思いつくままに書いています

間口は広くても、極めて浅い趣味の世界です。
御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

今年最初の観劇は『不滅の棘』でした。 よかったです!!

2018年01月13日 | 宝塚
昨年最後の観劇は兵庫芸文センターでの『ペールギュント』。その翌日、一人で大掃除を頑張ったのが祟ったのか、正月早々から風邪を引き、2・3・4・5日まで絶不調。
ようやく6日ごろからなんとかましになって、8日のシアタードラマシティでの「不滅の棘」は無事観劇できて、やっと新年らしいスタートとなりました。
ということで、大変遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。m(__)m

今年も気まぐれ更新なブログになると思いますが(殴)、お暇なときにご覧いただければ幸いです。

で、いきなりですが、『不滅の棘』の感想です。いつものとおり敬称略。
(画像はスカステのニュース画像をキャプチャーしたものです)
15年前の初演は観ていませんが、ヨメさんは以前にスカステで放映されたのを見ていて、春野寿美礼がピッタリの役で、舞台装置も衣装も斬新、なにより木村信司の脚本・演出を絶賛していました。
でも私はそれも見ていないので(^^;、今回は(今回もか)、全く予備知識のないままでの観劇でした。

結論としては、何と言っても主演の愛月ひかるが光って(殴)いました。
舞台映えのする大柄な立ち姿に、真っ白な衣装が良く似合っていて、絵にかいたような偉丈夫。(笑)
白いマントを翻してさっそうとカレル橋に登場すると、それだけで絵になります。




しかし、彼女にはいい意味で裏切られっぱなしですね。

最初の衝撃はルキーニ。
それまでスカステのナウオンとかで話している様子を見て感じていた、色白でおっとりと話す控えめな印象から、彼女にはとてもじゃないが、ルキーニみたいなルナティックでファナティックで、エキセントリックでパセティックな((殴)しつこい!)テロリスト&アナーキストな役は無理で、これは大ミスキャストだろうと思っていました。

ところが、終わってみれば近年ではベスト!なルキーニ(あくまで個人の感想です)。本当に驚かされました。

そして去年のラスプーチン。鬼気迫る怪僧ぶりで、こんな役ができるのかとまたまた驚かされました。

そして止めが今回の『不滅の棘』。

不老不死の主人公・エリイ/エロール・マックスウェルを演じたことで、また新たな魅力が見られました。もともと春野寿美礼の宛書みたいな感じの役なので、これの再演は難しいだろうと思っていたのに、またまた独自の魅力ある役作りがされていて、感心しました。


初演では、かなり魔界の住人みたいな人間離れした主人公でしたが(ヨメさん談)、今回の愛月バージョンのような、人間臭い主人公も、意に反して永遠の命を与えられてしまった苦悩と絶望、虚無がよく体現されていて、よかったと思いました。




でもこの後、11日に「ポーの一族」を観て、今年のタカラヅカは「不老不死」特集かと笑ってしまいましたが。
ともあれ、今回の観劇で私たちは愛月ひかるを再々再評価で、今後に大いに期待したいです。

スカステのインタビューでは「歌が苦手なので、歌が課題です」とか言っていましたが、実際に観てみたら十分な歌で破綻がなく、これもうれしい驚きでした。まあルキーニでもラスプーチンでも歌が弱いとは思わなかったのですが。

その相手役・フリーダ・プルス/フリーダ・ムハを演じるのは遥羽らら

今回初めてお目にかかりましたが、二人のフリーダをうまく演じていて、愛月とのバランスも良く、いい組み合わせでした。





歌も力がありましたが、フリーダがカレル橋で「私は~あなたを~愛しています~」と歌うところはまるでアムネリス。(笑)
と思って調べたら、実際に2015年の「王家に‥」の新公でアムネリスをやっていましたね。それで今回の登用となったのでしょうか。
役としては1933年のフリーダ・プルスのショートカットが印象的で、カッコ良かった。今後注目したい人です。


弁護士アルベルトは澄輝さやとが演じていますが、初演では瀬奈じゅんで、アルベルトは初演のほうが存在感があったとヨメさんの談。でも頑張っていました。

プルス男爵未亡人タチアナ(純矢ちとせ)の息子ハンスは留依蒔世です。初演ではこの役を彩吹真央が演じていたとのことで、初演は豪華メンバーですね。どちらかというと童顔ですが、劇中ではアルコール依存症で常軌を逸した人物を力の入った演技で演じ切っていました。


ハンスの妹クリスティーナは華妃まいあ。初演が東野あすかというのも納得の、よく伸びる美声で聴かせてくれました。


未亡人タチアナの純矢ちとせはベテランらしい余裕の舞台。

ただ私たちが見たときは少し台詞をかんだ場面がありましたが、まあまだ2回目だったので無理もないかな。それより今回は少しほっそりした感じが気になりました。
もう少しふくよかな方がいいのにと思ったり。
でもこの人や、カメリア役の美風舞良が出てくるとグッと舞台が安定しますね。

舞台装置はシンボリックな形で、シンプルかつ斬新で洗練されていました。


何度も使われるカレル橋もよく出来ていて、多数の引き出しのある傾いた壁のようなセットも面白い。


死なない・死ねない・終わりのない生を生きねばならない、ということが如何に残酷なことかという主題を浮かび上がらせる印象的な舞台でした。それと、甲斐正人の音楽も耳になじむいい曲ばかりで、この才能がのちの『王家に‥』の大成功に結実したというのもよくわかりました。

あとインパクトがあったのは第6場の巨大な卵のセット

どういう風に割れるのか興味津々でした。(笑)
中から現れた美女!もインパクトありで、演出家の遊び心全開ですね。でも卵、本当によく出来ていたなあ。


先に触れたように、次に大劇場で観た『ポーの一族』も同じようなテーマですが、考えさせるということでは『不滅の棘』のほうがストレートで分かりやすかったと思います。

というわけで、いい作品からスタートを切れてラッキーでした。次は『ポーの一族』ですが、それまでにアップしなければいけないネタが溜まりすぎているので、頑張らないと‥。(^^;



コメント
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