思いつくままに書いています

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御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

バリアフリーの神戸布引ハーブ園

2012年06月21日 | 日記
これまで私たちは、ゴールデンウィークについては目的地も混雑するし、途中の渋滞もあるため、遊びに出かけたことがありません。せいぜい宝塚観劇ぐらいで、今年は宙組公演を5月3日に見て、あとはどこにも行かず買物程度。

で、そのかわりに毎年出かけるのは連休後の土日です。この時期はみんな連休でお金を使い果たしたのか(笑)、どこにいっても空いていて快適です。

それで今年は久しぶりに神戸布引ハーブ園に行ってきました。
ここは2003年に麻実れい主演の「サラ -追想で綴る女優サラ・ベルナールの一生-」(新神戸オリエンタル劇場)を観た折に立ち寄って以来9年ぶりです。
今回出かけることにしたのは、テレビのニュースで完全バリアフリーになったことを知ったからです。

出かけられた方はご存じだと思いますが、ここはロープウェイで頂上まで上がってから、山の斜面に設けられたハーブの花壇を巡りながら中間駅まで降りてくるというコースです。
歩道は整備されていますが徒歩が前提で、車椅子の通行は無理でした。でも今回車椅子でもOKになったとのことで、出かけることにしました。

やはり予想通り道はガラ空きで、高速道路を降りて神戸市内に入っても全く渋滞なし。予想よりかなり早くロープウェイの山麓駅に着きました。
車椅子でのロープウェイは初めてですが、係員のみなさんの手慣れた誘導であっけなくゴンドラに乗り込めました。このゴンドラ、車椅子に対応させるためすべて新型になっているそうです。





発病以来初めてのロープウェイで、二人とも久しぶりの景色に見とれていました。真下には私たちが下る歩道も見えていました。滝もよく見えます。




早く行ったつもりでも、頂上駅にはすでにたくさんの観光客がいました。
ローズシンフォニーガーデンに植えられたバラはまだつぼみが固く残念でしたが、頂上からの眺めは素晴らしく、写真を撮ったりして満足できました。


展望レストハウスやショップ、ハーブの見本園などを見て、いよいよ下ることにしました。

それで歩道のほうに車椅子を押していくと、「危険なので一般の車椅子は利用できません」という表示! 「ええっ、バリアフリーなのに?」と驚きましたが、よく見ると電動アシスト車椅子を無料貸し出ししているとも書いてあります。

それでとにかく貸出手続きのため、展望インフォメーションコーナーに行きました。


居合わせた係の女性が手続きしてくれ、しばらく待っていると電動アシスト車椅子を持ってきてくれました。
実はこの電動アシスト車椅子(長いので電動車椅子にします^^;)、以前から見たいと思っていたものです。というのは、普段の買い物程度なら別ですが、例えば万博公園のような広くて高低差のある場所では、車椅子を押すのも結構疲れるのです。
万博公園の例では、ポピーの丘などはアプローチが長くけっこう勾配もあります。そんな時、押しながら「電動アシスト自転車と同じような車椅子があればなあ」といつも思っていました。

あるときインターネットで調べたら、すでにヤマハをはじめ結構なメーカーが商品化していることがわかりました。でも周囲ではあまり見かけないので、果たしてどんなアシスト効果があるのか不明でした。

なので、今回実際に使えるとわかってラッキーでした。ちなみに我が家の車椅子は、係の人が先に中間駅まで送ってくれるとのことです。よく考えられていますね。

早速車椅子を乗り換えて、下山コースに行きました。かなりの勾配なので、座席ベルト着用です。(笑)
でもこの電動車椅子、予想以上によくできていましたね。








一般の車椅子では下り坂では介助者がブレーキをかけますが、左右の車輪でブレーキの利きが違うため、どうしてもまっすぐには進めず蛇行してしまいます。今回の場合のように長い急な坂道だと、ブレーキの過熱も心配です。
ところが電動車椅子では、プリウスなどと同様、減速時は駆動用モーターを発電モードにした「回生ブレーキ」で減速するので、ほとんど手動ブレーキは使わなくてもいいのです。しかも前後方向とも「回生ブレーキ」が効くので、急坂で前のめりになりそうな場合は後ろ向きに下がればいいとのこと。
逆に坂道を登るときは、車椅子の介助用ハンドルのグリップが押す力を検知してアシスト量をコントロールするので、特に意識せずにアシストしてくれ、ほとんど押す力はいりません。急な登り坂でも軽々で便利なものです。

実際このブレーキシステムは便利で、意識せず普通に坂を下っていけます。
コース沿いのよく手入れされたハーブの花壇を見ながら下っていくと、ガイドツアーの一行に追いついたので、私たちも加わりました。
ガイドの方がハーブの名前や効用などを丁寧に説明しながら葉などを切って配ってくれたので、私たちも香りの体験が出来ました。
このガイド担当の女性、ツアー終了時に私たちの写真を撮ってくれるなど大変親切でした。


天気も良く、気持ちよく下ってきて、ちょうど中間地点にあるグラスハウスのミントカフェで昼食。私はカレーにしました。
休憩の後、再び下りのコースに戻りますが、グラスハウスからは少しの間登りになっています。しかし、全く楽チンでした。モーターのおかげで車椅子を押す力は全くいらず、自分一人が登っていくような感じでした。


これならどんな場所でも疲れないと思いますが、問題は重量ですね。使った電動車椅子のメーカーサイトでは22kgとなっています。ふだん使用しているアルミ製車椅子が10kg程度ですから2倍です
10kgの車椅子だと、プリウスに乗せるときそれほど負担にはなりませんが、22kgになるときついですね。腰を痛めそうです。今のアルミ製車椅子の前に使っていたのは13kgの鉄製のものでしたが、この3kgの差が大きかったです。

ということで、バッテリーをリチウムイオンにするとかして、なんとか15kgぐらいに軽量化してほしいですね。でなければ電動アシストユニットを簡単に外して車に搭載できるようにしてほしいです。メーカーさん、ぜひ実現をお願いします。(でも見ていないでしょうね。)(笑)

さて、快適に「四季の庭」とか「滝のパティオ」、「オリエンタルガーデン」などさまざまにデザインされた花壇や庭園を見ながら中間駅に着きました。
電池のゲージは満タンから1メモリ減っていました。今回は下りが大半ですが、ふだんよくいく公園などのアップダウンのある場所での航続距離がどのくらいになるのでしょうか。今回はもう少し回生ブレーキで充電するかと思ったのですが。

中間駅にはちゃんと自家用車椅子が届けられて待っていました。往きと同様手慣れた係員さんの誘導で安全にゴンドラに乗り込めました。
人気スポットなのでここはふだんもっと人出が多いのでしょうが、連休翌週とあってこの日は往復の道も現地も空いていてよかったです。

というわけで、神戸布引ハーブ園への挑戦は成功でした。

これまで行けないと思っていたところが行けて本当にうれしかったですね。ぜひまた訪れたいと思いました。そして、思いがけず電動車椅子についても体験できたのが良かったです。

関西に在住の車椅子使用の方はぜひ行ってみてください。楽しいです。


コメント
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