粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

シルバーランド建設を

2012-11-25 14:17:04 | 事件・事故・時事

つい最近、振り込め詐欺グループの首謀者が札幌のキャバクラで豪遊したのがきっかけで逮捕された。店で一度に300万円も浪費するなど怪しまれて当然だ。それはともかく、今年既に振り込め詐欺の被害額は287億円となり、過去最高を記録するようだ。

考えようによっては高齢者がそれだけお金を溜め込んで消費しないということだ。彼らの生活は実際質素である。スーパーの特売で1円でも安いものを探す。倹約するからお金が貯まる一方になる。おそらく全体として詐欺総額の何百倍もの貯金がたまっているのではないか。

この高齢者のおいしい市場を、見逃す手はない。言葉は悪いが、合法的振り込み詐欺があってもよい。つまり何が何でもこうした高齢者に貯金を放出してもらう。一つの提案だが、東京ディズニーランドに対抗して「シルバーランド(銀麗王国)」の開設はどうだろう。

当然立地は東京巣鴨周辺だろう。そびえ立つかぐや姫城への大通りには見世物小屋や出店が並ぶ。通りを籠や人力車が走る一方で専用通路には懐かしい小型三輪自動車が轟音を立てる。出店も駄菓子屋や団子屋の食べ物から着物、雑貨、遊戯物など多岐だ。着物も振り袖、羽織袴、法被、作務衣、甚平はては「もんぺ」などあってもいい。

遊戯にはビー玉、メンコ、ベーゴマはもちろん2B弾なんてのも欲しい。ヒーローの仮面も鉄腕アトムから鉄人28号、七色仮面、ナショナルキッド、さらには月光仮面、黄金バットもある。孫を連れての散策は楽しいことだろう。見世物小屋は、ろくろ首、ヘビ女の際物から南京玉簾など曲芸がある。あの橘家圓蔵師匠(元月の家圓鏡)には昔のよしみで紙芝居を復活してもらおう。

かぐや姫城には広い会場で絶えずアトラクションが繰り広げられる。当然梅沢富美男ら旅芸人が集合して妖艶な演技で観客を魅了する。一時のブームを去ったとはいえ、おばあちゃんたちの間で韓流スターの人気は根強い。日韓関係悪化でNHK他テレビ局の仕事もなくなったヨン様にはここでのトークショーはまさに渡りに船だろう。あるいはこれもテレビ放映が終了した水戸黄門と暴れん坊将軍のライバル対決なんてどうだろう。一粒で二度おいしいグリコみたいに。合い間に民謡、詩吟、小唄、都々逸などの芸人が喉を披露する。巣鴨発のスターが誕生するかの知れない。

あるいは今は仕事もない懐メロ歌手も勢揃いだ。まだ血の気が多い人にはプロレスも刺激的だ。有刺鉄線の大仁田厚が再登場し元角界の曙も頑張る。いっそのこと朝青龍にも転身して暴れてもらう。試合前には彼らの相撲甚句が鳴り響く。(二人ともすっかり忘れている?)相撲のオールドファンにはたまらない。ただ余り本番が刺激的すぎて、観客がそのまま極楽行きになってはまずい。専属医師の待機は必要だろう。さらにはちょっとお年をめした女性の美人コンテストも面白い。年齢的に熟女の上を行く「上熟女」あるいは「先熟女」の艶かしさにはハッとさせられるはずだ。

ただ入場料は1000円程度だろう。買物は別として見世物小屋も100円200円がせいぜいで単位も10円5円はては1円も必要だ。ここは数でカバーするしかない。どうせみんな老後は暇を持て余しているだろう?から、律儀な常連客を期待できると思う。



川内村遠藤村長の奮闘

2012-11-24 16:14:21 | 福島への思い

今年4月村役場を地元で再開した福島県川内村、23日のNHKテレビで遠藤雄幸村長がその後の復興に向けて奮闘する様子を伝えていた。原発事故で設けられた避難区域が解除されて役場機能が回復したものの、当時全村民3千人中戻ったのは500人程度、それも高齢者が多く若者が少ない。遠藤町長が緊急に取り組む課題は主に2点、村の除染と雇用の確保であった。

まず除染だが、年内に完了させる方針で作業そのものは順調に進み既に8割は終了した。しかしその除去した放射性廃棄物の仮置き場3カ所はもう満杯のため村が新たに場所を確保したが、付近の住民の承認がなかなか得られない。特にひとりの農婦は、頑強に反対する。市長自らが説得に訪問するが家の奥に入ってしまい話さえ聞いてくれない。「絶対だめだ」と奥から聞こえてくる声に村長が必死になって安全性を説明するが、結局むなしく引き上げる。その後も農婦が野良仕事しているところを狙い話しかけるがなかなか心を開いてくれない。村長と農婦は昔からの付き合いだというが、事故による村民の心の痛手の大きさが窺える。しかし、最後はようやく同意を得て仮置き場を確保し年内除染の目標は達成できそうだ。

除染はなんとか目処はついても雇用の確保は苦難が続く。事故以前は原発関連で500人ほど雇用を得ていた。3000人の人口だからその家族も含めると、原発が村の大きな比重を占めていることが分かる。そのうち250人は現在原発関連や除染の仕事で職を得ることが出来たが、残りの250人がみつからない。さらに悪いことに、村で営業するスーパーが売り上げ不振で結局閉店してしまう。

村長は、戻った村民を度々訪ね意見を聞きたり、近隣に避難し仮設住宅で暮らす人々の所に出向き帰還の意向を確認したりする。原発事故以来ほとんど休んだことがないという村長だが、こうした村民との接触に時間が費やされる。しかし、村の厳しい雇用環境が時間の経過とともに村民の帰還、定住の気持ちを萎えさせていく。

これに危機感を募らせている村長は新たな企業誘致を積極的に進める。しかしなかなか誘致がすすまない。やっと大阪の住宅資材メーカーが誘致に応じてきたが、実現には国からの「企業立地支援金」の後押しが何よりの前提となる。しかし、国が決めた予算枠に限界があり、実現に危険信号が灯ってしまう。間に入る福島県の関係者も心配するが、この辺り行政の官僚的体質が垣間見える。村長もメーカーや県、国の間を奔走する。ようやく希望する支援金全額28億円を勝ち取ることができた。もしかしたら少し前の復興予算の使い道で疑念が沸騰したため、その反省、見直しが実現を加勢したのかもしれない。

遠藤村長の昼夜を問わない奮闘もあって、現在は帰還村民は1000人を数えるようになった。大阪のメーカーに続いて2社の誘致が決まったという。これら3社が実際操業を開始すればさらに雇用も拡大し帰還者が増えていくものと期待される。今後も様々な困難に直面するかもしれないが、村長を始めとした村民の努力で復興が進んでいくだろう。そしてこれが原発事故で傷を負った他の近隣市町村にとって再生への確たるモデルケースになっていくはずだ。

それにしても遠藤村長の八面六臂というべき活動は地方自治の原点ともいうべきものだ。住民の要望に充分聞いて、同時に政策を理解してもらうために粘り強く説得する。上部の県、国、関係企業に対しては住民側に立って積極的に交渉する。住民へのその献身的な姿勢には頭が下がる。今後も遠藤村長の熱き奮闘を見守っていきたい。


反原発カルトの子供たち

2012-11-23 12:52:05 | プロ市民煽動家

昨日(22日)、あの反原発過激派「市民」ジャーナリスト、木下黄太氏のブログをみて、この過激さもここまで来たのかと唖然とさせられた。大阪市が進めるがれき広域処理に反対する集会でなんと9歳の女の子が「スピーチ」しているのだ。以下全文

私は瓦礫を受け入れてほしくないと思ってます。なぜかというと、大阪で瓦礫を燃やしたら、放射能が来るかもしれません。大阪だけでなく他の場所にも来るかもしれません。

 放射能は風に乗って色んな所に行くと思います。
放射能を食べたり吸ったりしたら私たち子供や小さな子は病気になるかもしれません。
私が大きくなって子供ができてその子供も病気になるかもしれません。
だから私は嫌です。

 福島から大阪に逃げたお友達が居ます。放射能が怖くて大阪に逃げてきたのに、また大阪に放射能が来るのです。
他にも友達が大阪に沢山います。友達のことを思うと悲しくて涙が出ます。

市長さんが瓦礫を燃やすとみんなが困ります。
悪いことをした人は警察が捕まえてくれます。
橋下市長さんが大阪に放射能を持ってくるのは悪いことだと思います。
でも、どうして警察が捕まえないのかわかりません。
市長さんはみんなのために仕事をしてくれる人だと思っていました。
橋下市長さん、瓦礫を燃やすのをやめるとはっきりして下さい。

この後に、その子の母親のスピーチが続いていることから、女の子のスピーチに母親の「検閲」が入っているのは想像に難くない。というよりも、日頃母親から繰り返し言われている過激な考え方を子供なりに「習得」して表現したというべきかもしれない。あるいは母親の完全な「作文」なのか、実際のところはよくわからない。

ただ「放射能がくるかもしれません」とか「病気になるかもしれません」と推量の表現になっているのは救いか?でもこれも悪く勘ぐれば「子供らしい素直さ」を演出させるため、母親が「戦略」として「補正」したといえなくもない。

ともかく、これは9歳の女児が自分一人の自由意志で発言したとは到底思えず、親の強い影響下におかれていることは間違いない。さらにこんな夜の市民団体の集会に年端もいかない女児を参加させ、しかもイベントを盛り上げるために発言させるなど異常というほかない。母親ばかりか、この団体は幼い子供を自分たちの活動の広告塔、悪くいえば道具に使っているといえる。

「スピーチ」でさらに驚くのは橋下大阪市長に関してのことだ。「橋下市長さんが大阪に放射能を持ってくるのは悪いことだと思います。でも、どうして警察が捕まえないのかわかりません」橋下市長は悪い人間だから警察は逮捕しろ…こんな理不尽なことを9歳の女児にいわせる母親は一体どんな親なのかと慄然とさせられる。

大阪市が焼却する岩手のがれきは、放射性物質の濃度がキロ8ベクレル程度だという。これを大阪のゴミと混ぜて焼却するが、灰として濃縮されてもせいぜいキロ50ベクレル以下だろう。とても健康被害云々のレベルでない。まして「私が大きくなって子供ができてその子供も病気になる」など考えられない。それもこれから試験焼却をして実際の状況を調べる段階だ。

どこが「橋下市長が悪く」「警察に逮捕され」なければならないのか。子供にこんな「暴論」をいわせる親こそ極めて問題だと思う。どこか宗教カルトでの子供を想起させる。

以前オウム事件で、親の入信で教団に連れ込まれた子供たちが問題になった。子供たちは完全に社会から隔離され教団の教えを一方的に叩き込まれていた。あの奇妙なヘッドギアを当てながら。保護された子供に記者が普段どんなビデオを見ているのかと訊ねると、「尊師のビデオ」と答えていたのが忘れられない。

確かに今回の女児はオウムのようにはまだ社会から「隔離」はされていない。ただ、母親の偏狭な考え方に強い影響を受け、親の活動に駆り出される現実は看過できない。こうした社会的な問題を充分判断できない9歳女児はまさに親のコントロール下にあるといわざるを得ない。

ところでその母親が女児に続いて行ったスピーチは放射能忌避の超過激な考え方であり、世間で言われる「放射脳」の典型といってよいだろう。

*がれきが焼却されれば、必ず空気は放射能で汚れます。

*(知り合いの女性が)東京でたくさん被ばくしたので、怖くて子供が産めないと、いいます。

*これから先、たくさんの人々が被ばくのために体調を崩し、西日本に避難してくることは簡単に想像できます。…

など、お決まりの放射脳用語がちりばめられている。あげくにはこんな偏見が飛び出す。

こちらに避難してきた人は、津波や地震だけなら避難せずにすんだ、復興できた、とみんな言います。しかし、放射能汚染に復興はありえないのです。 

なんと東北はすでに放射能に汚染されて「復興はありえない」とまで言い切っている。これを被災地差別と言わずしてなんというのだろうか。「関東を含め東日本は既に汚染されています。勝手にがれきやこみを自分のところで焼却してさらに汚染させてください。でも復興は無理です。私たちは、きれいで安全な場所で暮らしていきますから…」

こんな傲慢で無知な人間が集まり過激な放射能忌避を盲信する団体をつくる。反社会的活動も行う。これを反原発カルトとよんでも決して誇張ではないと思う。そして子供をもその世界に引き込む。これは現在の「社会問題」と考えるべきではないか。女性がスピーチでいみじくも語っている。

放射能から家族を守るために、会社をやめて、家族で大阪に移住されたお父さんがいます。ある若い女性は離婚して、大阪に避難してきました。

「移住」の必要もないのに無駄な出費で故郷を離れその絆を断つ。さらには離婚までして家族を引き裂く。反原発カルト問題の根は深くその闇は暗い。



二つのテレビ局の原発事故報道

2012-11-22 15:07:26 | 反原発反日メディア

21日夜の報道番組を続けて見た。NHKの「ニュースウオッチ」とテレビ朝日「報道ステーション」だ。両番組とも原発事故関連の特集をしていたが、方向性は真逆だ。

NHKは政界を引退した与謝野馨氏のインタビューだ。与謝野氏は今ほとんどの政党が脱原発を唱えている中できわめてまれな原発推進派だ。その発言は異様に思えるほど大胆だ。「人間はあらゆる文明を乗り越えていかないといけない。原子力も。それを怖がって逃げるという話をしているのは敗北主義そのものだ」。原発事故から1年8ヶ月経っているとはいえ、まだこんなあからさまな原発容認発言はタブーに近い。

もちろん大越キャスターに指摘されて与謝野氏も事故の重大性を認めつつ、それでも敢えて「乗り越える」ことを強調する。メディアが反原発派の猛反発を恐れていまだ原発評価には及び腰だ。そろそろ脱原発至上主義から国民が距離をおいて考える時期に来ているのではないか。日頃の自分の疑問に対して明快に与謝野氏は一つの答えを出してくれた。と同時にNHKが敢えてそれに先鞭を付けた意義は大きい。

一方、テレビ朝日は相変わらず事故による「放射能不安」を従来通りのパターンで報道している。この日は、福島県による甲状腺県民検査(18歳以下)を巡るものだ。テレビ朝日お得意の「母親たちによる子供の健康不安」がテーマだ。冒頭「ママ、私結婚できないかもしれないかもしれないね?」という子供の言葉を語る母親を見て「またか」とやりきれなくなる。また県医大の結果を保護者に通知する内容に、不備が多く充分母親たちを安心させるものではないことが盛んに強調されている。

たとえば「(自分の子供の場合)県から渡されたものには、のう胞が2.5ミリだったが、他の病院で調べたら3.8ミリあった」とか、「県の検査でのう胞が2つだったが、別の病院では4つあった」など微細な違いの指摘だ。「数秒の検査で本当のことがわかるのか」「一部だけ見て全体がわかるのか」など、個人的に見てもらった病院よりも県の医大の方ばかりを疑っていた。番組の流れも母親サイドについていてこれは全く公平さを欠いている。

県の担当医師が他の病院の不備の可能性を主張していた。結節やのう胞の大きさにしっかりした基準(県ではのう胞20ミリ以下、結節5ミリ以下なら心配ないとしている)があり正確なエコー検査できっちり調べているのだが、報道のトーンは県の不信に終始していた。テレビを見て疑問に思うのは登場している母親たちが集会を開くように1カ所に集まっている様子だ。おそらくもともと県の調査に疑問をもっている特別の母親たちのグループに見える。最初から「不信ありき」で凝り固まっているのでないかという印象を受ける。はなから他の病院で再検査しようとするのは不自然で意図的な感じがする。

古館キャスターも当然「県も国も県民の身になっていない」と不信に思う母親たちを弁護するというお決まりのパターンだ。36万人にものぼる福島の子供たちをすべからく正確で効率的に検査しようとする県の取り組みを理解しているとは思えない。こうしたテレビ局の姿勢は放射能不安の後遺症を引きずるばかりで、メディアとしてどうなのか大いに疑問が残る。前向きのNHKと後ろ向きのテレビ朝日(単純な決めつけは禁物だが)、キャスターの個性や考え方の違いもあるだろう。同時にメディアの方向性や体質も番組内容にはっきり出ていると実感せずにはいられない。


2年ぶりの米出荷

2012-11-21 00:05:18 | 福島への思い

福島県広野町は原発事故で緊急時避難準備区域となり、昨年9月解除されたものの、米の作付けは国から自粛を求められた。ただ自主販売する農家は例外的に食品基準値以下なら出荷が許可されている。

東京新聞の記事によると、今年2軒の農家が2年ぶりに米を出荷することになった。そのうちの一人横田さんはなんと31歳だ。事故前から放棄されている休耕田をも借り受けて5ヘクターの農地に米を作付けする若手の意欲的農家だ。しかも減農薬を心がけ、販路も自分で開拓する「稼げる農業」の実践者でもある。

心配していた国の基準も、キロ20ベクレル以下で全く問題ない。事故で農地を放棄して廃業する農家も増えている広野町で頼もしい31歳だ。こうした若い農家の強い意志とその行動力にエールを送りたい。うれしいのは一部買い取りする業者が基準値以下だということで通常より高い価格で買い取ってくれたことだ。普通なら福島の米ということで買いたたかれることも多いのに。横田さんのひたむきな意気に心打たれたのかもしれない。

それ以上に横田さんを喜ばせたのは、幼い3人の娘が「広野のうちじゃなきゃ、いや」と避難していた神奈川から実家へ戻ってきてくれたことだろう。おそらく奥さんのしっかりした判断と理解があったに違いない。

実際まだ広野町は住民の2割しか戻っていない。娘たちが通う小学校も4分の3は避難したままだ。まだまだ多くの問題が広野町は抱えている。しかしこうした意欲的な若い農家の取り組みは、何よりもこれに続く人々への大きな励みとなるであろう。何より旧避難区域からの米の出荷という意味は大きい。

ところでこの記事を取材したのはなんと?東京新聞の記者である。何かと問題の多い新聞だが、郷里の人々のひたむきな思いを優しく見守る記者がいることは救われる。