細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

土砂災害の動画

2014-12-14 21:50:36 | 教育のこと

明日、12月15日(月)に広島県福山市の鞆中学校(ともちゅうがっこう)で防災授業を行います。

土砂災害の防災授業を行いますが、その中で使用する動画を、ここに掲載します。

地すべり 

土石流
 土石流を軽減するための砂防えん堤の実験 

崖くずれ 

国土交通省の動画なので、皆さん、防災教育や、地域防災の向上のために有効活用してください。

横浜国立大学 細田 暁 


研究者たちとのコミュニケーション

2014-12-14 10:19:08 | 研究のこと

変わらず、教育と研究にどっぷり浸かった生活を続けさせていただいております。周囲の皆様のご協力、ご支援のおかげです。心から感謝いたします。

12日(金)の午前2時間と、昼食後の1時間は、土木学会にて少人数の研究者たちとミーティングをしていました。コンクリート構造物の表面からの表面吸水試験や、表層透気試験等も活用しての品質評価についての濃厚なディスカッションで、まさに最先端の専門家たちとの議論ですので、非常に刺激的で勉強になります。

午前の時間は、私が主査を務める会合ですので、当然に私がマネジメントをします。 私の基本方針は、わざわざ時間を割いて集う方々がWin-Winの状況になるようにその時間を活用すること、です。もちろん、私もその時間を過ごすことで多くのことを吸収させていただけます。集まるのが楽しくなるので、次回もやりたくなる。そういう会合にすることが私のやり方です。

この午前の2時間で、とりあえず私の聞きたいこと、疑問はすべてぶつけ、議論をしました。関連する研究を行う私の指導学生たちもオブザーバで参加していたので、大変に勉強になったと思います。しっかりと咀嚼して研究を前進させてもらえればと思います。

昨日、13日(土)の夕方にも、三人で勉強会。場所は東大工学部の一号館の部屋をお借りしました。この日は表層透気試験についておそらく日本で最も詳しいであろう研究者と、我が国のセメント化学の第一人者との情報交換会。私はセメント化学については赤子も同然の素人ですが、私には私の強い点がありますので、これらトップレベルのエンジニア、サイエンティストとでも十分に議論は成り立ちます。

2時間15分間の濃厚な情報交換の後、本郷三丁目近くのワインバーにて質の高い懇親会。ワインが趣味のサイエンティストにいろいろとワインのうんちくも教えていただきながら、刺激的な会話を楽しみました。私も、突破力のある研究者として期待されているんだな、と決意を新たにさせられる楽しい時間でした。

さて、今日は、夜に広島県の福山で、明日の鞆中学校での防災授業の準備会議を行えるよう、早朝に自宅を出て西に向かっています。名古屋で途中下車をして、伊勢神宮にお参りです。明日の防災授業の前の午前には、鞆中学校で全学年に対して英語の授業を合計3回行います。実践的な英語力を身に付ける方法も楽しくお話ししますが、日本の魅力に気付いてもらうことも私の重要な役割です。そのために、伊勢神宮でいろいろなことを感じ、精神面でオーラをまとった状態で中学校に入っていきたいと思っています。

今夜の福山での、防災授業を充実させるための議論も、最前線の研究の議論です。防災授業を充実させるための議論を、中学校の校長先生らと熱血にできる、という人のつながりが素晴らしいと思います。

私がありきたりの防災授業をするわけがない、とは皆さん思われるでしょうが、12日(金)の夜に担当学生の三鼓君(学部4年)が提示してきた防災授業の彼の担当箇所の内容は、私には全く受け入れられないものでした。

鞆中学校の生徒たちが、自分の住む地域の土砂災害のリスクをしっかりと認識する、というようなレベルで防災授業が終わっては、私にとっては何の意味もありません。それこそ、世の中にありふれた、ありきたりの防災授業です。リスクの認識を高いレベルでしてもらうことができれば、世の中のありきたりのレベルよりもはるかに高いとは思いますが、私の狙うところはそのような次元ではありません。

鞆町の避難所は、現在、すべて土砂災害の危険箇所の範囲内にあります。論外の状態です。

(1) 土砂災害、その他のあらゆる災害をも勘案して、適切な避難所を複数決定すること、これがまず第一です。これも、今回の防災授業を最大限に活用し、年明けから始まる公民館と連携しての住民を対象とした防災セミナーで案を確定させていくつもりです。

(2) そして、いざ、土砂災害の警報が出た場合、警報が出る前段階に至ったときに、それらの避難所に、被災する可能性のある住民たちがすべて、適切に避難する状態になること、が目的です。

上記の(2)を達成するためには、いくつもの障害があろうかと思います。事前に想定できる障害は、さっさと防災授業の早めの段階でオープンにして共有し、ではどうすればそれらの障害を乗り越えて、(2)を達成できる道筋を作れるか、ここがポイントです。

非常に短い、限られた時間ではありますが、聴講する中学生には主体的にアイディアを出して議論してもらえうよう、防災授業のやり方を改善する議論を直前まで行うつもりです。

防災授業には、父兄の方々も来られるようですし、公民館の方々、さくらホームの羽田さん、教育委員会、山口県の砂防課、新聞記者等も参加されますので、それらの方々も巻き込んだクリエイティブな議論をマネジメントしたいと思います。

トータルマネジメントは私が行いますが、その中の具体的な仕掛けを、三鼓君に頑張ってもらおうと思っています。

学部4年生にとっては高い高いハードルかもしれませんが、それでこそ研究です。

明日も楽しみです。