脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

認知症より発見しづらい「高齢者の脳脊髄液減少症」

2011年03月09日 | つぶやき

NHKおはよう日本で

月曜から、

認知症、ともに支えよう」のシリーズが放送されています。

認知症ともに支えよう」のホームページには

50代で認知症を発症した脳外科医の方など、当事者が思いを語る動画もあります。

ぜひ、ごらんください。

 

さらに、本日は

NHKよる8時からのためしてガッテンで

認知症とたんなる物忘れの見分け方」が放送されるようです。

 

認知症やその症状についても世間一般に周知されてきました。

 

介護保険が導入されて10年を過ぎ、

ずいぶん認知症に対する支援策も整ってきたと思います。

 

今から6年前

それまでの「痴呆症」から

「認知症」という言葉に変更されてから、

急速に社会の理解も広がってきました。

 

でも、それ以前、10年前も、20年前も50年前も、100年前も、

認知症の高齢者はいたはずなんです。

でも、

今ほど手厚く支援も理解もされず、

 

脳脊髄液減少症で私が

理解がない社会の中で

その症状を理解されず、

「寝てばかりいるダメ人間」

「失敗ばかりの役たたず」

「働けないのに食べるただ飯食らい」

「怒りっぽい癇癪もち」

「自分の好きなことはできるけど、やるべきことができない自分勝手な人」

などと、冷たい扱いを何年も受けてきたように、

 

痴呆、あほとさげすまれ、冷笑された時代を

自分がなぜそうなっているかもわからずに、

言い返すこともできず、

適切な治療も支援も整っていない社会の中で

 

つらい思いで生きていた認知症高齢者もいたはずです。

 

 

当時はそれが、脳のさまざまな病気、障害で起こる「症状」であって、

「本人のせいではない」という意識は

今ほど普及していなかったことでしょう。

 

そのため、

その当時の認知症の人たちが

周囲と社会の病に対する無知と無理解からくる

ひどい仕打ちを

世間や家族から受けたのかと想像すると、

恐ろしくて身震いがします。

 

今は、認知症に対して理解ある医師も、国や行政の支援も

増えてきました。

 

でも、ひとつ落とし穴があると思うのです。

 

それは、、高齢者の脳脊髄液減少症について、

まだまだ認識が低いと思うことです。

 

脳脊髄液が増えすぎて、「水頭症」になり、認知症の症状が出ていて、

増えすぎた脳脊髄液を抜くことで、認知症の症状が改善する事実さえ、

最近になってやっと少しずつ知られてきた程度です。

 

認知症の影に「水頭症」があることさえ、まだまだすべての医師が知識があるとはいえないのです。

そんなことでは、水頭症での認知症が早期発見できるはずがありません。

 

ましてや、水頭症より認知度の低い脳脊髄液減少症。

水頭症と逆で、脳脊髄液が事故での体への激しい衝撃で漏れたり、なんらかの原因で減ってしまうことで

さまざまな症状が起こる「脳脊髄液減少症」

 

物忘れや、方向音痴になり道に迷う、など認知症と同じ症状のほか、

うつ病のように、意欲がなくなる、

慢性疲労症候群のように、ものすごい疲労感、だるくて疲れて、いくら休んでも疲れが取れない激しい倦怠感など、実にさまざまな症状が出るために、

その症状の多彩さゆえに、

その多彩な症状が隠れみのになって、

「脳脊髄液減少症」という病名に医師も患者も家族もなかなか気づけないのです。

脳脊髄液減少症は転倒や転落でも起こるはずだから、

誰でも、年齢を問わず起こっているはずです。

 

高齢者も例外ではありません。

 

しかし、高齢者は自分で検索して、調べて自分の症状が、脳脊髄液減少症だと気づける人は少ないでしょう。

 

本当の原因は、脳脊髄液減少症で脳の機能が落ちて

物忘れが出たり、道に迷ったり、はいかいしたり、

表情がなくなったり、

怒りっぽくなったり、

しまい忘れが増えて、誰かに物をとられたと思い込んだり、

家族をせめてトラブルをおこしたり、

お金を払うのを忘れたり、

嚥下障害が出たり、

尿失禁が起こったり、

歩行障害が出て歩けなくなったり、

ねたきりになったりしていても、

 

家族も、年のせい、医師のいうように、「認知症のせい」と思いこんで

「脳脊髄液減少症」の可能性には疑うこともしないでしょう。

 

脳脊髄液減少症の患者や家族の発信は、

多くが若い世代の患者や家族だから、

 

「私は認知症と診断されていましたが、実は脳脊髄液減少症でした。」なんて

高齢者の当事者やその家族の声の情報が少ないから、

 

ますます気づきにくいと思います。

 

そう思うと、いったいこの日本にどれだけの潜在的な、高齢者の脳脊髄液減少症患者が

正しく診断も治療もされないまま放置されているのかと思うと、

考えただけで、ぞっとします。

 

もし、高齢者が自転車などで転倒し激しい衝撃で骨折などをして入院したばあい、

整形外科医は骨折に対しては治療に真剣に取り組むでしょうが、

その高齢者が脳脊髄液減少症を発症する可能性については、最初からおそらく頭にないでしょう。

骨折するほどの衝撃ですから、

脳脊髄液減少症だって負う可能性はあるはずなのに・・・。

 

入院中に、次第にぼけたようになってきたら、

「脳脊髄液が漏れて次第にそういう症状が出てきたのかも?」などとは誰も考えず、

入院という環境の変化と、入院手術で安静にしていたために、急激に認知症が進んだのだろう、とか

かってな解釈をされてしまうかもしれません。

 

 

進行するのが認知症

そうでないのが、高次脳機能障害とされているけれど、

 

私は個人的にはどちらも、外傷や病による「人の脳の機能障害」でまとめていいと思っています。

ブラッドパッチ前の脳脊髄液漏れ漏れの私は、

認知症の このチェックリスト

すべてあてはまってしまいます。

 

それでも、認知症ではなく、

脳脊髄液減少症でした。

 

 

この経験からも、相当数の高齢者の脳脊髄液減少症の見逃しがあると

思われます。

 

脳脊髄液減少症のような回復可能な病での認知症状態から回復し

その経験談を詳しく聞けば

アルツハイマーなど進行性の認知症の患者さんの気持ちも推し量ることができるかもしれません

 

水頭症の高齢者が、シャント手術で増え過ぎて脳を圧迫していた脳せきずい液を体内に流すことで

認知症の症状が軽減し元気になるように

 

脳脊髄液減少症の高齢者だって、もし、事故で脳脊髄液が漏れだして減っているのが早期に発見されれば、

ブラッドパッチで漏れを止めて、

元気になるかもしれないのです。

 

脳脊髄液減少症が、ひとりの見逃しもなく、早期発見早期治療されれば、

本人や家族のみならず、

国の医療財政、介護保険財政も救うと思います。

 

 

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