いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

魔法の傘 その2

2010-10-31 05:49:53 | 
魔法の傘 第2弾です。

実は同時に2本オーダーしました。
張り地は昨日ご紹介した物と同じ
ミッドナイトブルーのヴィンテージシルクコットンです。

こちらの傘の骨は
1830年創業、英国の傘の老舗
ジェームススミス&サンズの物です。

この傘はやはり1960年代にロンドンで手に入れたとのこと。
日本では最近正規輸入もなくなり
あまり見かけなくなりました。

ブリッグの傘と比べるとやや大きく
そして中棒も太く、やや重いです。

そして最大の特徴は
実はこの傘、通常の8本ではなく
10本骨になっています。


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フォックスなどの繊細な傘に比べると
質実剛健なとてもしっかりした傘です。

そして、ハンドルですが
もっとも私が拘るトネリコことアッシュです。


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元々、今回、傘をビスポークするキッカケをつくった傘が
以前このブログでご紹介したマリオタラリコの傘です。
その傘はアッシュのストレートでしたが
それがとても衝撃的であったことが
キッカケです。

今でも時々、あの傘の事が気になります。
(あまりに重く実用的ではないのですが、、、、)

このアッシュ、時代を経て
とてもいい雰囲気になっていると思います。

そして石突き部分。
もちろんこの部分もアッシュです。
いい具合にエイジングされ
もっとも年代を感じさせる部分ですね~。


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そして立ち姿。


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ブリッグよりやや太くなりますが
これは私が傘を奇麗に巻けていないのも
ひとつの原因があります。

傘の巻き方もコツがあるので
今度パーソナルテーラーのH氏に教えて頂く予定です。

そして最後に各傘を並べてみました。


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注目したいのはその長さです。

左から順番に
フォックス
昨日ご紹介のブリッグ
そして現代のブリッグ
一番右が今日の傘です。

微妙に大きさが違います。

日本で購入した
一番左のフォックス、左から3本目のブリッグ
この2本がほぼ同じ大きさ。
きわだって短いのが
左から2番目のブリッグです。

これはイギリスでは傘をオーダーする時
身長に合わせて長さを調整しているからだと
思います。

私の体にも左から2番目のブリッグが
ベストマッチです。
そういう意味では今回の傘は
やや大きいですね。

自分好みのハンドルと張り地で
クラシックな傘をビスポークする。
そんな傘を持つだけで
雨の日も愉しく過ごせそうです。




魔法の傘

2010-10-30 07:12:58 | 
魔法の傘
いきなり大仰ですが
正にそんな表現がピッタリの傘です。

ミッドナイトブルーのこの傘
実は先日仕上がった
パーソナルテーラーにビスポークしてた物です。

魔法たる所以は
その素材にあります。

贅沢にも1960年代のイギリスの
ビンテージシルクコットンを使い
この傘は仕立てられています。
恐らくレインウェア用に織られたこの生地
完璧なまでの撥水性というより
防水性を備えています。

下の写真は傘に雨が降った状態のもの。
雨水が白く見えるのは
傘と雨水の間に空気の膜が出来ている為です。


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この傘を一振りするとこうなります。


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正に魔法です。
このビンテージシルクコットンですが
表面を加工してあるのではなく
緻密な織りだけでこの撥水性を実現しています。
素晴らしいですね~。

そして、もうひとつの美点。
シルクコットンはナイロンと違い趣があります。
何とも言えない、美しい明かりの透過。


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そして最大の良さは雨が降った時の音です。
今日などはかなりの雨脚ですが
最初はバタバタ大きな音がするのかなと
思っていましたがまったく逆でした。
とても優しく、角が取れた音です。
繊細な音、雨音にこの表現が適切かはさておき
心優しく癒されるような響きです。

これなら雨の日の外出も
少しは愉しくなるというものですね。

さて、傘のディテイールですが
傘骨は1960年代、イギリスのブリッグで購入された物。
これを非常に丁寧にレストアしています。
受骨は奇麗に磨かれ
そしてこの下ろくろなど芸術的な出来上がりです。


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実はこの傘、日本で作られていますが
張地の先端のステッチ以外はほとんど手縫いです。

そして胴ネーム。
この部分はわざわざスカーフを製作してもらってる職人さんに
持ちこんで手縫されています。


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胴ネームの留め具は
紳士の傘に拘り
ヴィクトリアンの黒いブーツボタンというのが
パーソナルテーラーH氏の選択です。


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この胴ネームの位置が既製品とは違い
正統な紳士傘のフォルムである
かなり上部の位置に取り付けられています。


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こういった細かいところも
既製品とは異なるところですね。

そしてハンドル。


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とても美しいですね。
素材は葡萄のようにも見えますが
エニシダという節もあります。
今となっては不明です(笑。

当時は今と違い
もの凄い種類のハンドルがあったとの事。

そしてブリッグの刻印。


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時代を感じさせますね。

傘のフォルムですが素材がシルクコットンであることを考えれば
かなり細く巻けます。
そしてクラシックな独特のフォルム。


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外出時の傘の置き場所には
気を使いますが
こういった紳士の傘
1本あるといいですね。


LOVATカレッジストライプ マフラー

2010-10-24 06:10:32 | その他
ということで昨日の続きです。

LOVATの会場にはツイードを中心とした
色々な物が展示されていました。

特に目を引いたのは
鞄とマフラーです。

鞄は所謂、狩猟で得た獲物を入れる
GAME BAGという物。
以前も登場した
世界最高級の猟銃メーカー・PURDEY社より
作製を依頼されたのが始まりとか。

例えば
これはフィッシュバッグ。



ツイードのEttrick生地の裏側にゴム張りをし、
その上にコットン地をボンディングして
(何とあのマッキントッシュの工場で加工しています)
完全防水のバッグを作っています。

そして珍しい譜面を入れる為に作られた
ミュージックバッグ。
真鍮のバーでワンタッチで
被りをとめることが出来ます。



その他にもトートバッグや
メッセンジャーと言われる
郵便配達人が使う鞄のモデルなどがあります。



実はK部店長もボストンタイプの鞄を
当日購入されてました。

そして私が、LOVAT リニ嬢と盛り上がったのは
マフラーです。

LOVATはスコットランド南部
ボーダー地方の Hawick(ホーウィック)にあります。
ホーウィックはカシミア服地や
ニット製品の産地としても有名です。

ということでカシミア100%の
カレッジストライプのマフラーです。


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グリーンとイエローのストライプもあったのですが
これをスーツと合わせると
まるでマフィアだったので(笑
こちらの色にしました。

リニ嬢とコーディネイトについて話したのですが
スポーツコート(ジャケット)だけでなく
スーツにも合うとのこと。

今年の冬の愉しみが一つ増えました。

その後、阪急内の喫茶店でK部店長とお茶をしていると
わざわざ、帰り際、リニ譲が挨拶に来てくれました。
(勿論、K部店長宛ですが、、、)
明日は京都に観光とのこと。

「必ず来年も会いましょう」と
リニ譲と握手をし固い約束をかわしたのでした(笑。


LOVATと英国フェア

2010-10-23 05:55:12 | その他
前回、大阪へ仮縫いにいった際
阪急メンズ館では英国フェアの最終日
冒頭の写真はあのツイードで有名なミル
LOVATミル社長御令嬢のリニさんです。

いや~美しい方です。

リニさんは当日、英国フェアの一環として行われた
特設LOVATコーナーのキャンペーンガールとして
1階店頭に立って接客されていました。

と言っても英語ですが(汗
とてもクリアな発音なので
結構、会話が愉しめました。

そして実は彼女
ミル内でカットの仕事とかもしてるのです。
いや~、凄いですね。


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LOVATはスコットランド貴族のLOVAT氏が
1900年に設立したミルです。
ミリタリーウェアの「カーキ色」の元祖と言われています。
曰く、戦争時にツイード生地の迷彩服を
兵士に着せたところ戦死者が激減したとの話は有名です。

そしてその会場周辺ではいかにもイギリス的な
ディスプレイが。


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英国カントリーの生活を思わせるディスプレイですね~。


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こちらのジャケット
茶系のウィンドペーンそして帽子がお揃いになっています。


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そして今回、個人的にもっともお気に入りのコーディネイトは
こちら。


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グリーンのツイードジャケットと
レンガ色のトラウザースのコーディネイト
とってもカッコいいと思います。
ハンチングもまたお洒落ですね。

実はこれらはすべてバタクハウスカットの物。
う~ん、思わずカントリージャケットが
欲しくなります。

そして、リニ嬢と話は盛り上がり
購入したのは、、、、

続きは又、明日(笑。



フランコプリンツィバリ オーダー会

2010-10-17 04:32:31 | スーツ
3連休 ど真ん中の10日
既に定例行事となっている
フランコプリンツィバリのオーダー会が
新宿伊勢丹バンケットルームであり
参加してきました。


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最近では敬愛する親戚のおじさんが
イタリアからやってくるので
会いにいくような感覚になっています(笑

テーラーってやはり
ある意味、お医者様にかかるように
裸の付き合いになるので
回を重ねる程、通常の商売とは違う
親しい付き合いになっていきますね~。

さて、通訳もいつものクララさんなので
安心です。

今回はスーツではなく
ジャケットをオーダーしました。

まずは再び体型のチェックから入ります。
ここがフランコさん、手を抜かないところですね。
毎回厳しくチェックしてくれます。

今回着用していったのは前回のオーダーで作ったスーツ。
所謂レジュリッシモというアンコンに近い仕様で
作られています。
今回のジャケットは所謂遊び着ですので
とても柔らかく軽く出来上がるこの仕様で
作ろうと決めていました。

やはり肩の辺りが気になるようです。


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現在、私のパターンは専用パターンになっているので
それをベースに日本側フィッターでもある
いつもの三陽商会K藤氏に指示を出しています。


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そして最後は私の前回のスーツの仕上がりを入念にチェック。
毎回仕上がりが気になるようで
必ずチェックされていますね~。


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フランコさんは今回も忙しい日程の中
直接工場に出向き指導を行っていますが
ファクトリーのレベルはとても高いと評価していました。

さて、生地は選びはいつもの様に迷走。
当初はブラックウォッチにしようと思ったのですが
「イギリスを代表する生地は
やはりブリティッシュサビルロー的な
シェイプドルックの方がいいですね。」
とnori_g日記のnoriさんのアドバイス。

では、ややミーハーかもしれませんが
今年はキャメルで行こうと
当日巻物で置いてある生地や
バンチブックを見ましたが
何と気に入るキャメルの生地がありません。

キャメルは今年はややブームのはずなのですが、、、

ここが生地のストックが沢山ある
パーソナルテーラーと違い
仕入れ先などがある程度決まってしまっている
メーカーの難しいところですね。

ということで悩んだ挙げ句
オーソドックスなハウンドトゥースの生地を選択。
実はハウンドトゥースのジャケット
今は手持ちにないので
1着持っておくもの良いかと。

今回はイタリアの生地ではなく
御幸の生地です。


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この生地、実はちょっと変わっています。
所謂ダブルフェースになっているんですね~。
片側がハウンドトゥースそして裏がグレーの物とネイビーの物が
あります。

もちろん表地をハウンドトゥースにして
裏がグレーになる物を選びました。


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ダブルフェースですので生地を張り合わせている関係で
何と目付が545g/mもあります。
これは面白い物が出来上がりそうです。

レジュリッシモ仕様ですので
裏地がほとんどないので
ダブルフェースが生きると思います。

採寸が終わった後は一緒にテーブルにつき
しばし歓談。これがいつも愉しいですね~。

そしていつものように記念撮影。


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次回からは年2回ではなく秋冬だけになるようです。
来年の秋までお別れですね~(涙

さて、出来上がりは約90日後位だと思います。
レジュリッシモでダブルフェース。
出来上がりましたら
又、ご報告したいと思います。


スーツの百科事典



ハウスオーダー 仮縫い

2010-10-16 05:24:53 | スーツ
先日、K部店長より
「お待たせしました。
 仮縫いが出来たました。」との連絡を受け
バタクハウスカット梅田店で仮縫いを行ってきました。

いや~本格的なスーツの仮縫いは
実は初体験です。
あれだけスーツを買っておきながら、、、、(笑

ということで早速チェックが始まりました。

まずは冒頭の写真でもわかるように
仮縫いで使われる生地は実際の物です。
デリケートな生地の場合などは
別生地を使うケースもあります。
そしてサイズ調整に直接影響を受けない
副素材などは一部縫い付けが完了しています。


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ボタン部分はダミーの布のボタンが付いているという
状態です。
ピン打ちしてボタンをはめた状態を作り
見頃のサイズ感など確認していきます。


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今回の仮縫いは少し大きめに作られていました。
テーラーによってやり方は異なるかもしれませんが
通常はやや大きめに作り無駄をそいでいくやり方が
多いような気がします。

肩部分なども採寸時のデータを確認しながら
慎重にチェックしていきます。


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袖位置も慎重にチェックです。


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K部店長、真剣な眼差しですね~。
実は「受け取りは代官山で」とお願いしているので
失敗は許されません、、、、(笑
いつになくプレッシャーを感じながらの
確認作業です。

少しでも正確な仮縫いが出来る様に
念の為、シャツもバタクハウスカットで
パターンオーダーしたものを
着用していきました。

そしてトラウザースのチェックです。


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トラウザースは大分渡りが大きかったので
かなり絞り込みました。
実は採寸時より3Kg痩せたことも関係していると思います。


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全ての作業がオーダーシートに
調整値として書き込まれていきます。
記入係はハウスカット看板娘のT嶋さんです。
T嶋さんは服飾関係の経験が長く
ご自分の服も丸縫い出来てしまうので腕前なので
パターン図などもチェックしながら記入されていました。
余談ですが
この日T嶋さんはブラックウォッチのトラウザース
ご自分で作られたのでしょうか、、、、?
お店の雰囲気にあっていますね~。

ウエストコートも含め、何度も確認しながら
調整していくこと約1時間。
無事、仮縫い完了となりました。

スーツをオーダーし
生地やデザインを考えるのも愉しいですが
ここを調整したら
奇麗にドレープ感でるんだろうな~とか
完成したイメージを想像しながら行う仮縫い作業も
とても愉しいですね~。

「出来上がりは
 出来れば年内だと嬉しいです。」と
軽~く、プレッシャーをかけておきました(笑。

ハウスオーダー、出来上がりが
愉しみですね。



クラシコナイト

2010-10-11 06:10:55 | その他
今年も伊勢丹イタリア展の季節がやってきました。

イタリア展と言えば、生ハムやワインなど
普段手に入れにくい60以上のブランドが
展示即売されます。

そして、ネクタイやスーツ、靴など
服飾関係のオーダー会も
盛んに行われます。

そしてそのイベントの最大の盛り上がりを見せるのが
クラシコナイトです。



今年もご招待いただき
参加してきました。

場所はいつもの
メンズ館8Fのカフェ「リジーグ」。

冒頭の写真は毎年おなじみの
ファビオ ボレッリさん。
当初はシャツやタイが有名でしたが
いまやメンズ総合ブランドとして
確固たる地位を築いています。

ファビオさん、流石に毎年
記念撮影をお願いしているので
私のことを覚えていらっしゃり
「やあ」という感じで
声をかけてくれました。

そして、正にこの方はイタリア人!
陽気なマウリツィオ マリネッラさん
いつも「お~!」大降りな仕草で
迎えてくれます。



そして写真撮影もフレンドリーに。

MEN'S Exによく登場される穏やかな紳士の
インポーター代表取締役のF氏にも
久々にお会い出来て嬉しかったです。

イタリアの食を満喫し
最後はジェラートまでいただいてしまいました。

そしてミスター伊勢丹こと
セールスマネージャーのS崎氏に
見送られ会場を後にしました。

恐縮なことにお土産までいただきました。

ワイン見本市「ヴィニタリー」にて
2009年金賞を受賞したASTORIAの
スプマンテ(スパークリングワイン)です。



誇らしげなメダルがかけられていました。




伊勢丹さん、フランコプリンツィバリのスタッフの皆さん
今回も愉しい集いに
ご招待いただき、ありがとうございました。



小石丸 クラブストライプタイ

2010-10-10 06:15:01 | タイ
そして、昨日の続きです。

そう、クラブミーティングのお約束事と言えば
クラブタイでタイドアップして
参加するという事です。

今回もその例に漏れず
前回ご紹介したロード・アランのタイか
今回ご紹介する新作の小石丸クラブタイの
どちらかをするのが義務づけられました(笑

ということで
早速、パーソナルテーラーで今回企画された
新作タイのご紹介です。
(と言っても今から、購入は不可能なのですが、、、、)

このところパーソナルテーラーでは
小石丸シルクの圧倒的な品質の素晴らしさに感動し
色々な物づくりのトライが続けられています。

スカーフのようなクラシッククラバット
そして、大量の小石丸シルクを必要とする
価格の付けようがないコート、、、

そして、今回生まれたのがクラブストライプタイです。
正式なクラブタイとして
ロード・アランに続き、第2弾になります。

このストライプの色出しには、試行錯誤がかなり
繰り返されています。

生地では、雰囲気がつかめないので
仮縫いしたタイです。


拡大写真

ストライプの一番上部では色が変えてあります。
上の色が薄い方が今回正式にクラブストライプとして
採用された蒼紫です。
下部はそれにもっと赤みを加えたもの。
単体ではどちらも問題ないように思えますが
実はスーツと合わせると、下部の赤みを帯びた蒼紫は
派手すぎる。
これは実際に作ってみないとわからない、、、、
こうした大変な労力を重ねて
今回の小石丸クラブストライプが完成しました。

高貴な色の蒼紫と日本古来の色でもある銀鼠
とても美しくエレガントなタイだと思います。

そして織りも拘って
蒼紫を縦畝、銀鼠を横畝とストライプ毎に畝を変えて
あります。

作りも前回のスピタルスフィールド同様の
共生地を使った芯地。
贅沢極まりないです。


拡大写真

クラブミーティング当日
メンバーのほとんどが
今回のクラブストライププタイをしてきましたが
不思議とどんなスーツにも合います。

エレガントかつ美しい
そしてクラシックな作りのタイ。
それに合うクラシックなスーツの装い。
クラブミーティングという
愉しい集い。

正に、ジェントルメンズクラブという
ひとつの文化が形成されようとしています。
但し、肩肘張らない、気軽な集まりではありますが、、、(笑





ショパンとクラブミーティング

2010-10-09 05:51:11 | その他
先日、池袋の自由学園でクラブメンバー氏による
演奏会とメンバーによるミーティングが行われました。

まずは冒頭の自由学園 明日館。
これは1921年にフランク・ロイド・ライトの設計によって
建設されました。

西と東でシンメトリーが守られ
低くそして広く作られたそれは
所謂、プレイリースタイルという
ライト独特のデザインです。
現在では国の重要文化財に指定されています。

そしてフランク・ロイド・ライトの
愛弟子である遠藤新。
彼が設計したのが今回演奏会が行われた
講堂です。



これまた、ライトの意匠が
随所に見られる美しい建物でした。

そして今回、メンバーのT氏より行われた演奏会
「蘇るショパン時代の音色」と題し



古楽器ともいえるプレイエルピアノで行われました。
因に上の写真のチケットは手作りのフリンジが
付けられた愛情溢れる貴重なチケットです。

プレイエルピアノ1841年製 80鍵のピアノです。



クラシックで美しい佇まい。
ドイツ製の重厚で立体的な音に対して
このピアノは繊細で優雅な音でした。

これがシンキングトーンと言われる所以ですね。

さて、演奏はマズルカからノクターンまで
休憩を挟んで90分間。
会場は200名近くの人で2階まで満席。
そして、とても繊細で気品ある演奏に対して
何度もアンコールの喝采があったのは
言うまでもありません。

素晴らしい演奏でした。

クラブメンバーらしく
後半でお色直し(!?)があり
その日出来上がったばかりの
ブラックウォッチのビスポークスーツが
とても素敵でしたね~。

そして演奏会終了後は
近くの中華店で和やかなクラブミーティング。
最近MEN'S Exで新連載が始まった
K氏による乾杯の発声。



久しぶりに顔を合わせたメンバー同士
ラストオーダーを迎えても
話は尽きる事がないのでした、、、

さて、クラブミーティングと言えば
厳密なお約束事が。

そちらは又、明日。

アクアスキュータムのトレンチコート

2010-10-03 05:22:00 | コート
ということで昨日の続きです。

そう、、、、
いってしまいました
アクアスキュータムのトレンチコート。

実はこのコートを知ったのは
MEN'S Ex 10月号です。
下の記事が載っていたので
早速、伊勢丹へ訪問。



問い合わせ多数で
当日は朝から並ぶかもしれませんとのこと。

ということで、早速発売当日の朝一番で行ってみましたが
誰も並んでいませんでした(笑

ただ、発売前に先払いで物を押さえてほしい等
かなりの人気だったようです。

今回のトレンチコート
実は伊勢丹別注になります。
その名もMODEL1914 ISETAN KINGSGATE。
製造はインポートと同じコービー工場にて
200以上の工程を経て作られます。
よってタグにはMADE IN ENGLANDと入っています。
ベージュとネイビーでそれぞれ50着の
計100着の限定品です。

では、何が通常のコートと違うのか
仔細に見ていきましょう。

まずはこのコートのスタイル。
第一次世界大戦、1914年に英国軍に配布された
トレンチコートのディールを正確に復刻したものです。


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生地は定番中の定番
1090を使用。
所謂、高級エジプト綿でオレンジ色の糸を使い
玉虫調の色合いとなっています。
アクアスキュータムの綿ギャバジンは
糸を作る段階で防水加工がしてあり
以前は消防用のホースで水をかけて
テストしていたといいます。
水を通した場合は無料で交換とも。
又、そのままお風呂に投げ込むと
浮くという話もありますが
もちろん試していません(笑。

さて、拘りのディティールです。

まずはアングル・スラッシュ・ポケット。
雨が入るのを防ぐ為、2重構造になっています。


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そして、スーツ(当時は軍服)のポケットから
物が出せるようにスルー構造になっています。
バーバリーと違ってこの渋い
ギンガムチェックがいいですね~。


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そしてもっとも特徴的な大型のチン・ストラップ。


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この状態にして使う事は
ほとんどないと思いますが
(バイクにの乗る方は別ですが)
カッコいいですね~。

さらに背中のストレートなケープド・バック。
これも当時のデザインのままです。


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そして右前肩の小さめのガン・フラップ。
今の通常のモデルと比べると大分小さいですね。


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写真を見るとわかりますが
肩がラグランではなくセットインスリーブとなっています。
これも当時の意匠を再現したもの。
私はラグランよりこちらの方が
シャープで好きです。

そして着丈は本来は膝丈でやや短めなのですが
余裕をもったサイズにしたかったので
スーツなどよりワンサイズ上のフィッティングにしています。
その為、ややオリジナルより長めなっていますが
私の好みとしては、むしろこの丈の方がいいので
特に調整とかはしていません。


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後はベルト類の作りが丁寧ですね~。


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こちらは腰のベルトですが
かなり丈夫に作られています。


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ボタンにはアクアスキュータムの刻印。


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実はコートは既に10着以上あり
人生最後のコートはキャメルのPコートと
思っていたのですが
これは、予想外の展開となりました。

今から25年以上前、当時ダーバンにいた時に
初めて社会人になって購入したコートが
ダーバンのトレンチコートでした。

そしてトレンチコートの終着点は
バーバーリーではなく
アクアスキュータムというところが
人生何があるかわからない
面白いところですね。

(ちょっとオーバーかな 笑、、、)