愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

原発プロパガンダ―プルト君

2011年04月03日 12時40分49秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等



 こうまであからさまなプロパガンダというのは、私は見たことがありません。注意深く扱えばプルトニウムが安全だと?危険なものは、どれほど注意深く扱っても危険であることには変わりありません。安全策を練るというのは、危険性に対する認識に基づいてなされることです。

 原子力発電というのは広島や長崎に投下された原子爆弾と同質の材料とエネルギーを利用して行われます。ですから、高い電力を得られるのと同時に危険性が火力発電と比較にならないくらいに危険なわけです。

 原子力発電については、現在の科学技術で制御する技術が未確立です。災害などが発生した場合に、対応が十分に出来ないことは福島第一原発が現在進行形で示しているところです。低エネルギー社会をつくっていくと同時に風力や潮力などを活用したいわゆる環境への負荷の少ない発電技術を高めていくことが急務です。

 現存している原子力発電所については、すべて総点検して老朽化が進んでいるなどでリスクの高いところから順次止めることを検討するべきです。

 私自身は「原発悪」論には立っておりません。これは、日本共産党中央委員会についても言えることです。では、なぜ私個人というにとどまらず党中央委員会が脱原発を唱えるのかというと、現在の科学技術では原子力エネルギーを制御するすべを確立していないからです。現在の原発は、未確立の技術を「安全神話」と「安全プロパガンダ」を用いて国民を欺瞞しながら使用することによって成り立っています。ここのブログに貼り付けた動画は、原子力発電所が発信したプロパガンダの最たるものです。さすがにオリジナルはすでにお蔵に入っているようですが。未確立の技術を「安全神話」を振りまきながら見切り発車的に稼動し続けてきた結果が現在の福島第一原発での事故といえます。他にも東海電力での臨界事故についても未確立技術を使ってきたことの帰結です。

 今すぐに全国すべての原発を止めることは現実問題として無理です。原発のために止めてしまった火力発電所を再び稼動させながら、自然の力を活用する太陽光や風力などの発電技術の向上などを複合的にすすめながら代替エネルギーの活用技術を進めていくことが今後の持続可能な社会発展のあり方として求められます。

 もし、どうしても必要に迫られて原子力エネルギーを活用する場合でも核融合技術を確立してから後の話になるかと思われます。それは、核融合の場合は燃料供給を止めればストップするからです。核融合は太陽において水素がヘリウムに変わるプロセスを人工的につくることともいえます。そこまでの高温高圧の核融合炉を建設するような技術はいまだに確立していないし、核融合時に発生する中性子の飛散をどうするのかという技術もまるで確立していません。ですから、今の科学技術では原子力エネルギーを使うのは、利便性と比較してもリスクが大きすぎます。だから、今こそ脱原発です。

 将来、どうしても必要に迫られて原子力エネルギーを発電に使う場合、注意すれば安全というのではなく、危険ですがどうしても必要だか使う、そして危険性に見合った事故防止策を講じて事故が発生した場合にはどのようにして事態を収束させるのかということをあらゆる角度から想定していくことが必要です。安全のための策は、危険性に対する認識の上に成り立つものです。危険性を直視した上で必要な費用を十分にして必要なだけかけてなおリスクを考えた上で利用するのかどうか、対費用効果はどうなのか(安全神話で安全よりコストなどと費用を削らないことを前提として考えてなお)、ここまで考え抜かないと原子力を発電に活用するわけには行きません。さらに、発電所が老朽化して解体の時期を迎えたときに解体することも考える必要があります。地震や津波などの災害が生じたときのことを考えなければいけません。

 結局は、現在の人類には原子力を使い続けるだけの力量がない、このことが東日本大震災によりつき尽きられています。当面は火力発電所の稼働率を引き上げながら代替エネルギーを開発していくことが必要です。


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