いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

Tom Jamesその後

2013-03-31 06:57:13 | スーツ
冒頭の写真のKen Aokiさん
3ヶ月に一度NYから来日されます。
Tom Jamesのスーツをオーダーされたお客様の
仮縫いや納品の為です。

今回私の元にもお越し頂き
2度目のスーツのフィッティングをして頂きました。

現在オーダー中のスーツは3Pの冬物。



前回のフィティングでウェストコートと
トラウザースはぴったり合いましたが
ジャケット(コート)のフィッティングがイマイチ合いません。
サイズは合っているのですが
袖ぐりに違和感があり、腕を上げると
身頃も一緒に動いてしまうというパターンです。

実は相当昔、あるところでスーツをオーダーし
同じ事が起こり、その事を担当者に伝えると
「そんなもんですよ」と言われ
本当にそうなのかな~?
と疑問に思った事があります。

その後、たまたまフランコプリツィバリさんとの出会いがあり
1着目からほぼ完璧な仕立て上がりだったので
「そんなもの」ではないことが
その時はっきり分かりました。
腕を動かしても身頃は体にそったまま
ボタンを締めなくても、身頃が開いてしまうことはありません。

ただ、今思えば
フランコさんも最初の1着目のフィッティングの時は
2時間近くかけ採寸とパタンナーとの調整に
時間をかけていましたので
やはり私の体型は相当難しいのは間違いないようです。

当日はKenさんも、色々悩みながら
ジャケットをチェックされていました。



ひょっとしてビスポークレベルの
フィッティングを要求しているのでは?という思いもあり
多少気がひけるのですが
まずは次回の修正後の出来上がりを
愉しみにしたいと思います。
実際にスーツを着用するのは
冬ですので時間はまだ充分あります。

さて、フィッティング後は
会食をし、NYの事情などもお伺いしながら
愉しいひとときを過ごしました。

次回お越し頂くのは6月頃。
スーツの仕様はKenさんオススメの
かなり拘った仕様になっていますので
出来上がりが愉しみです。




グローブトロッター再発見

2013-03-24 07:49:47 | 
グローブトロッター
言わずと知れた、英国のトラベルケース。
創業は1897年。
100年以上続く老舗
そして英国を代表するアイテムのひとつ。

エリザベス女王のハネムーンを始め
南極探検隊や、エベレスト登頂など
過酷な極地にも持ち込まれる鞄。
最近では007スカイフォールでも、スコープ付き
グローブトロッターが話題になったのは
記憶に新しい。


グローブトロッタージャパンのHPより引用

バルカンファイバー製の軽くて丈夫な鞄ゆえに
その利用形態は幅が広い。

私は以前は鞄は革製でなければならないと
ずっと思っていたが
こと、トラベルケースに関しては
グローブトロッターの良さを認め
使用している次第。
とても使い勝手が良い。

そして最近、印象に残った写真。
ダイナースクラブの月刊誌
シグネイチャーの広告。

「人生は旅である。」

という一文と共に掲載された
サー・ウィンストン・チャーチルの写真。
テェスターコートとトレードマークのホンブルグハット。



一流品のみを好んで使うチャーチルの手には
グローブトロッターのアタッシュケース。
そのエイジング具合から
愛用品であることがわかる。

この写真を見て
今更ながら、その利用シーンについて考えさせられた。

私の場合、PCを入れ
更に書類を放り込むと
鞄がバーベルを連想させる重さになることも、しばしば。
「良い鞄は重いのである。」
というやせ我慢も最近ではそろそろ厳しくなってきた。

今後はビジネスでの利用も
考える余地がありそうである。
一度検討してみようと思う。

さて、もう一枚インパクトのある写真。
某旅行社のものだが、BLBGのT代表によると
これは無断使用とのこと。

いけませんね~。



誰が見てもグローブトロッターに見えます。
しかし目くじらをたてて
問題にしないところは、流石BLBGの度量の大きさですね。




タスティングのガーメントケース

2013-03-17 08:01:07 | 
さて、先週の続きです。
以前から気になって、やっと今回購入する事が出来たの物
それは革のガーメントケースです。

革のガーメントケース。
これは探してみるとわかりますが
本当に今は、中々見つかりません。
効率を求め、軽さを求め、扱いやすさを求めた結果
ナイロン製のガーメントケースが
市場を席巻してしまいました。

今回、表参道のヴァルカナイズロンドンで
思いがけずデッドストックがあり
無事購入に至りました。

タスティング
創業は1875年、靴の聖地として有名なノーザンプトン
その郊外にタンナーとして
スタートしたメーカーです。

このガーメントケース
現行の物とは革質が違い
バッファローレザーが使用されています。



質実剛健なしっかりした皮革です。

最初はこの革質
そして4等分に切り返されたデザインが

はたしてスーツに合うだろうか?

と思いましたが
色が黒という事もあり
実際の出張でも
違和感なく使う事が出来ました。

詳細のディティールをご紹介します。

ファスナーにはさりげなく
タスティングのロゴ。



内側にもロゴが入っています。



ガーメントを開けると
中は布張りで色はバーガンディ。
私の好きな配色です。



内側には小物が入れられる
ポケットが2つあり実用性も確保されています。

付属品としては
ハンガーと肩掛け用のストラップ。



ハンガーはそのまま
クローゼットにもかけられるよう
上部のフックが回転式になっています。

肩掛けストラップはセンターが白のストライプですが
私は使う事は無いと思います。

収納用の布製のケースも付属しています。
革製品の場合は必ず保管の時はこれに入れてしまう事で
カビなどから守る事が出来ます。



タスティングのガーメントケース。
防水スプレーをしておけば、雨の日も頑丈な革が
荷物を守ってくれそうです。

革は使い込めば使い込む程
エイジングが進み
使う人の歴史を刻んでいく事になります
今後は出張や旅行の
心強い友となりそうです。



速報 鈴木健次郎氏のオーダー会

2013-03-11 22:45:18 | スーツ
以前お知らせした
パリのテーラリング、鈴木健次郎さんのオーダー会が
現在行われています。

先週行われていた
銀座和光でのオーダー会も大盛況との事。

残り日数、僅かですが
パーソナルオーダー会が開催されます。

日時 ~3月12日

時間10:00~19:00

場所 ウェスティンホテル
 
ビスポーク好きの方
フランスのテーラリングにご興味のある方
残り枠も少ない様ですが
フランチェスコ・スマルトでチーフカッターとして
腕を振るった健次郎さんのテーラリングを体験出来る
貴重な機会です。

詳しくは下記のお問い合わせ先まで
contact@kssm-cecilia.com




やっと入手しました

2013-03-10 08:26:18 | その他
先日、ある機会があり
表参道に、、、



そこで見つけたデットストック?
少なくとも現行モデルとは違う材質の
探している物を発見しました。







以前から、欲しくて色々探していましたが
どうもしっくりするものが無かったのです。

実際の実物を見て
即、購入を決めました。

先日、あるイベントで出張した際に
使いましたが、なかなか使い勝手も良いです。








詳しくは次回で、、、






美術手帖

2013-03-03 07:38:25 | その他
冒頭の写真
「FUTURE CURATION」と題され
表表紙下部には
「美術手帖」別冊とある。

一体何だろうと思わせる作り。
裏表紙には
どこかで見慣れたタータンチェック。
しかも背表紙がなく
糸がむき出し。



最近送られてきた本で
とてもインパクトのある本となりました。

実はこれ
伊勢丹新宿店リモデルグランドオープンに向けての
出版物のようです。

冒頭文より一部抜粋

リモデルの全館コンセプトは「ファッションミュージアム」。

私たちは、伝統とモダンが共存し、
独自のキュレーションにより、
常に新鮮な情報を発信し続ける「ミュージアム」のように、
訪れる人々と、
ファッションの無限大の可能性を、
ともに分かち合うことができる
百貨店でありたいと望んでいるのです。



中の写真には
まるで美術館、あるいは
Design Tide Tokyoで扱われる様な
フォトグラフが満載されている。

中でも篠山紀信氏の写真は鮮烈。
ファッションという枠を遥かに超えて
アートな写真とは何かを訴えかけてくる。

又、コラム欄も充実している。
ファッションデザイナーの山本耀司氏や
坂本龍一氏などの対談もあり
大変興味深い一冊となっている。



元々キュレーターやキュレーションという言葉自体
美術用語というイメージが強い。
あえてそれを全面に持ってきてアートな百貨店を目指し
新しい価値を訴える伊勢丹に
ワクワクする可能性を感じました。

時は春、
新しい息吹の季節。

今後の伊勢丹の動向に注目したい思います。