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雑草の日:教養の無さ

2022-01-04 06:29:09 | 日記
歌の肝

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
と言いながら令和4年のお初に登場するのは雑草ではなく樹木。
バラ科 ヤマブキ属 ヤマブキ です。

 私にとっての昨年の植物絡みの最大の謎、それは春に目にしたヤマブキの
実でした。
黄色く花咲いた後に実がついているのを見た記憶があるのです。
 何だか変だな、そんな気がしたのですが探求心の薄い私の関心はその瞬間が
ピーク、すぐに忘れてしまいました。
 その後ずいぶん経ってから、ヤマブキの花と実の関係を詠んだ歌の話を思い
出しました。
蓑を所望されたが家には1枚も無い、困窮したそんな状況をヤマブキの花を
通じて詠った話です。
ヤマブキには実がつかないのがこの歌の肝、では目にしたのは何だったのか。

 ウォーキングの何時ものコースのどこかで見ているので、その気になって
調べればすぐに現地を確認できる。
 そう思ったのですが時間の経過は恐ろしいもの。
実がついていたと思われる生け垣は特定できたのですが、肝心の実の形跡は
見つかりません。
 あれは幻だったのか、何かの見間違いだったのか。
年が明けても気になる不思議なできごとでした。

道潅との違い

 <七重八重花は咲けども山吹の 実のひとつだになきぞ悲しき>
こう歌を聞かされたのは江戸城を築城したとして知られる太田道灌。
 <鷹狩に出かけたところ突然の雨に遭った道灌は近くの農家で雨具を借りよう
とした。
応対に出た少女は何も言わずに山吹の枝を差し出した。
怒った道灌が城に帰って家臣に話すと、貸せる蓑が無いことを実の無い山吹に
託したのだと教えられた。
無学を恥じた道灌は和歌の勉強に勤しんだ。>(ファレンス協同データベース より)

 この話には後日談があるそうで。
<その時の少女は「紅皿」という実在の人物。
京のそれなりの武家の出で和歌に造詣が深かった。
この歌の縁により後に道潅に城に招かれ歌の友となった。>(岡田広之 より)
 昨年のウォーキング中に目にしたヤマブキの実が、実は普通はあり得ない、
とてつもなく貴重なものだったことが判明したのです。
だけどこの話にも後日談がありました。

 <ヤマブキには一重咲きと八重咲とがある。
八重咲は古くから日本にある種で平安時代には既に庭に植えられていた。
八重咲はオシベが変化しメシベが退化しているので結実しないが、一重咲は普通
に実がつく。>(花と緑の図鑑 より)
 そんな話は初めて知りましたが、ちょっと植物をかじった人には常識中の常識
なのだとか。
 太田道灌は己の無知を恥じ精進して歌道を極めました。
無知を恥じない私は年の初めに人様にひけらかしておしまいです。

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