あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

身近な生き物:天敵は小学生

2023-08-30 06:29:49 | 日記
賢い虫

 森林公園の歩道にちょっとした異変。
アスファルト路面に散乱したクヌギの枝に目が止まりました。
いずれも青々した葉が付いた20cm程の枝先です。
 前日に台風じみた強風が吹き荒れたわけではないし、造園業者が作業
した形跡もなし。
数多の枝先が散らばっているのは、ちょっとした異変です。
 4日後に同じ場所を歩くと落ちた枝先の数は更に増えていました。
思いついて、全ての枝を足で蹴って脇に寄せました。
路面には何も落ちていない状況です。
 そして昨日のこと。
そこを歩くとまたも枝先が道幅いっぱいに転がっていました。
数えてみると3メートルほどの間に32個。
いったい誰が何の目的で短期間にこんなことをするのか、謎です。

 検索すると「ハイイロチョッキリ」の名前が出てきました。
<長い口吻をドリルの様に使いドングリに穴を開けて卵を産み付け枝を切り
落とす。
孵化した幼虫はドングリを食べて成長し、やがて土に潜って蛹になり翌年
羽化する。>(相模原市立博物館の職員ブログ より)
 この情報を読むとハイイロチョッキリの思惑に悩みます。
大事な卵を産み付けたドングリは樹上に置いていた方が安心。
ハイイロチョッキリの天敵が何かは知らないけれど、わざわざ地上に落と
せば危険が増すのは確かです。

 <植物は虫害を受けると卵や幼虫の生長を阻害する物質を出す生態防衛
反応を示す。
ハイイロチョッキリはその影響を受けない様に枝ごと切り落とす。>
(しろうと自然学者の自然観察日記 より)
 行動には理由がありました。
更に驚いたことにハイイロチョッキリは卵を産み付ける場所まで知っていました。
<一般的なドングリは殻斗のある側の方が柔らかくタンニンなどの毒性も
低いので、必ずこちら側を食害する。>(いきもの図鑑 より)
 おバカな虫かもと疑った私が馬鹿でした。

小学生の創意工夫

 写真を見ると成虫は軟毛が密生したゾウムシに似た姿。
体長は7~9ミリだといいますが、実物を見てみたくなりました。
枝先が落ちていた頭上の樹々を探ればきっと見つかる筈。
そう思って樹肌を眼で追いましたが全く気配がないので諦めました。
 <枝が落ちている木の下にビニールシートを敷き、木を蹴って捕らえた。
8本の木から合計4匹の成虫をゲットした。>(シゼコン より)
これは小学生の観察記録からの抜粋です。
 目的のために工夫をする賢い子供は、ハイイロチョッキリにしてみれば
恐ろしい天敵。
それに対して工夫も努力もしないでクヌギをちょい見して立ち去ったオヤジ
は人畜無害なただの通りすがり。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雑草の日:冬の同定 | トップ | 国語のおさらい:ウォッカの... »

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事