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スズメガは速さと正確さ、どちらを求める?

2016-10-26 06:25:33 | 日記
高速飛行のスズメガ

 蛾と蝶の見分けつきますか?
良く似たもの同士なので難しいですね。
一般に胴体が太くて触角の先端が尖っている、あるいは櫛状になっている物は蛾、
身体全体がスマートで触角の先が膨らんだ棍棒状の物が蝶、と言われています。
 もっと簡単に羽の模様が汚いのが蛾、綺麗なのが蝶、更に大雑把に、夜飛ぶのは
蛾、昼飛ぶのは蝶、と乱暴な言われ方もしています。
 大方当たっている気がしますが、先日目にしたのは例外が重なった「昼に飛ぶ
きれいな『蛾』」でした。

 一瞬蜂かと思う程に素早く花から花へと飛び回っていました。
大きさがキイロスズメバチと同じなので瞬間ドキッとしましたが、よく見ると
スズメガの仲間で一安心です。
 飛行しながらストロー状の口吻を紫色の花に差し込みます。
これが一瞬の早業で、しかも空中に留まったホバリングの状態で繰り返すのです
から驚きです。
 こちらの花に口吻を刺すとすぐさま抜き去り、次の花を目指します。
長い場合でも恐らく1秒も差し込んでいないでしょう。
慌ただしく次から次へ、しかも同じ花には二度と行かずに効率良く蜜を求めて
飛行しています。

 羽ばたきが早過ぎて羽の色も模様も全く分かりません。
ただ胴体の派手な模様だけは見えました。
これを手掛かりに図鑑を開いて調べましたが、とうとう同定出来ませんでした。
 何しろスズメガには1200もの種があると言われています。
しかも図鑑に載っている写真はどれもが見事に羽を閉じた物ばかり、広げた時に
見えた模様は隠されてしまって調べる術がありません。

天は二物を与えず

 羽と言えばスズメガを特徴づけているのは、その三角翼の様な独特の翅です。
4枚の翅は胴体には不釣り合いな小さな三角形をしています。
これがハチドリを思わせる高速飛行を可能にしている源です。
 航空機でも超音速飛行機の主翼はデルタ翼と呼ばれる三角形をしています。
この形は低速での性能は劣りますが、超音速になった場合飛行性能を飛躍的に
アップさせます。
 スズメガはこの三角翼で時速50kmを叩きだします。
素早く見えるハエでも時速10km未満、スズメバチが30~40km、日本の
蝶の中で早い部類のイチモンジセセリが30km、それらと比較するとスズメガの
スピードは群を抜いています。

 速さとくれば次は正確さ。
企業の採用試験でも「速さと正確さ」は付き物です。
速くてかつ正確ならば言う事無しですが、大抵はどちらかに偏る物。
 でもスズメガは両方を兼ね揃えています。
花壇のこちら側の花を素早く一周すると、次の瞬間にはもう向こう側の花々を
突いて次々と蜜を集めています。
その動きには無駄も無ければ間違いもありません。
 そして再び素晴らしい速さで私の目の前に戻って来たスズメガ、そこにある紫色の
花に口吻を差し込みました。
おいおい、その花はさっき吸ってたぞ。
褒めた途端に、速いけれど正確さには難がある個体が姿を現しました。

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