いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

秋のタイ

2011-08-28 07:32:07 | タイ
さて、朝晩が今までと違い
秋の気配が感じられるようになってきましたね。

服飾の秋はもうすぐです。

さて、そんな秋に向けて
バタクハウスカットでタイを購入しました。



深~いパープル色のタイです。



柄はヘリンボーン。
一目見て気に入ってしまいました。
とても肉厚でノットにもボリュームが出るタイです。

このタイ
生地がとっても風合いがあります。
実は微妙にかすれた様な色合いになっていて
ヴィンテージ感がある織りになっています。



ネイヴィーのスーツとかに合わせると
とても渋~い感じなる
大人のタイですね~。
又、明るめの茶系のスーツなどに合わせると
ちょっと落ち着いたエレガントな感じになるのでは?
と思っています。

そして下の写真のダブルブレストの3Pスーツ。
先日バタクハウスカット梅田阪急店で
ディスプレイされていたモノ。

生地はバタク別注のスリーエステイト。
スリーエステイトというと
ツイードというイメージがありますが
実はこの手の生地も
中々良いです。

一見ネイヴィー
よく見るとグレナカートチェックという
ここのミルの生地のスーツを以前オーダーしましたが
英国物らしい
目の詰まった生地になっています。

しかし、茶系のグレナカートチェックって
意外とありませんよね。

思わずオーダーしたくなる生地です。



さあ。もうすぐ秋。
服飾好きの季節がやってきますね~。



クロコへ

2011-08-27 05:34:13 | 時計
先日購入したBell&Ross
時計ベルトを早くも交換しました。

元々はカーフのベルトだったのですが
これが一番奥で締めても
大きく、ひとつ穴をよけいに開けたのですが
それでもやや大きい、、、

ということで
ベルトを交換することにしました。

元々カジュアル用ですが
時々スーツにもしたい。
となればやはり
ちょっとドレッシーな物が欲しくなりますね。

そこで購入したのが
下の写真のベルトです。



そう、クロコですね~。

これだとスーツにしても
なかなかです。

このベルト純正ではありませんが
ちゃんと純正のバックルも
使える仕様になっています。



サイズもジャストサイズですね~。
このベルトであれば
スーツにしても
まあ許されそうです。

さて、そろそろ夏も終わりです、、、

これからは
革のベルトの出番が多くなりますね。

ちょっとハズシになるかもしれませんが
装いのアクセントとして
オンタイムでも
この時計、時々してみたいと思います。





理想のガーメントケースとは

2011-08-21 05:45:13 | 
このところ、冠婚葬祭や出張で
ガーメントケースを使う機会が多くなり
以前のペラペラの安いモノでは不安になり
ガーメントを購う事に。

本当は革製のガーメントケースが欲しかったのですが
愕然とする現実が、、、

この冒頭のガーメントケース
新宿の鞄専門の老舗で購入しました。
価格は1万をきる価格で
とてもリーズナブルなのですが
なかなか良く出来ています。

中は下の写真のように
ポケットも豊富で
スーツは2着まで収納可能。
ファスナーも上下どちらからでも
開閉出来るようになっていて
とても便利です。



しかもキャリーケースにもセット出来るよう
こんなベルトが付いた構造になっています。



生地もしっかりとした厚手のモノで
ナイロン製なので雨もはじき、そして軽い。
持ち手はしっかりした革製。
まあ、実用面ではまったく問題ないモノ。
というより寧ろ
これ以上何を望むのか、、、

しかし、しかしです。
やはり革製のガーメントが欲しいのです。

しかしこれが探してみると
まったくと言っていいほど
見当たらない。

というよりガーメントケース自体
置いてあるところが少なく
置いてあっても種類はごく僅かという状況に
愕然としました。

銀座、日本橋、丸の内、新宿、渋谷近辺の
セレクトショップ、百貨店、路面のブランド店
鞄専門店を回りましたが
全滅です。

唯一見つかったのはこちら。

このガーメント。
確かに革製らしいのですが
3万以上の価格の割には
革質があまりにもプアな感じです。
ちょっとビニールのような。



そして、こちら。
エルメスのバーキンに非常に似た
リーズナブルなバッグを出している
イタリアのメーカーのモノ。



価格は15万以上!!ですが
ちょっとデザインが違いますね~。

そしてこちら。
イギリスのタスティングのモノですが
作りは非常に良いのですが
革質が靴のライニングと同じ材質とのこと。
クラシックではなく
カジュアルですね~。
惜しいです、、、



その他は全くと言って良い程
革製のガーメントケースはありません。

ヤフオクやeBayもチェックしましたが
う~ん、今ひとつです。

望むべくは、冒頭の写真のタイプで
革はブライドルレザー
内側はシルクサテンとかだと
理想的です。
重くても良いのです。

やはり、ガーメント自体の需要が減っているのでしょうね。
お店に回っても
革製のガーメントは、ここ数年扱っていないというのが
お店の回答。

特に老舗系のお店では
「昔は色々あったんだけどね~」と
言われます。
信濃屋の白井さんにも
「うちも前はタナー・クロールとか
 いいのあったんだけどね~」とのこと。

う~ん、その時代に
タイムマシーンで行ってみたいですね。

こうなるとガーメントケースも
ビスポークの時代なんでしょうか、、、
う~ん、どなたか素敵な革製ガーメント
ご存知の方がいらっしゃたら
お知らせ下さい。



鞄エイジング 一挙レポート

2011-08-20 05:28:05 | 
さて、鞄エイジングの一挙レポートです。

革の鞄がお好きな方は
とても気になるエイジング。
それが購入検討中の鞄なら
尚更ですね。

さて、今回は主立った鞄5つの
エイジング状況をお知らせしたいと思います。

毎年、2回/年、鞄を大掛かりに
メンテします。
まとまった時間が取れる
夏休みと冬休みが多いですね。

ではまず一つ目の鞄から。
大峡製鞄でビスポークした細マチのダレスです。
靴の色と鞄の色を合わせている私は
黒の靴が少ない事もあり
余り登場機会のない鞄です。
よってエイジングの状態も余り
変わっていないですね。
特にメンテの必要も感じないので
今回は乾拭きだけして仕舞こととしました。





そして同じく三陽山長別注大峡製鞄サンタクローチェの
オーバーナイトケースです。
この鞄、大阪出張の時は必ず使っています。
結構重いのですが使い勝手は非常にいいです。
サンタクローチェは傷が付きやすい反面
乾拭きを繰り返すだけで傷が自然と消えて行く
趣深い鞄です。





この鞄、大峡製鞄にメンテ方法について問い合わせたところ
重厚な(諸兄で始まる、大峡イズム溢れる)文面で回答があり
水拭きと乾拭きだけにしてくれ、とのこと。

アドバイスの通り
水拭きと乾拭きだけに
今回はとどめました。



少し艶が深まったようですが
この革の魅力はもっと使い込むと
飴色になり、艶が更に増すことです。
まだまだ革の状態は若いですね。
この鞄、一番職人という方しか作れない為
度々製造中止になります。
購入を検討されている方は
早めの購入が吉かもしれません。

そしてスウェイン・アドニーのダレスバッグです。





この鞄は当初は良く使いましたが
やや大振りなせいもあり、最近は登場機会が
めっきり減りました。

エイジング状況はやや傷が増えた位でしょうか。
鞄の傷をとても気にする方がいますが
傷もエイジングのひとつで
時間が経つと
それなりの味わいになると思います。

さて、先ずはこの鞄からメンテを
していきます。

今回メンテで用意したのは下のクリーム類です。



実際に使ったのは手前の2つです。

先ずはスウェイン・アドニーのダレスに
手前右のホワイトハウスコックスのブライドルレザーフードを
指で塗っていきます。



テカテカですね~。
この状態で縦横にブラシをかけ
一晩置きます。

そして丹念に拭き取ります。
この拭き取り、結構大変で
根気のいる作業です。





自然な感じで少しだけ
艶が増えました。
使う度に乾拭きを繰り返すと
かなりいい感じに
エイジングしていくと思います。

さて、万双のダレスバッグです。
最も活躍しているバッグです。
ダークオークの色が合わせやすく
そして意外に何でも入ってしまう
収納力の高さ。
そして他のバッグに比べると軽いというのも
登場機会の多い理由のひとつだと思います。

一度だけ持ち手の金具が壊れるトラブルがありましたが
対策部品に交換してからは問題ありません。





既に大分艶がでていますね~。
普段は時々乾拭きするだけです。
これもスウェイン・アドニーと同じ方法で
メンテします。





大分艶が深まり
傷も目立たなくなりました。
これで暫くは安心です。

そして最後にインディードの細マチダレス。
ってどれだけダレス好きなのか、、、

これ鞄、大変に酷使されています。
まずこの鞄、雨の日専用です。
何故かこの鞄、ガンガンエッジを
ぶつけられます(わざとではありません)。

そしてこんな状態に。







いや~共に戦う戦士ですね~。
全体的に艶も落ち気味。
開閉の部分は爪のひっかき傷。
裏のポケットの淵は、すれて色が落ちています。
そしてエッジも。

この鞄にはクリーム類手前左の
コロニル プレミアムディアマントを
塗りました。
保革防水の機能がありますが
植物成分で出来ているので
鞄に優しいクリームです。
そしてエッジの色のはげたところには
靴用のコバインキ。
さらにコバインキを塗ったところには
ブライドルレザーフードを塗り
より色落ちしにくいようにします。

拭き取った後には
仕上げで防水スプレー。



そして出来上がりが
こちらです。









とても、奇麗になり
生き返りましたね~。
又、半年間宜しくです。

さて、これに新しくハートマンの鞄
加わりました。
エイジング状況は次回から
ご報告したいと思います。

買った後も愉しめる
鞄はやはり革に限りますね。



私の愛するモノ、こだわるモノ。

2011-08-19 05:29:06 | その他
毎年8月になると、落合先生の命日が
今年もきたな
年月は随分早く移ろうものだと思います。
2006年8月7日から既に5年。
私にフランコプリンツィバリさんを
巡り会わせてくれた先生
そして、服飾の面白さを教えてくれたのが
落合先生です。

さて、夏の図書シリーズ最後は
やはり落合先生の本
「私の愛するモノ、こだわるモノ」(世界文化社)です。

サブタイトルに
「What is Elegance?」とあります。
落合先生がいつもこだわっていた「Elegance」。
イタリアでは日本に比べ
装いに対するチェックが厳しく
一瞥して相手の服装が
「Elegance」か否かを判断され
それなりの対応をされてしまうとのこと。
常に「Elegance」に気を配っていた
落合先生のスタイルが窺い知れます。

さて、この書は既に先生の没後のもので
Men's Exの「エレガンスへのこだわり」と
LEONの「落合正勝の箪笥の中身」を
取りまとめたものです。

非常に上手く編集されていて
単なる寄せ集めではなく
1冊の本として
読み応えのある内容となっています。

特に序章の
「ブランドの思想とスタイル」の中で
熱心な読者に銀座で声をかけられ
「ブランドが多すぎて、
 何を基準にすればよいかわからない」という
質問に対して落合先生は明快な回答をしていて
一気にこの本に引き込まれます。
(特に落合先生好きには)

又、



「ブランドの選択は基本的には自分で試みるべき作業なのだ」



という一文に服飾評論家でありながら
商業ベースだけにとらわれない
落合先生のスタイルも垣間見えます。

落合先生の書斎の写真が掲載されていたり
愛用品の数々
そして自宅玄関の特製の靴棚など(圧巻です!)
貴重な写真も掲載されています。

「ピンク・ゴールドのロレックス」や
「ルイ・ヴィトンのアタシェ」では
その入手の逸話から
そのモノだけが持つ特質などに触れていて
その素晴らしさに
嗚呼、と思わず唸ってしまいます。

筆記具から時計、鞄、靴
スーツ、ドレスシャツから
果ては、ぐい飲みまで。

落合先生が正に愛したモノ
こだわるモノについて
その一品、一品に対しての愛情と
そのモノ作りに対する
落合先生の尊敬の念も感じ取れ
正に落合イズム溢れる
興味深い一冊だと思います。

さて、既に新書は望むべく無いのですが
下のような本も出版されています。
帯とタイトルが少しミーハーなのが
気になりますが、内容は正に
落合先生の作品そのものですので
初めての方や、既に落合先生の本は
全て読んでしまった
熱心なファンの方には良いと思います。




私に色々教えて下さり
又、フランコ氏との
出会いを導いてくれた落合先生に
感謝すると共に
落合先生のご冥福を
心よりお祈り申し上げます。


英国王室御用達

2011-08-17 05:36:23 | その他
さて、私は夏休みも中盤。
普段出来ない事をひとつづつ片付けています。
LEGO落水荘の復旧(地震でバラバラに)や
色々なメンテナンスなど、、、

お盆も終わり今日から出勤という方も
いらっしゃると思います。
今日も猛暑との予報ですので
お気をつけて出勤してください。

さて、夏の図書シリーズ第2弾です。
今年6月に出版されたばかりの
「英国王室御用達」(平凡社新書)
サブタイトルに
「知られざるロイヤルワラントの世界」
とあります。
著者は長谷川喜美さんです。

さて、英国好きな方なら
このタイトルだけで思わず
書店で手が伸びてしまうのではないでしょうか?

英国好きの方が購入しても
充分満足出来る内容となっています。

まず、第1章は現在のロイヤルワラントの制度から
その歴史、そしてロイヤルワラントの
イギリス人の価値観など
非常に興味深い内容となっています。

日本では既に廃止された
高品質の証である宮内省御用達。
私には、やはりロイヤルワラントは
これとイメージがダブります。

しかし、流石、品質マネジメントシステムや
情報セキュリティマネジメントシステムなど
今や国際的な規格となっているISOやISMSの基を
作ってしまう英国らしく
ロイヤルワラントも詳細に条件や運用が
定められていますね。

そして第2章以降は
ロイヤルワラントホルダーの紹介として
ヘンリープールから始まり
ジョン・ロブ
ジェームズ ロック
果てはプレスタ(チョコレート)に及ぶまで
20以上のメーカーや老舗について
クラフツマンシップ溢れる
物作りについて紹介されています。



特にテーラーのヘンリープールとギブス&ホークス
靴のジョン・ロブ
鞄と傘のスウェイン・アドニー・ブリッグは
最も興味があるブランドでしたので
その歴史から物作りのポリシーまで
じっくりと読ませていただきました。

この本の中で紹介されている
色々な製品は
日本では単に商品として
捉えられてしまいがちです。
しかし、そこにはイギリスの階級社会と王室
そして、それらの層に必要とされる物を
伝統を守り、高度な技術で
誇りを持って提供してきた
老舗の姿が伝わってきて
改めて、これらの製品を見直した次第です。

ここで紹介されている
ロイヤルワラントホルダーについては
その歴史から物作りの工程まで
非常に仔細に調べられていて
長谷川さんのこの努力には
頭が下がる思いです。

とても内容が濃いので
特に英国好きの方には
必読の書かと思います。

さて、著者の長谷川さん
実は偶然にも私は
ライターの小松喜美さんとして
既に記事を拝読していました。

ANA機内誌の「翼の王国」2010年11月号。



タイトルは「ツィードの島」と題し



ハリスツィードについて
詳細に美しい印象的な写真と共に
掲載されています。

この記事を読んだ時
正直、何故無料の機内誌で
ここまで内容が深いのだろうと思いましたが
やはり、そこは著者の綿密で丁寧な
取材の成果だったのですね。

さて、そんな長谷川さんですが
先日、神戸ブランメル倶楽部東京分会で
初めてお会いしました。
これ又、美形の方で
最初お会いした印象は
どなたかの秘書か
もしくは服飾好きのキャリアウーマンの方?
と思いましたが、イギリスのクラフトマンシップの記事を
書かれているジャーナリストとのお話を聞いてビックリ!!
しかも自分が永久保存版としている
「翼の王国」の「ツィードの島」の記事を
書かれている方と知って
2度ビックリという次第です。

さて、話は戻りますが
普段、英国製品を使われている方は勿論の事
いつかは購入してみたいと思っている方
この本を読めば、更に理解が深まるとともに
既に愛用されている方は
更に愛情が深まりますよ。

オススメの1冊ですので是非!


ダンディズムの系譜

2011-08-15 10:51:59 | その他
今日から夏休みです。
何年かぶりの、お盆の夏休み
今年はゆっくり自宅で過ごそうと思っています。

普段は中々ゆっくり読書をする時間がとれませんが
今回はゆったりと、、、

さて、夏休みの皆さんに
特に服飾好き(でなくても、勿論かまいませんが)の方に
お勧めしたい本を何冊かご紹介したいと思います。

まず、第一弾は中野香織さんの
「ダンディズムの系譜」(新潮選書)です。



私が中野さんの著書を
紹介させていただくのは
畏れ多いですが、一ファンとして
掲載させていただくことを
お許し願いたいと思います。

「ダンディズムの系譜」
ダンディズムいやジェントルマン
(その違いは本書をご覧下さい)の源流から
ダンディズム列伝と題し
かのダンディと言われた伝説の男達の紹介
そして、最後に現代のダンディズム像として
オバマ大統領などをあげ
現代のダンディズムについて
再定義されています。

特に「ダンディズム列伝」では
絶対に外す事が出来ない
かのボー・ブランメルから
チャーチル英首相まで
記述はその装いだけなく、その行動様式にまで及び
ダンディズムがどのようにして確立し
そして世の認めるところとなったのかが
克明に記載されています。

その中でも
服飾好きな方は
ノエル・カワード
ウィンザー公ことエドワード八世
そして「007」ことジェームス・ボンド
については興味が
そそられるのではないでしょうか?

エドワード八世の王冠をかけた恋の相手
ウォリス・シンプソン夫人の逸話などは
女性ならではの鋭い視線で書かれ
思わず「う~ん」と
うなってしまいました。

さて、私の稚拙な文章力では
その魅力の一端もお伝えする事が出来ず
歯がゆい思いですが
一度、読み始めれば一気に読んでしまう
そんな力を持った、魅力的な本だと思います。

そして合わせて読みたい
「スーツの神話」(文芸春秋)



こちらは私が衝撃を受けた本でもあります。
ファションを文学にまで高めたこの本
中野さんの処女作でもあり
とても勢いのある文体で書かれています。

さて、中野香織さん
これらの本を読むと
とてもインテリジェンスに富んでいて
それゆえ、お話も固くて難しい話をされる方かと
思っていました。
しかし、実際にお会いすると
お話も面白く
そして、気取らない
とても優しい素敵な方でした。

普段の装いはコンサバ系
とても美人な方なので
エレガントな雰囲気をお持ちです。

明治大学の特任教授もされている
中野さん、非常に多忙かと思いますが
次なる企画も色々進行中とのこと。

愉しみが又、ひとつ増えました。


クラシッククラバット 盛夏仕様

2011-08-14 05:44:27 | タイ
クラシッククラバットの盛夏仕様です。
これもパーソナルテーラーでビスポークしたもの。

素材はヴィンテージのシルク&コットンです。
非常にざっくりした織りになっていて
正に今の季節にピッタリのクラバットだと思います。



このクラバット
色合いがとても素晴らしい。
赤紫色の濃淡
そしてエクリュの横ストライプに
緑色の濃淡。
全てアースカラーがベースとなっているので
とても優しい色合いになっています。

そして実は裏と表で色の濃さが違っていて
表が濃いめ裏が明るめになっていて
両方使う事が出来ます。



上の写真が表の濃いめの色で
冒頭の写真と比べると色の濃淡に違いがあるのが
わかると思います。

マドラスのクラバットと同じように
自宅で洗う事が出来
洗えば洗う程、生地が柔らかくなり
さらに優しい色合いになっていきます。

このクラバット
意外にコーディネイトしやすく
茶系のスーツだけでなく
ネイヴィーのスーツでも
奇麗に纏まります。

夏は見た目も涼しげで
ノータイのように砕けた雰囲気にならず
お会いする相手の方にも
失礼にならないと思います。

さて、気付けばビスポークした
クラバットもかなりの本数になり
特にクールビズシーズン中は
ノーネクタイの代わりに
クラシッククラバットを合わせるという
私のスタイル、職場では
すっかり定着したようです。

クラバットの一部ですが
本数も大分増えてきましたね。



しかしながら、こうしてみると
マドラス好きということを
今更ながら再認識した次第、、、





古代文様ベイズリーのポケットスクエア

2011-08-13 05:22:52 | その他
古代文様ペイズリーの
ポケットスクエアです。

いつもの銀座のパーソナルテーラーで
ビスポークしたもの。



素材はとても柔らかい織りのシルク。
恐らくヴィンテージのこの生地
アトリエで見た瞬間
ポケットスクエアにしたら
きっとステキだなと
直感的に思ったモノです。

我ながらペイズリー好きだと思います。
特にタイとポケットスクエアには
目がないのですが
実は本当に気に入るペイズリーは
生地の質感も含めて考えると
意外と百貨店やセレクトショップでは
見つかりません。

そんななかで見つけたこのペイズリー
実はとても凝った織りになっていて
私が心を惹かれた理由のひとつでもあります。

実はこのシルク、別の文様の
ペイズリーの地紋が隠してあり
ペイズリー模様が何とも不思議な感じに
立体的に見えるのです。



こういった生地は
あまり目にしたことはありません。

色合いは柔らかい緑色、そして黄金色
そして色調がはっきりしたこの茶色が
立体的な織りと相まって
とても優美な雰囲気を醸し出しています。

思わず装いが
今よりも、もっとエレガントであったであろう
1930年代を思い描いてしまうような
そんな力をもったペイズリーです。

この生地、恐らくイギリスから
持ち込んだ物ですが
その詳しい出自はわかりません。

分量があまりなかったので
ひょっとすろと
オートクチュール用の生地の余りだったのかも
しれません。

そんな想いを馳せるのも
パーソナルテーラーの愉しいところだと思います。

さて、仕立ては職人さんの
愛情溢れるハンドロール。



この手のペイズリーは
何にでも合わせやすいのが
良いところです。

アンダーステートメントに
そして、少しでもエレガントな装いになるように
コーディネートしていきたいと思います。




神戸ブランメル倶楽部東京分会

2011-08-07 05:57:55 | スーツ
昨日、代官山ヒルサイドウェストで
神戸ブランメル倶楽部東京分会が開催されました。

神戸ブランメル倶楽部×DANSEN(男子専科)
「鈴木健次郎とパリのテーラリング」
をテーマにオープンインタビュー形式で行われました。

出演者の方は
「フランチェスコ・スマルト」チーフカッターの
鈴木健次郎氏
元「男子専科」編集部員で現ファションディレクターの
青柳光則氏
そして服飾史家
われらがアイドルの中野香織さんです。

当日は夏らしい、非常に暑い日
ヒルサイドウェストはやや駅から離れているのですが
とても閑静な場所にあります。

私は代官山の駅から歩いて行きましたが
参加者の方は、この暑さの中でも
ビシッと決めているので
お互いすぐにわかるところが
面白いところですね。

さて、早めに会場に着くと
既に出演者の方は皆さんお揃いで
早速ご挨拶させていただきました。

さて、開始時間間近になると
会場は溢れんばかりの人で
大盛況となりました。

私は生意気ながら2列目に
陣取らせていただきましたが
最前列には
石津氏、穂積氏、畑埜氏、白井氏と
ファッション業界の重鎮の方が
着席されていたので
出演者の皆さんは、さぞ緊張されたのでは
ないでしょうか?

さて、オープンインタビューの内容は
あまり日本で知られていない
パリのテーラリングについてです。

中野さんの絶妙な質問が功を奏して
非常に興味深い話が展開されました。



特に感銘を受けたのは
鈴木氏が渡仏し人種差別が残るパリの
しかも最高峰メゾンである「フランチェスコ・スマルト」で
大変なご苦労をされてテーフカッターになるまでのお話。
正に「精神一到何事か成らざらん」そのものだと思いました。
まだ30代の鈴木氏
日本人がこういった形で世界で活躍しているのを
目の当たりにし大変誇らしく思うとともに
自分もがんばらねばと勇気づけられました。

そして、もうひとつ興味があったのは
スマルトのテーラリングです。
日本のテーラリングですと
モデリストやカッターの方と話をしながら
一人の職人さんが丸縫いする。
これがベストと思っていましたが
これに対し
スマルトは非常に細分化され分業化された
テーラリングとなっています。

この理由のひとつは
大量のオーダーに対応する為。
何とある顧客は1,000着/年を40年に渡って
オーダーし続けたとのことです。

これに対応する為に
必然的に高度に分業化し
その技術に特化することにより
生産性を飛躍的に高め
顧客の要求に応えられるようになったとのこと。
特にそういった大口の顧客は
納期の要求も厳しいとのことです。

そしてもう一つの理由は品質の均一化。
やはり、丸縫いしてしまうと
職人さんのスキルによって
大分スーツのクオリティに
(鈴木氏はスーツの顔とおしゃってました)
バラツキが出てしまうとのこと。
これを防ぐ為に分業化し各工程の品質を高め
現在のテーラリングの体制が出来たとの事でした。

アトリエの職人さんの数は約35名。
初めてスーツを作る場合は
仮縫い等が何度かあるので
3ヶ月位かかるとのことでしたが
一度型紙が完成してしまえば
それ以降のオーダーの納期は3週間。
何と凄い生産性です。
因にお値段は7,000ユーロから。
ご興味のある方はいかがでしょうか?

その他、五十嵐九十九氏の話や
ムッシュウ・カンプス氏の話など
興味の尽きない話題が展開されました。

いや~、今回のインタビュー
大変、面白かったです。
こういった会が定期的に行われると
日本の服飾に関する文化や意識も
大分変わっていくのではないでしょうか。

そして、その後は
パーティとなり、色々な方と懇親を深めることが
出来ました。
特に、Facebookでは友達でも
実際にお会いするのは初めてという方も
いらっしゃり、直接お話出来たのは
大変有意義でした。

2次会も六本木で行われ
愉しい時間はあっという間に
過ぎてゆくのでした、、、

さて、この時代
こういった服飾の文化を形成、熟成していくことは
非常に貴重で大切なことだと思います。

今後もより神戸ブランメル倶楽部が
盛り上がるよう、微力ながら
私もお手伝いしたいと思います。

最後に神戸ファッション美術館の学芸員の百々さん
フラワーコーディネーターの河合さん
石田洋服店の石田原さん
大変なご尽力をいただき
こんなに愉しいイベントを企画していただきまして
誠にありがとうございました。

次は秋のツイード ア ウォークですね。
是非、次回も参加したいと思います。