いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

ブラックパールのチョーカー

2011-11-27 05:16:25 | カジュアル
ブラックパールのチョーカーです。
神戸ブランメル倶楽部のコラムで有名なTonyさんの
お知り合いのところで
作っていただいた逸品です。



真珠のアクセサリーには興味がありませんでしたが
ブラックパールというのは盲点でした。
Tonyさんがされているのを見て
「おっ!ステキ」と思いTonyさんに訪ねたところ
「らみいさんも作る?知り合いやから格安で作れるで~」
(正確な関西弁でなったから、失礼。あくまで雰囲気です)
と言われ、お願いした次第。

ブラックパール
所謂、黒真珠の95%はタヒチのフレンチポリネシアで
養殖されています。
何とそのうちの約半分が日本へ輸出されています。
この黒真珠はその中でも
同地政府が定める基準に沿って検査出荷された
タヒチアンパールになります。

黒真珠は通常直径8mm~14mmで
もちろん径が大きい程価値が高く貴重です。
今回のこの黒真珠は直径12mmですので
黒真珠の中でも大きめのモノに属します。

又、同じ黒真珠でもピーコックやシルバーグレーなど
5種類程あり今回の黒真珠は純粋なブラックになります。



チョーカー部分ですが
一見革のように見えますが硬質のゴムで出来ていて
濡れても問題なさそうです。

ブラックパールのチョーカー
私はスーツには合わせませんが
セーターなどのカジュアルなスタイルや
ジャケット+トラウザース
特にイタリア系のジャケットを着用する場合は
最近好んで付けています。

ブラックパール
ちょっとしたアクセントに
「いいね!」と思います。






リストのクラブミーティング

2011-11-26 05:51:39 | その他
去る11月16日
池袋の自由学園明日館にて



パーソナルテーラーのクラブメンバー
巨匠T氏のフォルテピアノリサイタルがありました。

このコンサートの参加を兼ね
当日クラブミーティングを開催する事が決定。
当日のドレスコードは
クラブメンバーとして恥ずかしくない装い(難しい)
そしてクラブタイ着用と相成った次第です。
会場にはクラブメンバーが10名以上集まり
それぞれ思い思いの装い+クラブタイで
コンサートに臨みました。

当日の演目は
もっとも演奏が難しいと思われる
音楽家の一人に数えられる
「ピアノの巨人」フランツ・リストです。

演目は少年時代のリストにスポットをあて
14歳の時の作品「12の練習曲」を
中心に行われました。

当日使われた楽器は
オリジナルのウィーン式アクションの
古楽器に属するフォルテピアノ。



現代のピアノは突き上げ式で音を出すイギリス式に対して
当時の楽器は鍵盤とハンマーが直結していて
ハンマーを跳ね上げて音を出すウィーン式。
音色がまったく違い
軽快で明るい音ですが
イギリス式に比べると音量も小さく、そして繊細です。
イギリス式のピアノは鍵の沈む深さが約1cmに対し
ウィーン式のピアノは約6mm。
軽やかに繊細に弾ける反面
些細なタッチミスも露見してしまう
とても難しい楽器。

これを使って超絶技法の名手と言われる
リストを演奏するとは流石です。

さて会場は自由学園のホール。
会場はT氏のファンで満席。
このホール、とても古楽器にあった
回り込む様な響きがあり
正に会場としても最適だと思いました。

そして当日のT氏の装いも素晴らしかった。
ツイードのウィンドペーンのスポーツコートに
落ち着いた色のエレガントなクラシッククラバット。
同色系で合わせたオッドベストとトラウザースの
カラーコーディネイトもエレガント。
靴は当日出来上がったばかりの
ビスポークシューズだったようですが
もっと良く見ておけば良かった、、、

さて演奏は流石T氏。
流麗で時に優しく、時に力強く
そして正確無比な演奏でした。



そして、演奏が終わり
定番になりつつある中華店!!で
会食となりました。

北海道から駆けつけたメンバーの方もいて
愉しい服飾談義に花が咲いたのは
言うまでもありません。



「人生を愉しみましょう」を合い言葉に
こうして愉しい夜は
更けゆくのでした。

巨匠、素晴らしい演奏
ありがとうございました。




フランコプリンツィバリ ツイード 3P

2011-11-23 06:15:40 | スーツ
神戸ブランメル倶楽部用にオーダーした
フランコプリンツィバリのツイードの3Pです。

「ツイード ア ウォーク」の2日前に
出来上がったスーツです。
今回は完璧な仕上がりで
ホッとしました。
万が一、修正が発生したら
もう間に合いませんでした。

さて、今回の生地は以前このブログでご紹介した
英国ウィリアムブラウンのモノ。
おおよその目付は380g/m位です。

ツイードにしては
ちょっと軽すぎるかなと思いましたが
実際スーツとして仕立てると
結構重さもあり仕立て映えする生地でした。
流石、英国生地。

グリーンに茶色のウィンドペーンですが
3Pにしても派手にならず
なかなか良いチョイスだったと思います。
そして仕立ててみて分かったのですが
ウィンドペーンは袖付け部分とか
ラペルの柄を左右対称にするとか
結構柄合わせが難しい生地だと思いました。
今回は完璧な仕事ぶりだと思います。

ディティールですが
最も特徴的な袖付け。



これが動き易さに一役買っていると思います。
袖は4つボタン本切羽で
フランコ流の一番奥が眠りボタン。



そして裏地ですが
フランコさんに選んでもらったモノ。
クラシックなスーツは
奇をてらうのはNGとのことで
もっともオーソドックスな色合わせです。



そしてウェストコート。
おっと腹ぐりのダーツが、、、



いつもアームホールが問題になる
ウエストコートですが
実質的なパタンナーである三陽商会のK藤氏に
何度か修正したフランコのオッドベストを
貸し出し型紙を修正してもらいました。
今回は一発OKでした。流石K藤さん。

そしてトラウザースです。
最近オーダーするスーツは
よりテーラードな物ということで
ファスナーからボタンフライに変えています。



ボタンフライも慣れれば
あまり煩わしさを感じません。
まあ、見えないところなので
単なる自己満足とも言えますが。

そして今回特別な仕様としては
生地がツイードなのでトラウザースの裏地は
全面に裏地を付けてもらいました。
これは職人さん、大変だったかもしれません。


クリックするとフロント裏地になります

これは履き心地がチクチクしないだけでなく
トラウザースの痛み防止にもなるとのこと。
しかし、この仕様
なかなか気持ちいいので
全てのトラウザースをこうしたくなりますね。

さて、下の写真は
「ツイード ア ウォーク」当日の装い。



靴はトリッカーズのセミブローグ
ドレスシャツはライラックで
タイはウールタイとも思ったのですが
それではあまりにカントリー過ぎるので
ロードアランのタイを合わせました。

夜の交流会でSIPS鈴木晴生氏に
お世辞でも褒めてもらったのが
何よりも嬉しかったです。

さて、このスーツ
チャンレジャーである私は
会社にも着用していきます。

クラシックなスーツなら
ツイードでもOKなはずという
思い込みで、、、



ツイード ア ウォーク 2011 その2

2011-11-20 06:15:07 | その他
さて、昨日の続きです。

ツイード ア ウォーク
当日の会場である神戸ファッション美術館には
実際に有名な映画で使われたスーツが何点か
展示されていました。

いや、いや、神戸ブランメル倶楽部
凄いネットワークですね~。

冒頭の写真のストライプのスーツ。
1972年の「ゴットファーザー」で
マーロン・ブランドが着用したスーツ。



そして下の写真は1995年
「カジノ」でロバート・デニーロが着用したスーツ。



ロバート・デニーロ


トルソーに着せていると
イマイチ雰囲気が伝わらないですね~。

そして、こちらは1997年あの「タイタニック」で
レオナルド・ディカプリオが着用したスーツ。
特徴的なフロントです。



レイナルド・ディカプリオ


記憶にまだまだ新しい映画ですね。

さて、この後はいよいよ交流会です。

移動の途中にあの手作り鞄で有名なル・ボナーさんを
一緒に行ったI田さんにご紹介いただきました。
魅力的な鞄が沢山ありました。
今はビスポークは受付されていないとのことでしたが
いつか復活して欲しいと思った次第です。



交流会の会場は神戸海岸通りのザ・チャータードスクエア。



重厚で豪華なビルですね~。

続々と来場者の方が集まってきます。
交流会だけ参加される方も沢山いらっしゃるので
100名近くの方が集まりました。



当日はうちの会社のソフトのデモとかも
させていただいたので、私も冒頭に少しだけ
挨拶させていただきました。

(百さん、河合さんありがとうござました)

会場にはこんなお歴々が、、、



手前から言わずと知れた
信濃屋白井さん
昼間のスーツから着替えられています。
流石です。
そして、今や伝説のブログとなってしまった
「STYLE MY WAY」のhiroさん。
その、ブログに度々登場されていた愛用者さん。
そして一番奥は、これまた関西の著名人から
全国規模に名を轟かせつつあるTonyさん。
Tonyさんのコラム最高です。

そして会場では何と
スペシャルショーならぬ
NY在住のKen 青木さんによる
hiroさんのジャケットの最終確認が行われていました。



左側の方がKen 青木さんですが
実はKenさんも昼間のスポーティな装いから
エレガントな3Pのツイードスーツに着替えられて
登場です。これ又、流石ですね~。
KenさんFacebookでは良くコメントとかで
絡ませていただきましたが
実はお会いしたのは初めて。
とても紳士な方ですが
何故か初めてお会いした気がしない
不思議な出会いでした。

ジャケットのチェックは続きます。



Kenさん、かなり拘りの方ですので
hiroさんが「OKですね」と言っても
「本当ですか?」と言いながら
チェックし続けていました。
流石プロですね~。



こうして神戸の夜は更けていき
交流会がお開きになった後も
愉しいメンバーと愉しい集いが続いたのは
言うまでもありません。

それにしても
3次会の「鉄心」良かったな~、、、



ツイード ア ウォーク 2011

2011-11-19 06:09:48 | その他
2週間ぶりのご無沙汰でした。
去る11月12~13日に神戸で行われた
「ツイード ア ウォーク2011」に
参加してきました。

今回もとても盛況で
北海道など普段中々お会い出来ない会員の方とも
お会い出来、とても愉しい集いとなりました。

「ツイード ア ウォーク」
まずは神戸ファション美術館の講演会から
スタートです。

冒頭の写真の方は
あの著名な石津祥介氏。
石津氏は
あの『 VAN JACKET』創業者・故 石津謙介氏のご長男。
有限会社石津事務所の代表でもあり
ファッションデザイナー、ファッションディレクターとしても
ご活躍の方です。

今回の会場は机を取り払い椅子だけ。
しかも講演者の
すぐ近くに椅子が設置されていたので
とても和やかな雰囲気で始まりました。



さて、講演のテーマは
「石津謙介生誕100周年記念」
パネラーは
SHIPS 顧問であり
メンズ・クリエイティブ・アドバイザーでもある
鈴木晴生氏。
物腰穏やかなとてもエレガントな方。
服好きの方なら良く雑誌に登場されているので
ご存知だと思います。

そしてもうお一方は
渋いヒゲがカッコいい
UA バイヤーであり
UA&SONS ディレクターの小木基史氏。



当日は貴重なTAKE IVYの上映からスタートし
VANの話に留まらず当時のメンズファションから
現代に至るまで話は尽きる事がありません。
パネラーと石津氏とのやりとりは
服好きには大変興味深く
とても愉しい雰囲気で話は展開していきました。



そして休憩をはさみ
第2部は
「映画に見るメンズ・ファッションのインスピレーション」
映画の服飾的なハイライトシーンを見ながら
当時のファッションについてフリートークしていくというもの。
トークショーの進行は先ほどの鈴木氏と
信濃屋のあの白井さんです。



題材の映画は以下の通り。

 1.The Shooting Party
 2.BRIDESHEAD REVISITED
 3.炎のランナー
 4.断崖
 5.汚名
 6.スティング
 7.ワンス・アポン・タイム・イン・アメリカ
 8.俺たちに明日はない
 9.コットンクラブ
10.ボードウォーク・エンパイア

これはファッションだけでなく
映画好きの方にも堪らないテーマではないでしょうか?

特に「The Shooting Party」の
エドワーディアンスタイルと
TVシリーズだった「BRIDESHEAD REVISITED」の
ブリティッシュトラッドはとってもかっこ良かった。

原作者Evelyn Waughの
「ウィットとトラッドは目立ちすぎないように」
という言葉もいいですね。

さて、ツイード ア ウォーク
まだまだ続きます。






翼の王国 アランセーターの伝説を追って

2011-11-06 06:51:51 | その他
以前もご紹介した
ANAの機内誌「翼の王国」です。
この機内誌、特に海外取材の記事は
あまりにも力作が多いので
いつも注目しています。

そして今月号も。
あの「英国王室御用達」の著者
長谷川喜美さんの記事が掲載されています。

タイトルは
「家族の絆を編む島」
アランセーターの伝説を追って

何と32Pに渡る大作が掲載されています。



「アイルランドには"伝説のセーターの島"があるという。」



印象的な前書きから始まるこの記事は
単なるアランセーターの紹介ではなく
正に紀行文。
アラン諸島のイニシュモア島から
イニシィア島そしてイニシューマン島への
長い取材旅行を行い書き上がられた作品です。

そして読み進んでいくうちに
自分もいつの間にか一緒に旅をしているような
その場で現地の方の話を聞いている様な
錯覚に陥ります。

綿密な事前調査の上
取材をしたと思われる記事の内容。
そして伝説の核心へ迫っていく様子は
正に小説かもしれません。

印象的な文章に合わせ
とても美しい写真の数々。
アラン諸島の自然の美しさ
そして厳しさが伝わってきます。

そしてそこで暮らす人達の生活ぶり
素朴な人柄までもわかり
感銘を受けました。

下の写真はとても貴重な
伝説の始まりとも言える
アランセーターのアーカイブ。



凝った袖口の編み込み
そして数えきれないパターンを編み込んだ
1946年のカーディガンです。

そして私が心惹かれた
柄のアランセーター。
とても美しい柄だと思います。



この作品(記事)を読んで
アラン諸島へ行きたい!
と思わない人は
いないと思います。

私も必ず訪ねてみたいと思います。

願わくば今までの長谷川さんの記事
そして今回のものに、新たな取材も加え
1冊の本として出版して頂く事を
願ってやまない次第です。




究極のガーメントケース

2011-11-05 06:56:50 | 
探し歩いているガーメントケース。

ひとつの究極の形のガーメントケースを
見せて頂きました。

場所は銀座の魔窟こと
いつもお世話になっている
パーソナルテーラーです。

このガーメントケース
パーソナルテーラーのオーナーである
H川氏がヨーロッパでビスポークしたもの。
ヨーロッパに居住していた時との事ですので
かなり昔の物だと思います。

氏はいつも小旅行の時は
このガーメントケースひとつで出かけたとの事。

とてもよく鞣された
ブライドルレザー。
かなり肉厚で鞄自体の重さは
恐らく3kg~4kg位はあると思います。

鞄のハンドル部分はとても
頑丈でまず壊れる事はないような作りです。
両サイドは革のベルトで閉じ
下の部分には鞄に入れたまま
スーツがかけられるよう
ハンガーラックが付属しています。

表面に大きな傷がありますが
これは一度だけ間違って飛行機に乗る際
荷物を預けた時についてしまったモノとのことです。

そして裏面。



ファスナー部分はドレスシャツなど
色々な物が仕舞えるポケットになっています。
氏の本名はF原さんというので
M.Fとイニシャルが入っています。

写真はありませんが
内側はシルクサテンになっていました。

さて、この手のガーメントケース
今は見る事がまずありません。

とても上質でしかも頑丈そうな革。
使い込む程にエイジングしていく。
正に旅を重ねる人と共に
年輪を重ねて行き、そしていつも寄り添い
サポートしてくれるようなガーメントケース。

今はビスポークでも
ここまでの鞄は作ることは難しいのかもしれません。

当面はガーメントケース探しの旅は
続きそうです。



ユーサフ・カーシュ作品展

2011-11-03 05:22:30 | その他
六本木ミッドタウン。

10月29日から今日まで
年に1度のデザインの祭典
デザインタイドが開催されています。



その際、ミッドタウン内の
富士フィルムスクエアに
面白い展示があるとの情報を聞きつけ
早速行ってきました。

ユーサフ・カーシュ作品展
ポートフォリオ
FITTEEN PORTRAITS。
10月末までの開催予定ですが
会期を延長して行われていました。

ユーサフ・カーシュとは1908年生まれの
カナダ出身の写真界の巨匠
各界の著名人のポートレートで有名です。

特に下の写真の
ウィストン・チャーチル。



ディレクターズスーツに
ポルカドットのボウタイ。
そして懐中時計のチェーン、、、
チャーチル定番の装いです。

この写真が1936年創刊の
もっとも有名なアメリカのグラフ雑誌
「Life」の表紙を飾り
カーシュを一躍世界的に有名にします。

カーシュがこの写真を撮った時のコメントによると

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1941年チャーチルがオタワを訪れた際
周到に撮影の準備をした議長室に
時のカナダ首相マッケンジー・キング首相
そして側近を従えたチャーチルを
招きいれた。

フラッドライトを点けた瞬間、驚いたチャーチルは
「何だ?これは何だ!」と怒鳴った。
誰も説明しようとしないので、私がおどおどしながら進み出て
「閣下、このような歴史的な瞬間に
 お写真を撮らせていただけると光栄です」というと
チャーチルはこちらをちらりと見て
「なぜ事前に一言ないのかね?」と言った。

側近たちが笑い出し
そして、チャーチルは葉巻に火をつけ
いたずらっぽく煙をふかした。

そして鷹揚に態度をやわらげ、
「1枚とってもよかろう」と言った。

しかしチャーチルはいつまで待っても
葉巻を口から離さないので
私は何も考えずに
丁重に「失礼します」と言い、葉巻を口から引き抜いた。

カメラに戻ると、チャーチルは噛みつかんばかりに
私を睨みつけていた。
写真を撮影したのは
まさにその瞬間だった。

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このチャーチルの何とも言えない表情。
私もとても好きな写真の1枚ですが
その背景が納得出来るエピソードです。

この写真展、その他にも
ヘミングウェイやアインシュタイン
そしてピカソなど代表的作品が展示されている
とても希少価値の高い展示会です。

ぜひ、秋の装いをして
出かけてみてはいかがでしょうか、、、