いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

フランコプリンツィバリ オーダー会 2015春夏

2015-04-19 08:08:34 | スーツ
例年恒例のフランコプリンツィバリのオーダー会である。
もう恒例行事で最近はこれによって季節を感じるようになった。
とくにこのところは半年、1年がとても早く感じられる。

フランコ氏、毎年今年が最後といいながら
ちゃんと日本に来てくれ
こうして旧友に会うように親しくしてくれるのは
ありがたい事だと毎回思う。

さて、オーダー会であるが
場所はメンズ館のいつもの個室である。
室内には三陽商会の方々と通訳のクララさん
やや遅れてフランコ氏が入って来た。
フランコ氏といつものハグを交わす。
しばし近況の情報交換を済ませた後
前回のスーツのフィッティングチェックが始まる。
いつも通りの流れだ。



フィッティングチェックは
いつもと変わらぬ触診スタイル。
既に10着以上作っているので
今回は修正すべき箇所がなかった。
変なもので修正を重ね型紙が完成すると
ちょっと寂しい気持ちもする。

フィッティングチェックが終わると
どんなスーツを作るかという話になっていく。
春夏は例年、2Pのシングルブレストのスーツを
オーダーする事にしている。
今年もしかり。
今回は生地を事前に決めていなかったので
バンチブックから生地を選ぶ。
いくつか気になる生地のバンチをフランコ氏に見てもらい
出来上がりのイメージなどを話す。
こういったやりとりが結構楽しい瞬間だったりする。

そして最終的に選んだ生地はこちら。
ダークグレーのストライプである。
これにまた、オッドベストをオーダーし
コーディネイトしようと考えている。



生地が決まり、裏地やボタンを選ぶ。
裏地でちょっと遊んでみようかと思うが
フランコ氏がその裏地はエレガントでないと
良い顔をしないので
今回もごくオーソドックスな裏地とボタンの
組み合わせとなった。

そういえば、以前
裏地で白やグリーンにしたことを思い出した。
その時は良かったのだが
奇をてらったものは結局その特異性ゆえか
後から恥ずかしくなったり
妙に時代遅れ感が出たりする。
やはりフランコ氏のアドバイスは的確なのだろうと改めて思う。

スーツの仕様も全て決まった。
仕立て上がりは2ヶ月後、今から愉しみである。




先日、伝説のブランド「EDWARD'S」を
小林秀雄氏と作り上げた畑埜佐武郎氏が亡くなられた。
何を隠そう実は初めてフランコ氏を
日本に連れて来たのは畑埜氏である。
畑埜氏とフランコ氏と私で一緒にお会いしましょうという約束も
果たせないままとなってしまった。
畑埜氏は私のような素人の服飾好きにも
とても優しく接してくれた。
お通夜にも畑埜氏を慕う
服飾関係者が沢山参列され
氏のお人柄が偲ばれる光景であった。

心よりご冥福をお祈りします。