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身近な生き物:海水スイスイ

2024-05-29 06:29:19 | 日記
海を渡る

 森林公園の歩道の脇にしゃがみこむ親子連れを発見。
ちょろちょろ流れる沢の落ち葉をまさぐっている様子はきっとサワガニ探し。
ここは年中サワガニに出会える場所で、親指の爪程の小さな奴から横幅
が小指の長さほどもある立派な個体まで様々。
親子がいなければ私自身が落ち葉をどかして今春の成長具合を確かめたいもの。
でも邪魔になりそうなので今日のところは遠慮しておきましょう。

 サワガニと言えば去年の地元紙に面白い記事が載っていました。
<大昔に屋久島などから黒潮に乗ったサワガニが伊豆半島や房総半島に漂着し、
その後日本各地の渓流などに分布を広げた>
 信州大などの研究チームが遺伝子の解析を行って分かったそう。
近所の沢に棲むサワガニが遠くの屋久島出身の末裔とは予想外の話ですが、
それ以上に驚くのはサワガニが海を渡った事実。
てっきり海水に浸かれば即死すると思っていました。

淡水と海水

 濃度の異なる液体が触れあった場合に、薄い側から濃い側に移動する働き
が浸透圧。
 塩分濃度がほぼ0%の淡水に棲む淡水魚の体液濃度は0.7~0.9%。
塩分濃度が3.5%の海水に棲む海水魚の体液濃度は一般的に1.5%。
だから淡水魚が海水に浸かれば体の中の水が外に流れ出してしまうし、
海水魚が淡水に入れば水がどんどん体に流れ込んでしまいます。
 そんな逆境でなくても油断はできません。
淡水魚が棲む淡水は塩分濃度が低いので放っておけば体は水浸し。
海水に棲む海水魚は周りの塩分濃度の方が高いのでこちらも放置すれば
干からびてしまいます。
そうならぬ様に魚たちは自己防衛をしています。
 <淡水に棲む淡水魚は水分過多にならぬ様に尿で水分を排出している。
海水に棲む海水魚は水分不足にならぬ様に海水を大量に飲む。
塩分過多で死に至らぬ様にエラと尿を使って塩分を排出している>(ととクル より)

 こんな努力をして魚たちは棲む環境に合わせて生きています。
それは他の生き物にとっても揺るぎない掟かと思っていたのですが、サワガニ
はそこを平気で踏み外しています。
 <実験の結果、海水と同程度の塩分濃度でもほぼ全てのサワガニが問題なく
生存することが判明した。
2週間が過ぎても高い生存率を示した>
 もっと凄い能力も確認されたそう。
<海水と淡水を行き来するカニは普通、川が海に流れ込む汽水域で暫く体を
慣らしてから海に下る。
ところがサワガニは順応期間なしでいきなり海水に入っても平気>
(ほとんど0円大学 より)
 馴染の深いサワガニは、知らぬことだらけの奥の深い生き物です。



コメント
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