いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

ありがとうございました!

2011-12-31 13:53:56 | その他
今日、2011年12月31日。
30年勤務した会社を退職しました。

珍道中のアメリカへの初海外出張や
ベトナムの方のモチベーションの高さに感動した
ベトナム出張
そして大阪での色々な方との出会い。

統括している
プロジェクトが火を噴いたり
皆の努力の結果
無事にシステムがスタート出来たり
色々な事がありました。

ここ数年は
執行役員の大役まで拝命し
業務を推進してこれたのも
大勢の社員の協力と
そして会社のバックアップが
あったからこそ。

会社や社員の皆さんには
感謝の想いでいっぱいです。

今回、会社が創業以来初めて希望退職を募ったのを見て
これは天が
「支度金を出してあげるから最後は自分でやってみなさい」
との天命を受けたと感じました。

今回、私が退職するのを知って驚いた方々
そして、留意してくれた方々
そして私の事を気遣い
仕事を紹介していただいた
何人かのお客様
本当にありがとうございます。

自分は色々な方に支えられているなと
改めて認識した次第です。

来年は独立して
同じIT業界で頑張っていこうと思います。

こんな時代だからこそ
今こそ、始める価値があると信じています。

本当に今までありがとうございました。

そしてブログもペースは変わるかもしれませんが
マイペースで継続していきたいと思います。

ブログをご覧頂いている読者の方
感謝です。

どうか皆さん
心穏やかな、良い年をお迎え下さい。


今年最後の買い物は(多分、、、)

2011-12-25 06:26:13 | ハット
年の瀬も迫り いよいよクリスマスが終わると
後は大晦日を待つばかりとなります。

そして、恐らく今年最後の買い物になるかと
思われる逸品は、、、

そうソフト中折れ帽
所謂ソフト帽です。

現在ソフト帽は
ボルサリーノを中心に冬物ですと
ネイヴィー、焦げ茶、グレー
そしてローデンコートに合わせる
グリーンの計4つになります。

最近はキャメルのコートも着用するので
やや明るめのハットはないかな~と
探していたところ、渋谷西武で
こちらのソフト帽を発見!
早速購入した次第です。



こちらのソフト帽
1773年創業、英国のクリスティーズのモノ。
素材は勿論、ラビットファーフェルトです。

イタリアのボルサリーノに比べると
英国のソフト帽はロックにせよ今回のクリスティーズにせよ
リーズナブルだと思います。

そして作りは英国式の質実剛健な
固い仕上がりとなっています。

内側は他のクリスティーズと同じ仕様で
ハットのトップの内側はビニールが張ってあり
耐久性が高まると同時に内側の汚れ防止にもなっています。



さてこのソフト帽。
キャメルのコートに合わせてみると
とっても軽快な感じになるのが
わかりました。

スーツ+コートだけでなく
スポーツコート(ジャケット)+茶系のレザーコートに
合わせる事も出来そうです。

週末の軽快な装いに
意外に応用範囲の広い
ソフト帽となりました。

しかしこうなると
ボルサリーノのセルベルトも欲しくなってきますね~。
ビーバーとも違うレッドディア(赤鹿)の毛を使用した
とても柔らかな質感の帽子です。



こちらはかなり高価なので
今後の愉しみにとっておきたいと思います。


革フェチなら

2011-12-24 05:37:37 | 万年筆 ステーショナリー
高級ビニールや先端化学繊維
コートやカジュアルなアウター
そして鞄。
こういった素材が全盛ですが
まったくこういった素材に興味がわかない私。

やはり昔からの天然素材がいい。
ウール、綿、シルク
そしてやはり革だと思います。

今回ご紹介するノートカバー。
革製です。
我ながら革フェチだと思います。

ASHFORDというメーカーの
牛革のノートカバーです。



とても柔らかく鞣されシボ加工された素材。
アクセントとなるブルーのステッチ。
実はこれ以前にご紹介した
マネークリップ
色合わせしています。
筆記具に拘ると、必然的にノートなども
気になるもの。
万年筆に普通のノートでは何か物足りないな~と
思っていたところ
革製のノートカバーを文具店で発見。
筆記具ケースが革なら
ノートカバーもやはり革といきたいもの。
この組合わせ、とても相性がイイと思います。

こちら、かなり実用的なノートカバーです。



裏側にはファスナーがついていて
ちょっとした資料やチケットなどが
保存出来るようになっています。



そしてマチもついていて
私はデスクから会議室に移動する時など
ここに万年筆ケースや電卓などを入れ片手で持ち
もう一方の手でノートパソコンを持ち
良く移動したりします。



そしてノートを開いた時の内側。
こちらの革はスムースな加工となっています。



両サイドにペンケースがついていますが
私はここにポストイットを入れ
ヒントやToDo項目があった時に
さっとノートに貼ったりしています。

なかなか実用的な
良く考えられているノートカバーだと思います。

決して高価でなくても
身の回りにあるモノ
特に毎日使う様なモノに
ちょっと拘ると、それだけで
気持ちが豊かになったり
気持ち良く使う事が出来たりします。

ステーショナリーも
そういったものの一つだと思います。

少しづつでいい。
決して高価なモノだけとは限らない。
でも、毎日が愉しくなる様な
そういったモノを増やしていきたいですね。






トレンチ病 発症

2011-12-23 07:31:31 | コート
さて、遂にトレンチ病 発症です。

先日大阪へ出張行った際
PURDEYのバタクハウスカット別注のトレンチコート
フィッティングをして
購入を決めました。
当日はたまたま他のお客さまもいらして
やはりベージュのトレンチコートを
お買い上げになっていました。
確実にこの手のトレンチコートを求めている方が
いらっしゃるということですね~。

さて、私は当日、参考比較の為
アクアスキュータムのトレンチコートを着用して
お店に行きました。

う~ん
やっぱり、フィッティングが
雲泥の差ですね~。
やはり今回のPURDEYのコートのフィッティングが
本来のトレンチコートのフィッティングだと思います。

色はアクアスキュータムのベージュのトレンチを
既に持っているので
今回はネイヴィーとしました。

素材は勿論、綿100%。
イタリア製のオルテメックスのコットンギャバジン。
独特の裏地も同社のものです。
ボタンにはサイドに控えめにPURDEYのロゴが入っています。



こちらは後ろ姿。
コートの後ろ姿大切ですよね~。



クラシックなスタイルで
まったく問題ないと思います。
背中上部のケープドバックは
緩やかな曲線を描くタイプです。
エレガントですね。

そしてトレンチで重要なベルトです。
ベルトについたD管。



ちゃんと基本に忠実ですね。
今回、金具類はネックのフックを含め
ゴールド色の仕様となっています。

そしてベルトはかなり頑丈と思われる作り。
8本もの補強のステッチが入っています。
これならベルトを縛って締めても
大丈夫そうです。



さて、ライニングです。



裏地はチェック柄で袖の部分はネイヴィーの
キュプラ仕様となっています。
通常のトレンチに使われる物と比較すると
少し厚手のラグジュアリーな生地を使用しています。
袖を通す時、スムーズで気持ちいいですね。

ポケットは勿論貫通式のポケットです。



そしてチンストラップ。
う~ん、無条件にカッコいいですね~。





そしてこのコートの最大の山場である
たっぷりしたサイジングで
ベルトをぎゅっと締め
美しいAラインを描くシルエットです。



いや~ かっこいい~(自画自賛)

そして重要な着丈です。
バッチリ長めの着丈です。
本当に渋いと思います。




このシルエットを永年待ちわびていました。


「これが人生最後のコート」宣言をした後も
コートを買い続けて既に15着!?位になりそうですが
それでもこのトレンチコート
本当に購入して良かったと思います。

尚、このコート、袖が若干短めかもしれません。
私は元々腕が短めなので
既製品、特にコートは必ずといって良い程
袖を詰めますのが今回は標準のままでOKでした。

ご購入される方はフィティングの際
袖の長さを確認された方がいいと思います。
勿論、袖出しはまったく問題ありません。

バタク別注PURDEYのトレンチコート
今回は完全にやられてしまいました~。
クラシック好きには
たまらないコートだと思います。
残り着数も少なさそうでしたので
気になる方は早めの見に行かれた方が
イイと思います。






ハケットロンドンのタイ

2011-12-18 07:25:15 | タイ
ご存知、ハケット ロンドンのタイです。

ドレスシャツは以前購入した事がありますが
タイは今回が初めてとなります。

ハケット ロンドンの創業者ジェレミー・ハケット氏

いつかはハケットのスーツを作ってみたい
出来ればビスポークかな~
などと思わず思ってしまうほど
エレガントで紳士な方です。

さて、そのハケット ロンドンで
イベントがあり
今回はタイを購入しました。

グリーンをベースとした
ペイズリーのタイです。

素材は勿論シルク100%。
タグを見るとイタリア製となっています。



いかにもイタリア製らしい
とても柔らかい織りになっています。
色合いはシックなやや落ち着いた色合いです。



ペイズリー
1800年頃からスコットランドで一般的になった柄ですが
現在量産されている柄を見ると
妙にモダナイズされてしまっているモノも多々あります。

モダナイズされたとたん
この神秘性を持ったこのエレガントな柄が
魅力を失ってしまうのが
ペイズリーの難しいところですが
英国でデザインされたモノは
クラシックな柄が多いので
安心して、しめることが出来ると思います。

今回のタイも伝統的なペイズリー柄。
グリーンをベースにネイヴィーがうまく配色されていて
派手になりがちなペイズリーを
シックに纏めていると思います。

このタイ
グリーンがベースですので
茶系のスーツが良いと思いますが
シックな色合いから考えると
ネイヴィーのスーツ
それもダブルブレストのような
やや派手になりがちなスーツに合わせると
装い全体が
落ち着いた感じに纏まると思います。

ハケットロンドンのタイ。
英国紳士ジェレミー氏のように
エレガントに着こなせるよう
コーディネイトしたいですね。



ミシンでお仕事プロジェクト

2011-12-17 06:46:35 | その他
我らがクラブメンバーでありクラブコミッティでもあるF野氏。
彼がボランティアで応援している
ミシンでお仕事プロジェクト
これはミシンを贈って
被災地の女性たちに元気になってもらい
仕事をしてもらおう!
というプロジェクトです。

今回、F野氏が行っているのは
チャリティのブックフェア。
その名も「忘れないために。10人による10冊~」

これは10人の方に無償で本を提供してもらい
その本の売り上げは
すべて「ミシンでお仕事プロジェクト」に
寄付されるというもの。
本の提供者にはそれぞれの本を
ご自身で根付けしてもらい
その価格で本が販売されます。

そして何と今回
あの中野香織さんが
本を提供されています。

ここは同じクラブメンバー。
早速入荷と同時に何冊かの本を入手しました。
中野香織さんファンの方、ごめんなさい。

今回購入した本で大変貴重なのは
DIANA VREELANDのEleanor Dwight。
オードリー・ヘップバーン主演の「ファニー・フェイス」邦題「パリの恋人」に登場する
編集長のモデルは彼女と言われています。
ハーパース・バザーそして
ヴォーグの編集長を務めた
ある意味、ファッション業界に君臨した
カリスマ的女王といえる人物です。

この本はその彼女のバイオグラフィー。
パーソナルスタイリングの顧客だった
ファーストレディ、ジャクリーン・ケネディ夫人や
著名人との交友写真、そして彼女の仕事ぶりなど
貴重な写真が多数掲載されています。





本の状態はとても良く
中野さんがとても大切にこの本を
扱われていた事が窺い知れます。
この貴重な本を
どうして手放してしまったのか不思議ですが
とても安価で入手させていただきました。
中野さん、ありがとうございます。

それ以外にも
中野香織さんの著書
「モードの方程式」「着るものがない!」他
何冊かを購入させていただきました。



嬉しかったのは全ての本に
中野さんのキャプション入りの
その本のイメージに合う
ポストカードが付けられていたこと。
そして中野さんの著書にはサインまで。



いや~とても貴重な心のこもった本を
入手させていただきました。

こんな形で少しでも
被災地に貢献出来るのであれば
嬉しい限りです。

このチャリティブックフェア。
来年の1月中旬まで開催されるとの事ですので
宜しければ是非、足をお運び下さい。

最後にF野さん、ありがとうございました。


トレンチ病

2011-12-11 06:06:39 | コート

冒頭の写真
かっこ良かった昔のトレンチを彷彿とさせるデザインです。

写真は今回バタクハウスカットから
発売になったクラシックトレンチコートです。

胸回りの身頃を
今のサイズ基準から7サイズ上の余裕を取り
ウエストのベルトでギュと締め
美しいAラインを描く
本当のトレンチコートです。

実際のサイズ感は下の写真をご覧いただけると
わかりますが、とてもクラシックで
雰囲気のあるもの。


<batak House Cut Information Blog>から引用

下の写真を見ていただくとわかりますが
今回のトレンチコート
今、巷で売られている
タイトで丈の短いトレンチコートとは
全く違います。

詳しくは以前ご紹介したTHE TRENCH BOOK
ご参照下さい。





既に本場英国のバーバリーやアクアスキュータムでも
少なくとも日本では
こんなフィッティングのコートは売っていません。

昨年購入したアクアスキュータムのトレンチコート
これもカッコいいですが
やはりフィッティングは今風。
これでもジャストフィットからワンサイズ上のモノを
購入しています。

今回のバタクハウスカットのコートは
それくらい今はない、昔の良き時代の
フィティングのコートというですね。

さて、素材は英国製かと思えば
意外にイタリア製のオルテメックスのコットンギャバジン。
オルテメックスはイタリアはコモにあるミルです。
独特の裏地も同社のもの。

このボリューム感ですので
ヘヴィーオンスの生地ではこの雰囲気は出ません。
実際の生地はやや柔らかめで
昔あった英国の物より同等か
やや重めの生地とのこと。

バーバリーやアクアスキュータムでも
現在の製品ラインナップでは
同様の生地を見た事がありませんので
既に英国でも、ヴィンテージでなければ
この手の生地はない為に選ばれたのではないかと
推察する次第です。

そして早速、丸の内店へ伺いフィティング。

久々にK保教祖様にお会いしました。
すかさず
「トレンチですか?」と
お~、流石わかってらっしゃる。

やや遠目に私の体を見て
「らみいさんは 36ですね」と言いながら
件のトレンチコートを出してくれました。

早速羽織ってみると
私の体型でもサイズ間違えたかな?
と思う程のゆとり。
ちょっと気になっていた着丈も
膝下の充分な着丈。
そしてベルトをぎゅっと結ぶと
もうそこは往年の銀幕の世界でした。

はっきり言って、いっぱつでやられてしまいました。
現在、家内稟議申請中ですので
決済が降りれば購入したいと思います。

因にこのコート英国PURDYに別注したもの。
勿論MADE IN ENGLANDです。

色はカーキーとネイヴィーの2色。
各サイズ2着位しかないとのことですので
12月中に完売するのではないかと思います。

毎冬、コートはこれで最後と言って
その後、何着も買っていますが

トレンチコートはこれが最後かな~?


有楽町阪急メンズ館 クリスマスナイト 

2011-12-10 06:54:02 | その他
先日行われた、有楽町阪急メンズ館の
クリスマスナイトに行ってきました。

実は有楽町阪急メンズ館
初めて行きました。
何故、一度も行った事がないのに
クリスマスナイトパーティの招待状かきたのかな?と
よ~く招待状のハガキを見てみると
梅田メンズ館のお客さんに出しているようです。
恐らく関東在住の顧客をセレクトして
出しているのではないでしょうか。

さて、当日は18時閉店。



大急ぎでレイアウト変更を行い
19時から招待客のみでクリスマスパーティを
行います。
当日は生憎の冷たい雨でしたが
それでも開場時間が近づくと長蛇の列。



いや~凄い人気ですね。

そしてオープンの時間になりました。
まずは入り口で金髪美女のバニーさんがお出迎え。
いや~華やかですね。
そして特設ライブ会場が作られていて
ソウルフルな黒人コーラスの方が
クリスマスソングでお出迎え。
まるでNYのクラブのようです(行った事ないですが)。

売場では各階ごとに
アルコールが用意され
フリードリンクになっています。
サントリー白州のモヒートが
とても美味しかったな~。

さて、各階ではタイムスケジュールに合わせて
ファッションショーや
トークイベントが行われています。

下の写真はメンズカジュアルのファッションショー。
通路を次々とモデルさんが足早にウォーキングしていきます。





いや~かっこいいですね~。

そして当日一番注目を集めていたのは
KOZOのヘアーショーです。

冒頭の写真もその時のモノです。

色々奇抜なヘアースタイルのモデルさんが、、、



風船をまとったヘアースタイル。



この風船、ヘアーアーティストの方が
パンパンパンと割っていきます。
そしてこちらのヘアースタイルが登場。



その他にもその場でCUT&SETを行うショーも。





そしてこちらが出来上がり。



もっともインパクトがあったのは
こちらのパフォーマンス。
冒頭の写真のライオンヘアーの金髪美女が登場。
そのヘアーをその場でカットするパフォーマンス。
何と地毛です。



いやいや、芸術的なカッティング。

1階ではカジノも作られていて
イミテーションの紙幣で遊べるようになっていました。
その他ネイルケアやヘアメイクが出来るコーナーもあり
女性同伴の方にも配慮がされているところが流石ですね。

クリスマスナイト
今回が初回ということもあるのか
盛りだくさんで気合いが入っていますね~。

ただ、もっとショップごとにパーティなども増やして
お客さんとショップの方が
気軽にコミニュケーション出来るようになると
もっと愉しめると思いました。

又、次回、招待状を頂けたら
行ってみようと思います。

阪急百貨店さん、ありがとうございました。



フランコバッシのネイヴィータイ

2011-12-04 07:47:44 | タイ
フランコバッシのネイヴィータイです。
先日、銀座のいつもの店で購入。



ネイヴィータイ
何本あっても困らないので
いいな~と思うネイヴィータイがあると
つい買ってしまいます。

ネイヴィータイといっても
メーカーにより
色合いも違えば織りも違い
よって素材感がまったく違います。

今回購入したものは
かなりヘヴィーオンスのタイです。

下品にならない程度の
光沢もあり
そしてとても締めやすい。



私はこの手のタイは
3Pの時に良く合わせます。

3Pはスーツ自体に
華やかさがありますので
こういったタイを合わせると
うまくバランスが取れると思います。

しかし、本当にこのタイ。
素晴らしい質感。

仕事納めは
これを締めようかな。

今年は本当の意味での
仕事納めなので。


英国アンティーク傘

2011-12-03 08:23:07 | 
冒頭の写真、美しいアールを描く
美しいアンティークな傘。

銀座のパーソナルテーラーのアトリエを
訪問した際、運悪く!?この傘を発見
思わず手にしたのが間違いでした。

握った瞬間、その手に吸い付くようなハンドル
そして余りにも細く巻ける美しい傘に
心を奪われてしまいました。



モデリストでありオーナーであるR.H総帥に
「この傘、今日入ったばかりだよ。」と言われ
この傘は私の為に英国からはるばるやってきたんだなと
確信してしまった次第、、、

そしていつの間にか手に入れてました。
いやいや、又、やってしまいました。

さて、冷静になってこの傘を仔細を見てみると
フレームはオリジナルパラゴンフレーム。




パラゴンフレームは
1950年代初頭までシェフィールドにあった
foxの工場で「手作り」されていて
年代と共に段々平面な形に変わっていきます。
この年代のモノは正に「蝙蝠傘」と言える
最も美しいアールだと思います。

そして、特徴的な美しいハンドル。



この鼈甲のような茶色の持ち手
素材はベークライトです。
ベークライト、所謂フェノール樹脂
平たく言えばプラスチックです。
ベークライトは1910年に商業化に成功。
このハンドルはベークライトが装飾的に
美しく成形して使われ始めた頃の
初期のモノだと思います。



そしてベークライトと傘の本体の間には
二つのスターリングシルバーのベルトを挟んで
マラッカが使われています。

アールデコを感じる
とてもエレガントな仕様だと思います。

スターリングシルバーのベルトには
ホールマークが打たれています。
ホールマークとはその銀製品の品質を保証する為に
打刻が義務づけられたもので
イギリスの銀器には基本的に必ず入っています。



左から「JH」の刻印、そして錨のマークとライオンのマーク
最後は英語の大文字で「D」とあります。

「JH」とはメーカーズマーク(Maker’s mark)です。
これは「Joseph Hicks」のモノ。

そして錨のマークは
アセイマーク(Assay Mark)といって産地刻印。
どのアセイ・オフィスで検定を受けたかを示す刻印です。
錨はバーミンガムを表しています。

そしてライオンのマーク。
これはスタンダードマーク(Standard Mark)といって
純度刻印でこの銀器が
スターリングシルバー(.925銀)であることを示しています。
1544年から横向きのライオン(Lion Passant:ライオン・パサント)が
用いられています。

そして最後の「D」。
これは年代を表しています。
年代により大文字になったり小文字になったりしながら
サイクリックに回っていきます。
この刻印から1928年製であることが分かります。

いや~正に、アールデコ全盛の一番良い時ですね~。

冒頭の写真の傘は
オリジナルの生地が張られていますが
流石に雨を通しそうなので
極々薄手のミッドナイトブルーの生地に
張り替えをしました。

この傘、思わず雨が降っていなくても
持ち歩きたくなる
ステッキを持つのはちょっと勇気がいるけど
この傘をステッキ代わりに使うなら
ありだと思います。

クラシックなスーツに
ステッキ代わりに使えるクラシックな傘。

雨の日が少しだけ愉しくなりそうです。