いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

盛夏のスーツ その2

2013-06-30 07:42:57 | スーツ
盛夏のスーツ その2です。
先日フランコさんが来日した時に、オーダーした物です。



生地は英国のBulmer&Lumbのもの。
三越伊勢丹が別注した生地で
本来オーダー用の生地ではなく
スペシャル企画として既製品用に作った生地ですが
無理をいって、この生地で作ってもらいました。

モヘアが28%入ったシャリ感のあるものです。
写真をみてもらうとわかりますが
向こう側が透けて見える様な織りです。
正に盛夏用に相応しい生地。



色はミディアムグレーのストライプ。
ストライプそれほど目立たないので
ビジネス用としても全く問題ありません。

これも2Pですので
前回VESTAでオーダーしたオッドベストを
合わせようと思います。

仕立ては以前の「盛夏のスーツ」でご紹介したのと同じ
レジュッリシモ仕様。
副素材を省きながらも、構築的なラインの仕立となっています。

夏用スーツも大分増えましたが
特に盛夏用スーツは消耗が激しいので
定期的に補充していこうと思います。

もうすぐ梅雨明けですね。
このスーツを涼しげに着こなす覚悟で
夏を迎えたいと思います。






ボルサリーノ パナマ帽

2013-06-23 07:20:23 | ハット
さて、梅雨は本番ですが
後2週間もすれば暑い夏。

盛夏といえば、やはりパナマ帽ですね。

起源は14世紀中頃とも
パナマ運河建造中に技術者や労働者達が酷暑から
身を守るために広く着用された。
帽子はエクアドル産であったが
取引場所や出荷港がパナマ市のため
パナマ帽と呼ばれるようになったとの節があります。
又、1906年に米国大統領セオドル・ルーズベルトが
パナマ運河を訪れた際に買い
好んで被ったとも言われています。

夏はカンカン帽やパナマ帽は
クラシックな装いとして
とても良いと思います。

なかなかイメージに合う物は見つからないのですが
スーツを受け取りに行った際に
今回、たまたま伊勢丹で見かけて購入しました。



素材はエクアドル産のパナマ草です。
正式にはヤシの一種でパハ・トキージャ。
この葉を細かく裂いて紐状にし
パナマ帽は作られます。



下の写真は以前購入したパナマ帽との比較です。
以前購入したのもはブリム(つば)がやや大きく
被るとどうしても「いかにも」という感じが強いので
今回はややブリムが小さい
気軽に被れる物を選びました。



そして、仕上げに今では定番となっている
CA4LAの汗止めを貼っておきます。
これは洗う事も出来るので中々便利です。



盛夏の帽子は大分増えましたが
パナマは何か別格のような
エレガントさがあると思います。

理想はリネンの3Pを着て
葉巻をくゆらせて被るとかっこいいですね~。
いずれ先々の愉しみとして
取っておきたいと思います。

さて、梅雨明けはもうすぐ。

パナマ帽
今年は活躍する機会が増えそうです。



盛夏のオッドベスト

2013-06-16 06:57:31 | スーツ
このブログでもリンクさせていただいている
銀座のテーラー VESTA
独自のオーダーシステムを崩さない
正に業界では良い意味でガラパゴス化されている
歴史あるテーラーです。

そしてVESTAと言えば
看板娘のきいちゃん事
北川美雪マネージャー。
いつも快活元気です!



今回、そのきいちゃんに
オッドベストのオーダーの相談に伺いました。

実は、前回の「盛夏のスーツ」で着用している
ブルーのオッドベストも以前VESTAでオーダーしたもの。
生地が豊富でしかもリーズナブルな価格でオーダーが可能です。

真夏はいくら盛夏仕様のスーツとはいえ
上着を脱ぎたくなる事も多々。
そんな時オッドベストを着用していれば
ブレイシーズを気にする事なく
気軽に上着を脱ぐ事が出来ます。

さて、今回選んだ生地は
英国HUBERROSSのもの。
HUBERROSSはスーツやシャツ生地を扱い
3,000を超える種類を常時展開
ヨーロッパのメゾンなどでも使われています。



今回選んだ生地ですが
既にリネンの白、シルクのベージュ、リネンのブルーの
オッドベストが盛夏用としてはあるので
今回はライトグレー系で選ぶ事にしました。

早速きいちゃんと生地を見ながら相談。
私のブログ用写真と聞いて
かなりワザトラマン的ポーズ。


(クリックすると写真が変わります)

そして選んだのがこちらのアイリッシュリネンの生地。
色の濃さにちょっと変化があり
フォーマルっぽくなってしまいがちな単色のグレー系とは
ちょっと趣の違う生地です。



この色であればネイヴィー系のスーツ
又は、グレー系でも色が濃いめのスーツであれば
コーディネイト可能だと思います。

さて、出来上がりは7月上旬との事。
愉しみです。


盛夏のスーツ

2013-06-09 07:34:18 | スーツ
今年の梅雨
全く梅雨という感じがしません。
気象庁は梅雨入り宣言を早まったのでは?
ならばいっその事、このまま夏になればいいのに
そうも思ったりします。

さて、反クールビズ派としては
今年も盛夏用のスーツをちゃんとオーダーしています。
先日伊勢丹メンズ館から受け取ってきたスーツは
勿論フランコプリンツィバリのもの。

今回の生地は国産のバンチから
フランコさんに選んでもらったものです。
ネイヴィーにブルー系のストライプ
間近で見ると結構涼しそうな生地です。




いつも通りの特徴的な袖のカットライン。




フランコプリンツィバリの盛夏用のスーツは
レジュリッシモ仕立てといい、背抜きは勿論の事
副素材をかなり削っています。



テーラーリングのなせる技で
着用するとアンコン的なカジュアルな感じは全くなく
盛夏用でもちゃんと構築的にクラシックなラインを
保っています。
今回は型紙に少し手を入れたので
より着心地も向上しました。

そしてトラウザース。



盛夏用でもポケットが裏地との間に入っている作りなど
着心地に関する部分は省略されません。

袖はいつも通りの本切羽で4番目は眠りボタンです。



ラペル裏のヒゲやフラワーホール用の茎を通すループなども
いつも通り。



さて、反クールビズ派の私の装いは
リネンのオッドベストにボウタイスタイル。
オッドベストはどうしても上着を脱ぎたくなった時
ブレイシーズを見せない為に着用しています。



夏はビジネスの場ではいつもこういったスタイルです。
上場企業のエクゼクティブとの打ち合わせにも
このスタイルで望みます。

これにボルサリーノが加わりますから
かなり顧客にはインパクトを与えていると思いますが
今のところ悪影響はありません。

さて、もうすぐ夏本番ですね。
今日も元気に行きましょう!



イラストは力なり

2013-06-02 07:07:09 | 番外編
冒頭の写真はお二人の尊敬される師
メンズファッションイラスト界の巨匠
穂積和夫先生のイラスト。
「今にも動き出しそう」と
今なお、新鮮な輝きを放つイラストを背に
生き生きとお話されるお二人。
お二人とはファッションイラスト界の第一線で活躍される
画伯こと綿谷寛さんとソリマチアキラさん。

先日、新築間もない明治大学中野校舎で行われた
中野香織さんの「ファッションイラストレーションを考える」という講義の様子です。



イラストという、大学の講義としては
とても斬新な切り口。
中野さんの講義は色々な業界の第一人者を招き
白熱したトークが展開される興味深い講義が
定期的に行われています。

この講義に参加出来る学生さんは
本当に幸せだなと思います
理論だけでなく生の声を聞く事が出来るのだから。

さて、画伯のお話では
インパクトのある話がいくつも飛び出しましたが
そのなかのひとつ。



イラストの依頼では
洋服の細かいディティールなどの指定はなく
よってイラストレーターは
コーディネイトも出来なくてはならないとのお話。

スモーキングジャケットを着た
下の絵は正にそれを体現している絵。
合わせるトラウザースや靴(ルームシューズ)などは
イラストレーター自身が考えなければならない。
そのシーンに合わせた
正しい装いの知識が必要とされます。



画伯の普段のステキな装いは
ここからきている事を改めて納得した次第。

そしてソリマチさんのイラスト。
服飾好きにはたまらないイラストが多く
私も2枚程入手させていただいています。

ソリマチさんはモデルもこなす
長身でアンダーステイトメントな装いをされる
正に英国紳士的な方。



バタクのイラストでもおなじみですね。



何の指定もなく、こういったイラストが描けるのは
ソリマチさん自身もビスポークスーツを着こなす
紳士だから。
テーラーの雰囲気、面白さ、ワクワク感を知っているからこそ
描ける事を再認識しました。

そして最も印象に残ったお話。

写真は良くも悪くも全てを写し出してしまう
イラストはその物の本質を捉えて
それを強調して描く事が出来るという話。

顧客は実はそのモノの良さを既に知っていて
最終的にカタログなどのイラストをみて
背中を押され、購入に踏み切る
クルマしかり、バッグしかりとの事。

イラストレーションにはパワーがあるなという事を
実感した大変興味深い講義でした。

その他にも名言多々。
尚、詳しい内容は中野さんのブログをご覧下さい。

お招きいただいた中野さん
そして素晴らしいお話をして下さった
綿谷画伯、ソリマチさんに感謝です。

ありがとうございました。