国語のおさらい：瀬古選手の優勝

メジャーな言葉

　５０音からたったのふたつを抜き出して繰り返す。
たとえば「せ」と「こ」
その順番で繋げれば「せこせこ」となり、逆にすれば「こせこせ」のでき上り。
　同じ文字を並べたのだから意味するところも同じになりそう。
それぞれを口にしてみると共に威風堂々とは真逆の似た雰囲気が漂いますが、
どこかに微妙な違いもありそうな気配。
今週はこのふたつの言葉の使い分けなどをおさらいします。

　いつも通りに先ずは辞書で意味の確認を。
ところがせこせこは何処を探しても見つからず。
　一方のこせこせは＜①気が小さくて目先の小事にいちいちこだわって動き
回る様子　②狭苦しく雑然としていて、ゆとりのない様子＞（新明解国語辞典
　より）とありました。
　ネットの辞書では両者それぞれこう解説されています。
＜せこせこ：せこくてケチであると感じられる状況のこと。
特定の人の行動や態度などがせこくてケチであると思えるシーンで使う言葉。
こせこせ：小さいことにこだわり気持ちにゆとりが感じられない状況のこと。
特定の部分に関して執拗にこだわるあまり、落ち着きが感じられない場面で
使う言葉＞

　違いがありそうにも無さそうにも思えるふたつの言葉。
前者はせこくてケチな態度が前面に出て、後者はどうでもいい様な事柄への
執着が主体。
　そんな風に理解しましたが、実は両者にはそれとは別の大きな違いがあるそうで。
＜似ているが意味に若干の違いがある。
それ以上に大きいのは知名度。
せこせこは使う機会がそれなりにあるが、こせこせはあまり使われずない。
こちらはメジャーな表現ではない＞（違いSite　より）

例文作り

　せこせこがメジャーでこせこせはマイナー。
これはちょっと驚きです。
新明解国語辞典にメジャー級が欠落して、マイナー級が堂々と載っているとは。
このへんの事情に関して答えを探しましたが何も見つかりません。
　でも馴染があるのに辞書に載っていない言葉は結構あるのだとか。
＜しなる、黄昏る、架電、肉球、再試合、業界用語、援助交際など＞
（人力検索はてな　より）
　アンパンは載っているけれどメロンパンは無し。
こせこせは載っているけれどせこせこは無し。
そう納得するしました。

　最後にふたつの言葉を使った例文を作って今週のおさらいのまとめとしましょ。
先ずはせこせこから。
「せこせこしたところ無く巨費でシューズを作り、フルマラソンで優勝した
瀬古選手」
　次なるこせこせはメジャーな存在でないだけあって、ちょっと悩みます。
「伴走車から『箱根の山を越せ越せ』とこせこせした動きで怒鳴りまくる鬼監督」
　うーん、この出来ではおさらいの成果はありません。