細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

三連休の仕事

2021-01-11 10:20:54 | 人生論

明けましておめでとうございます。新年早々、不穏なニュースばかりが入ってきておりますが、少なくとも自分にできることはしっかりとやり抜いていきたいと思っております。今年もよろしくお願いいたします。

新年が明けてから、2~4日の三日間は、ほとんど仕事が手に付きませんでした。本来はいろいろとやらなくてはならないことが溜まっていたのですが、どうにもモチベーションを上げることができず、そのときの自分なりに過ごしました。。。「抜く」ことも、いずれ訪れる繁忙期のために必要な休暇かと。。。

5日から実質的な活動が始まり、6日は研究室ゼミや会議等で強制的に忙しくなり、7日からは講義も始まりました。やはり仕事があることで、強制的に気が引き締まり、ペースが立て直ります。

1月の三連休は、日本コンクリート工学会(JCI)の年次論文集の締切りの直前であることが多く、仕事をしているイメージが強いですが、今年は締切りが1/12(火)に設定されたため、三連休と完全にぶつかりました。それはそれで、事前から分かっていることなので、早めに準備すればよい、という話なのですが、

今年は、なんと、1/9(土)~1/12(火)に4回、合計11時間の英語でのConstruction Managementの講義を、ベトナムのホーチミンの大学の大学院プログラムに対して提供することになり、現在、その真っ只中です。。。受講生は7名なのですが、フィリピン、インドネシア、ミャンマー、ベトナムの学生たちで、このエッセー執筆時点で2回分(6時間)が終わったところです。そして、後半の1/11(月)と1/12(火)は、現地は平日で働いている学生もいるとのことで、なんと日本での開始時刻が20時で終了が22時半、という朝型の私には過酷な条件。

1/9に講義を開始する前は、講義資料の準備もあるし、それなりに憂鬱だったのですが、やはり始まってみると、学生たちと対話しながらの講義は楽しい。学生たちは実務経験のある人が少なくなく、質問もそれなりに活発なので、いざ毎回の講義が始まると、あっという間に数時間が終わってしまいます。

今回の11時間でのテーマは、以下のような感じ。
・インフラの本来の効果は何か?(ストック効果)
・真に耐久的なコンクリート構造物を構築するためにはどうすればよいか?
・高性能の材料(自己充填コンクリートなど)を適切に活用していくためにはどうすればよいか?
・"Conpceptual Design"(構想設計)とは何か?
・山口システムの本質とは何か?
・維持管理から新設構造物への設計・施工へのフィードバックの重要性
・技術者の果たすべき役割とは?

これらのついて理解を深めていくために、講義をし、議論をし、最終回には学生たちに興味のあるテーマを選んでもらい、プレゼンをしてもらいます。

今日は三連休の最終日ですが、夜の8時から第3回目の講義。山口システムのベースはすでに教えた(温度ひび割れのメカニズムも含めて)ので、さらに深いところに入ってみたいと思います。また、今回のシリーズから、私としては新ネタもいくつか加えており、「総価一括契約方式」(日本でいまだに主流)の害にも触れながら、なぜ自己充填コンクリートが普及しないのか、なぜ杭の施工不良が生じたのか、など建設マネジメントの第一人者の草柳俊二先生から学んだエッセンスも少し盛り込む予定です。

この三連休はほとんど仕事している状況になっていますが、上記のように、「面倒くさい」と思いがちな、臨時の国際講義であっても、結局は自分自身のスキルの向上につながることもあるし、意欲の高い受講生がいれば、結局は教師としての血が騒いでしまいます。

そして、問題の1/12が締切りの論文ですが、今回は合計で5本の論文を投稿予定です。ポスドクや博士課程の留学生、合計3名がそれぞれの論文を執筆してくれており、これらはほぼ内容が固まりました。私の年明けのスケジュールを事前から伝えていたので、早めに執筆を進めてくれていたおかげです。優秀な学生たちに支えられていることに感謝です。修士1年の日本人学生も卒論の内容を投稿予定で、これも固まっています。

最後は、私自身が久しぶりに筆頭著者でこの論文集に投稿する原稿ですが、何とか時間の合間を見つけながら執筆に取り組んでいます。NATMトンネルの覆工コンクリートの養生システムの技術開発に関する論文で、予定のタイトルは「小径バルーン構造による養生システムを用いたトンネル覆工コンクリートの養生効果の調査」です。今日の夜の講義の開始前に、8~9割くらいまで仕上げることを目標にしています。。。

始まる前は、やや心配な三連休でしたが、国際講義により否が応でもテンションとモチベーションを引き上げられ、結果的には仕事で充実した期間となりそうです。。。つくづく、仕事人間であることを感じます。。。働けるうちが花、ですよね。