いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

やってしまいました。そしてOMASのボールペン

2017-11-19 10:16:49 | 万年筆 ステーショナリー
やってしまいました。大切にしていたモンブランのボールペンを無くしてしまいました。筆記具は通常ペンケースに入れているのですが、どこを探しても見当たりません。何十年ぶりかに大切なものを紛失しました。しかしこれも運命、早速、その日うちに銀座のITOYAに代替品を探しに行きました。本館にはいろいろありますね。いくつか気になるモデルを試し書きさせていただき、その中で気になったボールペンが今回ご紹介するOMASです。



ランボルギーニの本社があることでも有名なイタリアのボローニャ、1925年この地にアルマンド・シモーニが開いた工房がOMASです。植物性樹脂のコットンレジンをボディに使った12面体のアルテイタリアーナが象徴的なモデルとして有名です。万年筆を始め木製ボディを持つものなど多彩なラインナップを持っていましたが、じつは2016年2月に会社が解散してしまいました。この美しい筆記用具が今ある在庫のみで今後手に入らないと思うと、とても欲しくなり購入に至った次第です。



ケースにはこんな文字も。ITOYAさんにもいくつかのモデルがありましたが、どうしても自分の欲しくなる色がありません。そしてネットで見つけたのが今回のグレイ色のボローニャというモデルです。



2005年にオマス誕生80周年を記念して発売された限定モデル。2013年に生産終了となった後、近年日本限定モデルとして復刻したものです。イタリアらしいとても美しいボディです。



ちょっと見ずらいですがペン先にはボローニャの街のシンボル、ポルティコ(柱廊)が繊細なタッチで彫刻されています。 このマーブル調の色合いもとても良いですね。また、ビスコンティのようにクリップにこれ見よがしにブランド名などが入っていないところも気に入りました。



円形ですので手になじむ持ち味、そして万年筆のような非常になめらかな書き味です。モンブランを紛失しなければ、OMASと出会うこともなかったので、これこそ災い転じて福となす、というところでしょうか。

残念ながら今後はリフィールの生産はなく、在庫もないので互換性のある日本のリフィールを使うことになります。場合によってはオリジナルのリフィールを温存させておいて、普段は日本製のものを使おうかとも思っています。歴史のあるOMASがなくなってしまったのは非常に残念ですがそれゆえ、現在のモデルの希少性が高まったともいえます。毎日、大切に使おうと思います。


感涙のヘミグウェイモデル

2012-03-04 06:51:19 | 万年筆 ステーショナリー
さて、冒頭の写真は何かご存知でしょうか?

そう、モンブランが1992年に発売した
作家シリーズ第一弾のヘミングウェイモデルです。



一時期は60万以上という
法外なプレミアムがついたこの万年筆
何といただいてしまいました。



私のブログの読者でもあり
私の親しい友人でもある
関西の大学の准教授博士のI藤さん。

先日出張で東京に来られた時に
昼食をご一緒させていただいたのですが
その別れ際に鞄からおもむろに出され
「独立のお祝いに」と渡されました。

開けてみて、ビックリです。

I藤さん、私が万年筆好きで
しかも、いつかはヘミングウェイというのを
知っていての心配りです。

嬉しいですね~。

さて、このヘミグウェイモデル
I藤さんが、昔使っていた物とのこと。
もう既に、使わなくなって15年との話ですが
とても大切に使われていたので
状態が非常に良く、すぐに使える状態でした。

とても美しい18金のペン先。



ペン先はロジウムコーティングになっています。



さて、書き味です。
念のため洗浄を行いましたが
デッドストック状態だったにも関わらず
まったく問題がありませんでした。



但し、自分好みの書き味にする為に
近いうちにペンクリニックに
チューニングに出そうと思います。

さて、今回も痛感しましたが
私は色々な方に支えられて幸せだなと
改めて思いました。

会社員を辞めると
遠のいていってしまう方もいますが
I藤さんは、全く変わらないお付き合いを
してくれる方。

感謝、感謝です。

さて、この万年筆。
私は道具は使ってこそ価値が出ると
考えるタイプですので
この万年筆も仕事で普通に使おうと思います。
ドイツ製万年筆は充分それに応えてくれると思います。

I藤さん、ありがとうございました。
私の独立のメモリアルとして
今回の事は深く心に刻まれました。

この万年筆に負けないよう
仕事も頑張って行きたいと思います。

革フェチなら

2011-12-24 05:37:37 | 万年筆 ステーショナリー
高級ビニールや先端化学繊維
コートやカジュアルなアウター
そして鞄。
こういった素材が全盛ですが
まったくこういった素材に興味がわかない私。

やはり昔からの天然素材がいい。
ウール、綿、シルク
そしてやはり革だと思います。

今回ご紹介するノートカバー。
革製です。
我ながら革フェチだと思います。

ASHFORDというメーカーの
牛革のノートカバーです。



とても柔らかく鞣されシボ加工された素材。
アクセントとなるブルーのステッチ。
実はこれ以前にご紹介した
マネークリップ
色合わせしています。
筆記具に拘ると、必然的にノートなども
気になるもの。
万年筆に普通のノートでは何か物足りないな~と
思っていたところ
革製のノートカバーを文具店で発見。
筆記具ケースが革なら
ノートカバーもやはり革といきたいもの。
この組合わせ、とても相性がイイと思います。

こちら、かなり実用的なノートカバーです。



裏側にはファスナーがついていて
ちょっとした資料やチケットなどが
保存出来るようになっています。



そしてマチもついていて
私はデスクから会議室に移動する時など
ここに万年筆ケースや電卓などを入れ片手で持ち
もう一方の手でノートパソコンを持ち
良く移動したりします。



そしてノートを開いた時の内側。
こちらの革はスムースな加工となっています。



両サイドにペンケースがついていますが
私はここにポストイットを入れ
ヒントやToDo項目があった時に
さっとノートに貼ったりしています。

なかなか実用的な
良く考えられているノートカバーだと思います。

決して高価でなくても
身の回りにあるモノ
特に毎日使う様なモノに
ちょっと拘ると、それだけで
気持ちが豊かになったり
気持ち良く使う事が出来たりします。

ステーショナリーも
そういったものの一つだと思います。

少しづつでいい。
決して高価なモノだけとは限らない。
でも、毎日が愉しくなる様な
そういったモノを増やしていきたいですね。






ブレイリオのペンケース

2011-10-16 05:50:34 | 万年筆 ステーショナリー


ブレイリオの肉盛りペンケースです。




伊東屋さんが好きで銀座へ行った際など
良く寄りますが
今回はラゾーナ川崎店に
寄った際に購入したもの。

ブレイリオとは比較的新しいブランドですが
実際には1910年から四代に渡り受け継がれる
伝統技術を継承する
革製品ブランドです。

このペンケース
正にモンブランを収納する為に
購いました。

素材は革フェチには嬉しい
オイルバッファローです。

イタリアの一流タンナーがなめした
バッファローカーフを使用し
これにオイルを塗り込み、もみを加えることにより
独特の手触り・風合いを持った革製品となっています。

これを全体的に丸みを帯びた肉盛りタイプで
作成するには
高度な職人技が必要とされますが
美しい縫い目と共に
とても奇麗に曲線を描きながら
仕上がっています。

今回購入したのは
3本の万年筆が収納出来るタイプ。

ちゃんと仕切り板も
手抜き無くコバの仕上がりも奇麗で
作りもとてもしっかり出来ています。



下の写真はモンブランの149を収納したところですが
大きさに的にもまったく問題なく収納出来ます。



又、仕切りがしっかりしているので
収納したペン同士が
ぶつかってしまうこともありません。
正にドイツの筆記具を収納するのに
相応しい作りのペンケースだと思います。

私は革製品ガンガン使い倒す方ですが
大事に使いたい方には
ちゃんとペンケースを保護する
布ケースも付属しています。
こういったちょっとした付属品も
ちゃんと用意するところに
ブランドの姿勢が表れていると思います。



万年筆を複数持ち運ぶには
こういったペンケースが
必ず必要になりますが
万年筆に拘りを持つなら
やはりペンケースにも拘りを
持ちたくなります。

職人技が光る製品
それがエイジングも愉しめる
革製品なら
最も相応しいのでは
ないでしょうか。

大峡製鞄や万双、土屋鞄のように有名でなくても
素晴らしいモノ作りをしているブランド。

どうか歴史を積み重ねていってほしいと思います。




ハートマンのレザーノートパッド

2011-10-09 07:12:06 | 万年筆 ステーショナリー
ボッテガみたいなイントラチャートの
ノートパッド。
実はハートマンのレザーノートパッドです。
右側下部には控えめに
ハートマンのヴィンテージな「h」のマークが。

このノートパッド
先日、オークションで落札したモノ。

素材は勿論、ベルティングレザー。
あまり見かけない珍しいモノだと思います。

ノートパッドを開けると
一番内側の革の部分は三つに仕切られていて
チケットやメモを挟める作りになっています。
その外側の部分は2箇所の大きなポケット。
私はちょっと気になる封書や
案内状を挟んだ置いたりしています。



下の部分には
hartmann by LOMBARDOのロゴ。
ブリーフケースにもこのロゴが入っているモノを
見かけますが、シリーズ名なんでしょうか、、、

そして右側には付属のノートが。
革のペンホルダーも付いています。



ハートマン純正の物で
ノート上部にはhartmannのロゴが入っています。

この純正ノート
既に補充出来る物は
もうないかもしれませんね~。

そして裏表紙部分は
シンプルなスッキリしたデザインとなっています。



重さは結構あるので
今は、自宅のワークルームで使っています。

革のステッチ部分は
非常に丁寧な仕事ぶり。
特にコーナーが美しく仕上げられています。
そして表拍子の凝ったイントラチャートの作り。

この部分はもっとエイジングが進むと
かなり渋~い感じになりそうです。

こういったステーショナリーが
書斎にあり
万年筆でちょっと思ったことなどを書き留める。

う~ん、ちょっと文学的な
愉しい空間ですね。


モンブラン 320 ブラック

2011-10-02 05:00:26 | 万年筆 ステーショナリー
モンブランの万年筆 320です。



前回、モンブラン マイスターシュテック149
オークションで入手した際
出品者の方から、何とタダで頂いたお品です。

モンブラン ヴィンテージ 320。
販売されていたのは
1970年代初頭~79年頃。
所謂、廉価モデルになりますが
そこはモンブラン
廉価版といっても
作りの良さは変わりません。

さて、ペン先には
比較的柔らかい14Kのペン先が付きます。



ニブ(ペン先)の形状は
比較的平たい形状です。
ヴィンテージといっても
ペン先には全く問題がありません。



書き味はとても柔らかく
インクフローもまったく問題なし。
流石、モンブラン。

インクはカートリッジ式になっています。



インクカートリッジは
モンブランブティックで購入したのですが
説明していただいた女性店員さんによると
下の写真のように装填し
いつも予備が1本入っている状態で使うと
便利とのことでした。

う~ん、なるほど、、、

そしてニブの太さは細字のFのようです。
今回の出品者の方のメンテが行き届いているのか
とても書きやすく、掠れ等も皆無です。



これでモンブランは
万年筆が149と320の2本
そしてボールペンのマイスターシュッテック1441の
計3本となります。

とりあえず、モンブランシリーズとしては
これだけあれば、入門者レベルとしては
充分かなと思っています。

しかし、万年筆の世界は奥が深く
その深淵の一部を見れただけでも
貴重な体験でした。

これ以上の深追いは、、、



モンブラン マイスターシュテック 149

2011-07-31 06:03:24 | 万年筆 ステーショナリー
モンブランのマイスターシュテック 149です。
実用品という意味では、ある意味究極の万年筆
そして、もっとも有名な万年筆ではないでしょうか。

現在、万年筆はモンテグラッパとペリカンを
所有していますが
やはりモンブランを所有していなければ
万年筆を経験したとは言えないのではないか?
と思い今回、購入しました。

モンブラン149
最初の
1はマイスターシュテックを意味し
4はピストンメカニズム方式である事を意味し
最後の9はペン先サイズを表しています。

そして数あるモンブランの中から
149を選んだのは
万年筆好きの愛読書である
「趣味の文具箱」vol.18がきっかけとなっています。
「万年筆の達人」のコーナーに
モンブランのリペアマイスターであり
万年筆の著書も多数出されている
古山浩一氏のこの言葉。



お金があれば149、
お金がなければ
貯めて149を買いなさい!


この文言にやられてしまいました。
この後は149とは、どんな万年筆なのか
というのを徹底的に調べ
これは必ず買わなくてはという
呪縛に捕われるという
いつもパターンに落ちていくのでした、、、

さて、今回の149
色々調べてみると最新のものより
1980年前後の物の方が
評判が良いようです。

しかしモノは万年筆ですので
中古という事になると
使っていた方の書きグセがついていたり
程度もわからないのでリスクがあります。

どうしたもんだろう、、、と思い
ヤフオクでチェックしていると
何と!1980年代の149デッドストック品を発見。
早速、入札し無事落札と相成りました。

さて、取引連絡も非常にスムーズで
無事商品が到着しました。

(出品者の方は大変親切な方で
 今回、色々ご指導いただきました。
 この場をかりて、厚く御礼申し上げます。)

こちらのケースに本体が丁寧に
梱包され送られてきました。



まずボディの状態です。
ディープブラックのプレシャスレジン製バレルは
傷一つありません。
そしてニブサイズ(ペン先)を表す
ステッカーが付いたままです。
これは調べたところによると
本体を痛める可能性があるとのことで
早速はがしました。



そしてペン先です。
柔らかいと評判の14K
文字サイズはMです。



とても美しいペン先の状態です。
モンブランの万年筆には
殆どのペン先に4810との数字が刻印されていますが
これはモンブランの標高とのこと。

そしてペン先
149のペン体は結構平たいタイプです。



そしてペンポイント部分
ゆがみも無く、奇麗に揃っています。



横から見た形も美しいです。



そしてペン芯部分。
エボナイト製の2段ペン芯から
80年代の物とわかります。
インクを補充した後に撮影したので
少しインクが付着しています。



執拗にペン先の写真を掲載している段階で
既に自分が万年筆病初期段階にあることが
わかります、、、

さて、肝心な書き心地です。

まずはインクの選択ですが
王道の万年筆に合わせるインクは
やはりこれですね。
モンブランのミッドナイトブルー。
以前はブルーブラックという名前でした。



書いた直後はやや青みがあり
時間とともに黒くなっていくインクで
公式文書にも正式に用いられるインクです。

さて、恐らく新品未調整のニブ
書き出しでインクがかすれたりするかな?とも
思ったのですが
最初から非常に滑らかな書き心地でした。

万年筆を買うなら、一番最初に買えば良かった
というのが正直な印象です。



ニブサイズはMですが
ペリカンのM400などに比べると
やや細めに感じます。

文字掠れなど一切無く
少し使い込めば
所謂 「ヌラヌラ」の書き心地になりそうです。

執筆家がこの万年筆を好む理由が
良くわかります。
やや太いのですが
手にしっくり馴染み
そして長時間使っても疲れない。

この万年筆なら素晴らしい作品が
生み出されそうな気がします。

149はそんな万年筆です。

さて、現在のペンの所有状況です。



左から
パーカーのボールペン
そしてモンテグラッパMIYA
ペリカン ヴィンテージM400茶縞

モンブラン マイスターシュテック1441
坂本龍一モデル(私が勝手に呼んでいます)
そして今回のモンブラン 149
モンブラン ヴィンテージ 320

という次第です。
320については、又、改めてご紹介します。

万年筆素人としては
これで充分と思っているのですが
太文字のBニブはなくて良いのかとか
考えてしまいます。

万年筆、、、

万年筆研究会や
万年筆調整の達人の方がいらっしゃたり
スペシャルなニブを販売している
お店もあり
あまりにも奥が深い世界です。

しかもモンブランには
音楽家シリーズや作家シリーズという
恐ろしい物があり
ヘミングウェイモデルなどは20万以上の価格で
取引されています。

ああ、恐ろしい世界。

万年筆の世界はこれくらいで
終わりにしたいな~。
と願っています。




ペリカン万年筆ケースと万年筆考

2011-01-08 05:15:32 | 万年筆 ステーショナリー
ペリカンの万年筆のケースです。
昨年、丸の内の丸善で購入しました。

以前は2本ケースの物を持っていましたが
3本持ち歩くようになり
ケースを買い替えました。

素材はレザーで
牛革ですが羊革のような柔らかい素材です。
ベルト部分がグリーンというのが
何か雰囲気がありますね。

さて、中身はちゃんと仕切られています。



一番太いモンテグラッパのMIYAを中央に
それぞれ両サイドにペリカンのヴィンーテージM400
ボールペンのモンブランの1441を収納すると
納まりがいいようです。



長さも問題ありませんね。



これをいつも鞄に収納して
持ち歩いています。
ペン同士が接触し傷がついてしまうことも
ありません。
とても機能的ですね。

さて、現在仕事では主に
万年筆を使っています。
ボールペンを使うのは稀です。



使い慣れると万年筆の書き味は
何物にも代え難いですね~。

そして書き残したノートの文字も
ボールペンで書いた物より趣があります。
たとえビジネスでも。

当初は万年筆はデザインの違いだけで
性能はあまり変わらないだろうと思っていましたが
それは全く違いました。

一番上の万年筆がペリカンですが
実際に使ってみて
あまりに性能が安定しているので
驚きました。

一番は液漏れがまったくない。
どんな時でもさっと出して
直ぐに使える。

これは本当に司法試験とか
ここぞ!という時には安心して使えますね。
聞いた話では気圧の変化が激しい
機上でも問題ないとの事です。

それに対して、真ん中のモンテグラッパですが
これは手がかかりますよ~。

このペンはインクを補充した後は
液漏れすることも多々。
良くあるのはペンキャプをした状態で
インクが少し漏れ、気付かずに
ペンのお尻にさして使っていると
いつの間にか手が汚れている。
ということが多々ありました。

当初、万年筆はこういった
手がかかる物と思っていました。

ところがペリカンを使ってみて
そうではない事を知りました。
ペリカンはその手の心配は無用です。

書き味は両方のペンともニブは調整していませんが
ペリカンはヌラヌラとした書き味。
これに対してモンテグラッパは非常に繊細な
書き味です。

どちらが好きかと聞かれれば
やはりモンテグラッパでしょうか。

正にドイツとイタリアの物作りの特徴が
表れていると思います。

私は今はドイツの乗用車に乗っていますが
昔、クルマが何よりも大好きという時代がありました。
寝ても覚めてもクルマの事ばかりを考えていました。

その時、あらゆる物を切り詰め貯金をして
やっとポルシェの911を手に入れました。
しかし、ある時、浮気心をおこし
フェラーリを購入しようと思い
まる2日間試乗したことがありました。
クルマは328GTSというV8エンジン3.2リッターで
屋根が外せるタイプです。

当時のフェラーリのボディは
ハンドメイド部分が沢山あり
深紅のフェラーリロッソに塗られたそのボディは
とても美しい芸術品のようなデザインでした。

そして、乗り込むと地面に腰掛けているような
低い着座位置、目の前のメータパネルには
中央にオレンジ色のタコメーター。
いやが上にも、どきどきさせる演出です。
そして、イグニッションを回すと何かが後方で
爆発したかのような爆音。
そのエンジンのアイドリング音は
まさしくレーシングカーのそれでした。

しかし、いざ走り始めれば
まったく質量を感じさせないような
軽快な走行感です。
そして、楽器を奏でるかのようなエンジン音。
もちろんオーディオは不要です。
アクセルをわずか1mmで開けただけでも
ファンファーレの様な音でエンジンが反応し
こんな官能的なクルマがこの世にあるのかと思いました。

このクルマに乗っていたら
ひょっとして、事故を起こして死んでしまうかもしれない
でも、それでもいいかもしれない
と思わせるような
魔力的なクルマでした。

ポルシェのどこまでも冷静な速さとは
全く異質の物です。

思わず買い替えを真剣に考えましたが
しかし、わずか2日間の間でも
色々なトラブルが次々発生。
しかも真夏の炎天下
エアコンもまったく効きません。
何とか無事クルマを返却し
自分のポルシェに乗り換えた時
一切の不安を感じさせないポルシェに
思わずホッとしたのでした。

このクルマはとっても魅力的ですが
一筋縄ではいかないし
恐ろしくメンテナンスフィーが
かかりそうです。
しかも、旅先で突然走行不能になることも
充分考えられたので
結局、購入を断念しました。

話が長くなりましたが
正にペリカンとモンテグラッパは
それを連想させる特徴があります。

モンテグラッパは
実用品とは思えないような
美しい色とデザイン。
とても手がかかるけど
素晴らしく官能的な書き味。

一方、ペリカンは茶縞の
美しいボディをまとっているが
デザインはあくまでビジネスライク。
そして、いつでも
最高のパフォーマンスを発揮してくれる。

万年筆はクルマと違い
幸福な事に両方所有することが
可能ですので2本持って使うのも
良いと思います。

万年筆、この世界も奥が深そうですね~。

私はこれ以上深入りしないよう
気をつけたいと思います、、、



Pelikan M400 茶縞

2010-09-11 06:00:03 | 万年筆 ステーショナリー
ペリカンの万年筆 スーベレーンシリーズM400です。
所謂、茶縞といわれるモデルです。

万年筆マニアに大変人気のあるモデルです。
万年筆のリングにはGERMANYとだけありますので
1990年代の物です。

M400にはM400SEといって
この万年筆を復刻したものがありますが
細かいところを見ると色々差異があり
やはり、使うならこのオリジナルモデルが良いと思います。

以前、偶然にもオークションで
出物があり購入しました。

茶縞というように、もっとも特徴的なのが
このボディです。


拡大写真

美しいですね。
M400、他にも黒、緑縞、青縞がありますが
この茶縞のみがプレミアムであり
そして、もっとも美しい万年筆だと思います。

天冠にはペリカンのマーク。


拡大写真

復刻版と違うところは
オリジナルはこのマークが彫り込みになっているところです。

そしてニブと言われるペン先。
14金、サイズはMです。
今、使っているモンテグラッパは
ペン先サイズがFですので
やや太めですね。


拡大写真

ペリカンの当時の物は
ニブの品質にばらつきがあり、入手の際には注意が必要です。

今回の物は運良く
ニブも全く問題ありませんでした。

ニブについては色々な考え方があり
所謂、著名な山本先生や職人の方に
調整してもらった方が良いと考えるか
出来れば調整せずに、そのまま使うとの考え方です。
私はそのまま使う派です。
ペン先を削られたりするのは
何か抵抗があります。

但し山本先生は
(現在は丸善を卒業され、ペリカンジャパンに。
 日本橋三越の店頭に週末出られています)
道具をいっさい使わず、紙だけで調整されるとのことですので
一度、相談してみようと思います。

(M1000とかを買ってしまいそうでコワイですが)

モンテグラッパはボディのイメージと合わせて
ターコイズを使っていますが
M400にはもっともスタンダードな
ロイヤルブルーを使っています。



M400、所謂司法試験にもっとも向く
万年筆と言われるように
長時間使ってもまったく疲れません。

そしてもっとも凄いと思ったのは
やはり精密なドイツ製品だな
ということです。

モンテグラッパは
インクが漏れて、手が汚れるのは日常茶飯事で
万年筆とは手がかかる
「かわいいやつ」と思っていましたが
このM400は、どんな環境で使っても
まったくインクが漏れず
かといってペン先が乾く事もなく
直ぐに書き出せます。

私は以前イタリアのF1でも有名なミッドシップの
スポーツカーに乗っていました。
大変官能的なクルマでしたが
一度も全ての機能が完璧に動く事がなく
常にどこかに不具合がありました。
同種のクルマに乗っている
友人に故障武勇伝を聞くうちに
怖くなり、ドイツのリアエンジンの
スポーツカーに乗り換えたのを
思い出しました。
ドイツ車はスポーツカーでありながら
日常で使うのにまったく不安になる事がない
完璧なクルマでした。

正にモンテグラッパとペリカンで
同じ事が言えますね。
モンテグラッパ、この万年筆は
ボディとニブが大変美しいです。
書き味も独特の官能的な書き味です。

対してペリカンはスラスラ書けて
筆記用具という実用性に
微塵の不安も感じさせません。

しかし、M400
つまらない万年筆かと言うと
そんなことはなく
その美しいボディ
スラスラ書ける滑らかな書き味
安心して使える完璧な実用性
そして派手さはありませんが
クラシックな佇まい。

正に紳士の万年筆だと思います。

仕事にアクセントを与えてくれる
愉しいアイテムですね。

モンテグラッパのMIYA

2008-12-27 07:16:58 | 万年筆 ステーショナリー
以前、ブログでご紹介した
モンテグラッパです。

モンテグラッパは
1912年イタリアのベネト州バッサノ・デル・グラッパに
設立されました。
この地は銀工芸品の緻密さが有名で
その技術が万年筆作りにも
生かされています。

やっぱりいってしまいましたね~。

購入したのは
MIYAというモデルです。
色はターコイズブルー。
冒頭の写真ですと
フラッシュの関係で明るく写っていますが
実際は下のような色です。



カタログでは
エンブレマとミヤどちらにするか迷いましたが
実物を持ってみると
MIYAに即決しました。

その理由は
MIYAが圧倒的にクラシックだったからです。
モンテグラッパなら八角形というイメージが
あったのですが実際に手に持って使ってみると
やはりクラシックな万年筆がいいですね。

見た目はビジネスライクながら
徹底的に機能を突き詰めたモンブラン
そして
機能もさることながら
独特のセルロイドを使い
美しさを追求したモンテグラッパ
クルマで例えるならモンブランはポルシェ
モンテグラッパはフェラーリ
というところでしょうか。

ペン先はF(細字)ですが
とても柔らかくセクシーな?書き味です。

今後はモンブランのボールペンのインクを黒に
モンテグラッパの万年筆のインクをブルーにして
ビジネスで使い倒そうと思います。

モンテグラッパ
美しいセルロイドボディと官能的な書き味。
正に万年筆の逸品だと思います。