いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

バタクハウスカットのクラシック・ラグラン

2017-12-25 06:00:00 | コート
さて、先週の続きです。スーツを受け取りに行くと何やら妙に色気のあるコートが。普通のウールのステンカラーコートと思いきや、とても綺麗なAラインのラグランコート。しかも大柄なヘリンボーンの生地がとても魅力的です。コートの受注はすでに終了しているのでお店にあるのはゲージモデル。運良く(悪く?)自分のサイズのコートがあるではないですか。試着をしてみると何とも良い雰囲気。



コートはやはり後ろ姿がいいかどうかですよね。そしてこの時、運命的な事件が!そう、試着したコートを脱いだ時、プライスタグが外れたのです。これはこのコートが「私を連れて帰ってください」と言っているのに違いないという妄想MAX。良い物は出会いのタイミングが全てですからね。ということで、めでたくお買い上げです。

このコートの生地、MARLING & EVANS(マーリン&エヴァンス )は 1782年イングランド南西のストラウドで創業。1920年代にはフランネルの生地があのロールスロイスの内装に採用され話題になりました。その後、1960年代に現在のヨークシャー ハダースフィールドに移転。こちらの生地はアンダイドブリティッシュウールという天然素材を使用。ジェイコブス、シェットランド、ウェルシュブラックなどの英国羊毛の天然カラーの糸を使い、紡績や織りの工程には染料や化学物質は一切使用せず、仕上げ工程も天然石けんを使うという徹底ぶり。体と環境に優しい生産方式をとっているのが特徴です。

こちらの生地の目付は720g/m、コート自体の重みはかなりずっしりきますが着てしまえば肩にバランス良くコートが乗るので気になりません。当初は今の東京では重すぎるのではないかと思ったのですが、今年は冬の寒さが思いのほか厳しく、実は現在大活躍中です。



1930年代を連想させる大きな襟、そしてAラインのデザインがとても美しいです。今はやりの丈が短くてぴたぴたのフィッティングではなく、身頃にかなり余裕があるフィッティング、このクラシックな雰囲気がとても好きです。



さて、もうコートは買わないと言って久しいですが、何着あるかも、もうわからなくなりました。ここはもう開き直り、来年はこのデザインのブラックウォッチのコートをオーダーしようと思っています。このコートがあると雪さえも楽しく思えそうです。

本日はクリスマスですね。
あなたにとって素晴らしい1日となりますように。


バタクハウスカットの3Pスーツ

2017-12-17 09:06:50 | スーツ
バタクハウスカットの3Pスーツが出来上がりました。



銀座で行ったスペシャルなイベント「好事家の集い」に間に合わせる為に、お願いしていましたが無事に仕立て上がりました。川部店長が新しい型紙なのでちゃんと採寸出来るかな〜?と冗談まじりにおしゃっていましたが、そこはさすがプロ、非常に完成度が高いです。



今回はウエストコートがタブル、シングルに比べると採寸の決め具合がちょっと難しいと思います。背中のウエスト絞り用のベルトはつけていなのでその分、どのくらいのフィッティングにするか川部店長はだいぶ悩まれたと思います。新しい型紙のオーダーの場合、特にウエストコートは腕の付け根あたりにたるみが出ることが多いのですが、今回はそれもありませんでした。



ウエストコートがダブルだと上着のボタンを外した時、ちょっと雰囲気が変わって新鮮です。

肝心な着心地ですが違和感がなく目付のあるこの生地の重さを全く感じさせません。中寺氏のひく型紙の完成度はやはり素晴らしいです。これならオフィスで上着を脱ぎたくなることもありません。スーツのシルエットはとても構築的ですが本当に快適です。以前のモデルに比べると襟の形や前身頃の裾の形が変わったようですがバタクらしい凛とした雰囲気は変わっていませんね。

このところ、イベントやパーティ、忘年会など立て続けにありますが、なるべくこのスーツを着用し早く体に馴染ませたいと思っています。

そして好事魔多し。スーツを受け取りに行った時にまた、事件が勃発。それはまた次の機会に。