細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

ローマ人の物語 13巻

2014-05-16 18:02:21 | 趣味のこと

ローマ人の物語の13巻を読み始め、どっぷり浸かっています。

私が「ローマ人の物語」のファンであることをご存じの方は多いと思いますが、もちろん全15巻は読破していますし、全冊の平均で確実に2回以上、好きな巻は何度も読んでいます。

13巻は「最後の努力」というタイトルで、帝国が崩壊に向かう、帝政後期のある時代ですが、主人公はディオクレティアヌスと、有名なコンスタンティヌスです。

13巻は一度しか読んだことが無いと記憶していますが、読みたいと思った契機は、5/11(日)に一人で訪れた、グランパレで開催されていたアウグストゥスの展示会です。今年2014年は、初代皇帝アウグストゥスが亡くなってからちょうど2000年で、祈念の展示会がなされていました。とても秀逸で、あらためて古代ローマ帝国に興味を持ち、読み始めたのでした。

ディオクレティアヌス帝の頃は、ローマ帝国が蛮族の侵入や内部治安の劣化等により深刻な危機に瀕している時代ですが、四頭政というシステムをディオクレティアヌスが構築し、継続させるために法制化もします。アウグストゥスがカエサルの路線をしっかりと引き継いで構築した帝政システムの、実に300年後の大改革です。

もちろんディオクレティアヌスは最善を尽くしてやっていくのですが、人間のやることにはすべてプラスとマイナスがあります。また、カエサルの思想をアウグストゥスが固めていくわけですが、ローマの開放路線、かつての蛮族ですらも同化していくという、古代ローマ帝国のエネルギーの源泉とも言える考え方が、300年後には帝国の崩壊の引き金になっていきます。塩野さんも言われていますが、まさに諸行無常。

13巻を読んだのは10年近く前のようです。私にとってのこの10年は大きく、おそらく当時もそれなりにワクワクしながら読んでいたとは思うのですが、今の方が吸収力が違います。人間は、経験を積むことで視野も吸収力も広がるのだろう、と思っています。

まだ、ディオクレティアヌスの時代の半分が終わったところですが、13巻の後半では、キリスト教の振興に多大な貢献をしたコンスタンティヌス帝の時代が描かれます。非常に楽しみ。


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