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やはり大谷記念美術館はいいところです

2013年01月13日 | 美術館を訪ねて

私たちは一昨年の正月から、西宮市の大谷記念美術館の新春の展覧会に行くようになりました。
公立の施設なのに正月の2日から開いているのがうれしく、専用駐車場も整備されていて車椅子での利用に便利です。

それよりなにより、この美術館が開館から40年の間に収集した、日本とフランスの近代絵画をはじめ、地元作家の作品や版画や立体造形、陶芸など多岐にわたる現代美術のコレクションが素晴らしく、どれも見ごたえのあるものばかりです。

今回の展覧会のテーマは、開館40周年を記念して同館白眉の日本画のコレクションを展示した「日本画 その妙なる世界」というものでした。

今回も所蔵品の中から、上村松園の三点の美人画のほか、伊藤深水、川合玉堂、下村良之介、横山大観、前田青邨、山下摩起など大家の代表的な作品が、「ひろがりのある空間」、「観念の表現」、「自然の美」、「たたずまいの美」といったテーマにわけて展示されていました。


開館が10時なので9時過ぎに出発。
途中まったく渋滞もなく、ちょうど開館時間に到着。去年と違って駐車場にはけっこう車が停まっていましたが、中に入ると観客は少なくゆったり。

まず目を引いたのが橋本関雪の大作「僊女」です。所蔵している日本画の中では最大級だそうです。題名は仙女と同義とか。
絵葉書から


同じフロアの山下摩起の「雪」も見ごたえがあります。大胆な筆遣いで竹林に降り積もった雪の情景が屏風に描かれています。重そうな湿った雪が笹の上に積もって、それが今にも音を立ててバサッと落ちていきそうな様子が描かれています。昭和初期の作品だそうですが、今でも斬新な絵です。
リーフレットより


その他では、下村良之介の軍鶏シリーズも毎年見ていますが、見飽きることはありません。

でも今回私が特に気に入ったのは川合玉堂の作品でした。
この作家、某テレビ局のお宝鑑定番組でニセものが多い作家の筆頭格ですが(笑)、今回展示されていた作品群を観て、これまでの私の認識が覆りました。

絵葉書から 「乗鞍」


残雪の乗鞍を背景に新緑の樹木を描いて、春の予兆に満ちた季節感が伝わってきます。いい絵ですね。
「高原深秋」など展示されていた他の作品も、それぞれ生き生きとした描写で立体感・遠近感のある作品で印象に残りました。帰宅して調べたら玉堂はアルプスを背景にした石楠花の図とか、爽やかな作品をたくさん描いていますね。

風景を描いた日本画では山元春挙の描いたこれ↓も印象的でした。
絵葉書から 「雪渓遊鹿図」

さて、この絵↑の中のどこに鹿がいるでしょうか?(笑)

2階は定番ですが、伊藤深水や上村松園の美人画がやはり人気でした。






あとは前田青邨の一連の作品もよかったです。
絵葉書から「薔薇」


1階から2階と回ってまた1階に降り、全部見終わってから、庭園を見ることにしました。ここの庭園には多種の植物が植えられていて、そのすべてに名前の表示があるのが親切です。

普通なら今の時期は、庭園の随所にある�椈梅が咲き始めているのですが、今年は固いつぼみのまま。やはり例年になく寒い冬の影響でしょうか。


もうひとつこの時期に彩を添える花としてシコンノボタンがありますが、これも今年はたったひとつだけ。


ちょっと寂しかったですが、これも寒波の影響でしょうね。庭園を回ってから再び館内に入り、カフェで昼食にしました。
私は前回同様カレーとコーヒーのセットです。どちらもおいしくいただきました。


ヨメさんはこれまた前回同様サンドイッチ。おいしかったそうです。


いい雰囲気の中で昼食できました。館内からの庭園の眺めも良かったです。


館を去る前に絵葉書(1枚50円です!)を買ってから駐車場へ。

駐車場を出てから少し神戸方面に走り、交差点をUターンして阪神高速神戸線の芦屋入口から乗って、帰りもガラガラにすいた道を帰宅しました。

今年の新年最初の美術館は神戸市立博物館の「マウリッツハイス美術館展」となりましたが、やはりこの大谷記念美術館は新年の訪問先として外せないと改めて思いました。

阪神間に在住の皆さんは、ぜひどうぞご覧ください。






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