけるべきである。ところが、日本政府は核兵器禁止条約に背を向けているのである。

 朝鮮半島をめぐる情勢に関しては、安倍内閣をはじめとして日本の支配勢力は北朝鮮のありもしない脅威をでっち上げることに夢中でイージス・アショア導入やオスプレイ導入に躍起になる始末である。安倍内閣の毒が日本における安全保障政策のあり方を蝕んでいき、日本の安全保障を危険な方向へ行かせようとさえしている。また、安倍首相らによる改憲への策動と執念は見過ごせない。現状を前提とするならば、日本は世界の諸国民の平和への努力の足を引っ張るだけの存在に成り下がっているのである。

 第二次世界大戦が終わって73年目の夏は、私達に安倍自公政権を打倒して立憲主義回復と平和を実現するための政府の実現への重要性をかつてなく示している。