いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

エドワードグリーンのカンタベリー

2016-11-27 06:58:07 | 
エドワーグリーンのノーサンプトンのアウトレットで購入した靴、一足目はカンタベリーです。



カンタベリーはデパートの売り場などでもよく見る定番ですが、この色は初めて見ました。クラウドアンティークブラックカーフという名称が箱に書いてあります。つま先の部分と紐を結ぶ部分が黒、その他の部分がグレーになっています。見た瞬間、これ、かっこいいな〜と思いました。ラストはE82ラスト。エドワードグリーンは10足以上ありますがこのラストは初めてです。オーソドックスなエックドトウの202ラストなどと比較するとややロングノーズ気味の現代的なラストかと思います。



ソールの仕上げが又かっこいいですね〜。土踏まずの部分が黒く塗られています。普通のカンタベリーは1色ですので何か特別な感じがしますね。



インソールのラベル表記は最新のものではなく一番慣れ親しんだ以前のタイプ。



サイズ表記にはE82ラストの表記が。



そして踵の部分がまた美しいですね〜。思わず踵も鏡面磨きしたくなる作りです。

ツートンのエドワードグリーンは初めてですが、スーツでもスポーティなジャケット+トラウザーズの組み合わせでも両方コーディネイトが出来そうです。ノーサンプトンのアウトレットは必ず自分のサイズがあるとは限りませんので、この色の組み合わせのカンタベリーが入手できたのはラッキーでした。

さて、どんな装いに合わせるか、ワクワクです。



そして憧れのファクトリーへ その2

2016-11-20 07:26:51 | 
さて先週の続きです。まずは番外編として定番靴のひとつドーバーのスキンステッチを行う様子を見せてもらいました。



いのししの毛針を使って縫っているとのこと。凄いですね〜。これを出来る職人さんの数も少なく、ひとつひとつ手縫いなのでそれほど数は作れないとのことでした。





靴の製造工程に戻ります。上の写真は専用の工作機械を使ってアッパーの釣り込みをしているところ。手際よく次々作られています。





ウエルトを縫った後にアッパーの革を靴底に縫いこんでいきます。この時点では既にアッパーの傷を防止する為にビニールのカバーがかけられています。





靴底にコルクを盛っていきます。このコルクがあることでショックを軽減し、又、履いていくことによりソールが沈み自分の足にフィットしていきます。





チャネル仕上げのソールの底付けが終わった後は、ソールにローラーをかけ表面を整えていきます。





こちらはヒールを付けてる工程です。釘を丁寧に打ち込んでいきます。



仕上げはソールに塗装をして、磨きます。

今回ご紹介した工程はごく一部ですが、ひとつの靴が出来上がるのにこんなに沢山の工程があることに大変驚くとともに感動しました。そしてその工程のひとつひとつが非常に丁寧に行われ、職人さん一人一人が誇りを持って仕事をしているのが伝わってきました。

エドワードグリーンとても良い靴だと思います。そしてその価格も適切だと思いました。

さて、この後ヒラリー社長にファクトリー内にあるアウトレットに行きたいと伝えたところ、何とヒラリー社長自ら案内していただき、フィッティングまでしてもらいました。



日本ではあまり見かけない靴などもあり思わず3足も購入してしまいました。さてお買い物も終わりヒラリー社長にお礼を言ってタクシーを呼ぼうとしたところ、何と先ほどスキンステッチをしていた職人さんが駅まで送ってくれるとのこと。そしてクルマが工場を出て見えなくなるまで、ヒラリー社長がずっと見送ってくれたのがとても印象的でした。

今回の英国ツアーでエドワードグリーンのファクトリー見学が最も感動的な出来事となりました。エドワードグリーンが更に好きになりました。今回の見学をアテンドしていただいた伊勢丹の鈴木様、そしてヒラリー社長にこの場をかりて心より御礼申し上げます。

さて、次回はそのアウトレットで購入した靴をご紹介します。


そして憧れのファクトリーへ

2016-11-13 07:07:14 | 
そして今回最大のミッション それは大好きな靴EDWORD GREENのファクトリーを訪問することです。EGの靴は10足以上持っていますが、今でも202ラストのチェルシーを履いた時の衝撃は忘れられません。革靴なのに運動靴のような軽快さ、そして踵を掴まれ土踏まずを指圧されるような独特の履き心地。そんな靴がどんな工程を経て作成されているのか、一度自分の目で見てみたかった、それが遂に叶う時が来ました。

ノーサンプトンの駅からタクシーで15分、冒頭の写真のファクトリーに着き、インターフォンで名前を告げます。程なくドアが解錠され中に通されました。



今回訪問したメンバーですが友人の大学教授のご夫妻、バタクハウスカット本店の川部店長、そして私の計4名で訪問させて頂きました。
まずは写真の応接室に通していただき、何とヒラリー社長みずから、紅茶と、ジンジャービスケットを振舞っていただき、約30分ほどエドワードグリーンの歴史などについて、お話しして頂きました。そしていよいよ工場見学です。



何と!ヒラリー社長みずから工場を案内して頂きました。



まずは靴のアッパーの革をカットする工程です。革はやはり自然のものなので、場合によってはキズなどがあります。これを避けながら透明なプラスチックの型を使いながらカットしていきます。各職人さんがそれぞれカッターをカスタマイズしているとのこと。とても綺麗にカットできるものですね。





そしてこちら。PCの画面には何とCADのソフトが!PCで靴のサイズを指定すると靴の型紙が自動的に描画されるのです。う〜ん時代は変わりましたね〜。



工場内を移動する途中、色々な種類のラストが置いてあるラックがありました。写真は比較的新しいラストのラックのようです。



こちらはウェルトをソールに縫い付ける工程です。特殊なミシンを使って手際良く行っています。



ウィングチップの靴に飾りの穴を開けている工程です。穴を開ける場所に印が付いている訳ではないので、職人さんの経験と勘で位置決めをしてひとつひとつ穴を開けていきます。まるでオートメーションのロボットのように正確に作業が行われていました。これは結構手間がかかる工程ですね〜。



さて、今回はここまでです。とても印象的だったのは職人さんが靴を非常に丁寧に扱っていた事です。他のメーカーでは靴をバンバン投げて扱うようなシューメーカーもあるようです。そして皆さんとても優しくて作業する時も「こっちから見た方が見やすいよ」とか、作業を一旦止めながら、色々説明をしてくれました。本当に感謝です。

さて、この後はいよいよ吊り込みや底付の工程になります。

引き続き次回レポートしますね。お楽しみに。


そして英国へ行った最も重要なミッションとは

2016-11-06 06:52:34 | 
英国レポートも終盤にかかってきました。
今回の出張の最も重要なミッション、、、

それは



こちらのある場所に伺うこと。



そうノーザンプトン。
英国の方はノーサンプトンと言っていました。ロンドンのユーストン駅から特急電車で約1時間。今は冒頭の写真のようにとてもモダンな駅になっています。そしてこちらは靴好きなら知らない人はいない、別名「靴の聖地」と言われています。ジョンロブ、クロケット&ジョーンズ、チャーチ、トリッカーズなど本格英国靴のファクトリーが集まっている地域です。なぜこんなにもシューメーカーが集まったのか。一説によると豊富な水と樫の木があり、靴の革をなめすのにとても適した土地柄だった為と言われています。



そしてこの方とお会いするのが今回の最大のミッションでした。

そうこの方です。

詳しくは次回、、、



好きな方ならすぐにわかりますね。